kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

落下傘候補・井戸正枝への投票を立民・共産・市民連合その他の「野党共闘」に強要されてしまった。まず落下傘候補擁立を当然視する風潮を改めよ!

 今年90歳のはずの本多勝一が若い頃だったら「落下傘候補への投票を強要される側の論理」とでも書いて、山本太郎、立民、共産をなで切りにするところだったのではないか。もっとも今世紀に入ってからの本多は小沢一郎と対談して意気投合するなどしていたので、本多が70歳代に戻っても無理だったかもしれない。

 もともとは阪神タイガースのファンながら、7月に矢野監督と井上ヘッドコーチがヤクルトの村上選手に吐いた暴言*1、今季だけはスワローズを応援してくださっている風来坊さんからいただいたコメントをいくつか紹介する。

 

 風来坊

共産は4区を重点区として立民に明け渡しを求めていて、それで15区とバーターしたんでしょうか。なぜ共産の方が強い東部を譲るのか訝しく思っていたのですが、4区は都議選で共産がトップ当選なんですね。維新が2位で立民の筆談ホステスさんが3位、自民4位公明5位ファースト6位でここまでが当選、自民は2人、ファーストも1人落選と、大田区は町工場が多いせいか特異な結果ですね。江東区も共産のベテラン畔上議員が3位当選、立民は6位落選と共産優位なので、古寺多見さんとしては納得いかないですよね。それに落下傘の井戸候補では裏切者柿沢議員には勝てないですかね。共産が譲るのであればどちらの選挙区も絶対勝ってもらわないと困りますけどね。

 

 東京4区大田区ですが、大田区は大きいので全部ではなく、高級住宅街として有名な田園調布などは東京3区を品川区の一部と共有したりしているようです。大田区江東区と同様町工場が多く*2、かつ両区には埋め立て地の帰属をめぐる「領土問題」を抱えています。江東区と杉並区の「ゴミ戦争」は過去の話ですが、領土問題は現在進行形です。私は江東区に来て、東京大空襲関東大震災、それに荒川放水路の建造などには関心を持つようになりましたが、領土問題についてはほとんど関心はありません。

 大田区のうち町工場が多い地域は、仰るように共産党公明党ともども強いと思いますが、衆院選では東京15区と東京4区は、ともにさほど共産党が得票している選挙区ではないようです。共産党東京4区の明け渡しを求めたというよりは、かつて民進党に属していた時期がある(衆議院議員としてはみんなの党が出発点でしたが都議時代にも民主党に属していた)柿沢未途が「裏切った」ため、柿沢に「刺客」を送りたかった立民が共産に15区の明け渡しを要求し、共産がそれに応じたと考える方がありそうな気がします。なお、大田区のうち町工場が多い地域は、江東区でいえば城東地区が対応すると思いますし、私には敵対心なんか全然なくてむしろ親近感を覚えるくらいです。むしろ、山本太郎の某組が先日決起集会をやった豊洲の方が、江東区からは浮いた地域であって、たまに行きますがあまり親しみを感じることができません。

 なお柿沢未途世襲議員なので、柿沢の票は決して立民や民民の票などではないことはいうまでもありません。落下傘候補でもある井戸正枝候補は、区民に浸透など全くしていませんから、柿沢に勝つのは至難の業でしょう。

 

 風来坊

野党共闘にはこういう問題があるんですよね、選挙民置き去りという。これで古寺多見さんは小選挙区の投票先がなくなってしまいました。私も野党一本化で選択肢をなくした経験があるので、お気持ちはよくわかります。野党共闘が1+1=2にはならない所以です。古寺多見さんがいつも仰っているように、1対1の構図を作り上げないと勝てないという小選挙区制度そのものにやはり問題がありますね。ただ自民党が自分たちに有利な制度を変えるはずもなく、立民も一兵卒が頑張っている以上選挙制度を変えることを提案することはないでしょう、残念ながら。中選挙区制度が良かったとは言いませんが、今よりは遥かにマシでした。本当はドイツ式が良いとは思いますが、中選挙区であればここまで政治が劣化することはなかったと思いますし、私は小選挙区断固反対だったので、本当に残念です。

 

 風来坊

追伸
私のところの野党統一候補も他の選挙区から出馬経験のある落下傘でした。出身も全く違う人で、評判も良くなかったので、かなりの抵抗感がありました。最終的には自民党を利するわけにはいかないと思い、鼻をつまんで投票しましたが、本当に苦痛でしたね。選挙くらいは入れたいと思う人に投票したいものです。一兵卒の罪状で最たるものは小選挙区制度の導入だと思います。政治ブローカーの田原総一朗も然り。万死に値しますね。

 

 まさに私も今回「小選挙区制の弊害」を身をもって経験したことになります。なお、中選挙区制は過去に問題を多く抱えていて、そこを小沢一郎らにつけこまれて小選挙区制を中心とした現行の小選挙区比例代表「並立制」の導入を現一兵卒の「剛腕」やら田原総一朗がテレビでギャーギャー騒いだせいで導入させられたのですから、た代替案は中選挙区制ではなく風来坊さんが仰るドイツ式、つまり小選挙区比例代表併用制など、当選者の総枠は比例代表で決め、個々の当選者は地域に応じた人とする制度であるべきだと私は考えます。

 なお、以前弊ブログで選挙制度の問題を取り上げた時、ずっと「併用制」の導入を主張していた社会党が小沢らに屈して「並立制」を容認した責任がある故土井たか子を強く批判したことがありますが、問題はそこではない、小選挙区と比例が半々だったはずの比率を3対2にしたのが悪かったとの反論をいただいたことがあります。しかしその意見は誤りだと私は今でも考えています。並立制と併用制は全く別の制度であって、前者は基本的に小選挙区制、後者は基本的に比例代表制なのです。ただ前者ではあまりにも第一党の議席数の割合が多くなりすぎるために、比例代表的要素を「加味した」に過ぎません。つまり、社会党が併用制の主張を取り下げて並立制を容認した時、同党はコペルニクス的転回をやってしまったわけです。当時の社会党委員長・山花貞夫*3は1999年に亡くなりましたが、小沢一郎田原総一朗、それに山口二郎らとともに歴史の厳しい審判を受けるべきでしょう。

 ところで、自民党内政局でも河村建夫が引退に追い込まれたそうです。

 

 suterakuso

山口からの情報(とはいえ全国版から)ですが、河村建夫が引退に追い込まれました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211014/k10013306511000.html

二階派の権力の失墜を象徴する出来事だといえるのでしょうね。そして、自民党員への、党内権力の流れを読んで、ひたすら媚びなければどうなるかという戒めにもなるのでしょう。別に河村もどうでもよいですが、林など、国情をよそ目にひたすら権力闘争に明け暮れて…しかし、本来、地盤を奪われた形で、争うべき安部には一切歯向かうこともなく…いたというのにですね。人でなしどもの政治ですね。

 

 結局、小選挙区制では党首が絶対的な権力を持ってしまいます。「リーダーではなくボス」のタイプの典型的な人間である小沢一郎が導入に強くこだわっただけのことはあるというべきでしょう。

 某組の山本太郎もまた、「リーダーではなくボス」の典型でしょう。ボスは部下の事情など意にも介しませんから、最初から東京8区の候補予定者は、いざ選挙になったら地方に飛ばすつもりでいました。そして立民と「密室談合政治」をやらかしたわけです。小選挙区制からはこんな政治家しか出てきません。

 今回の東京8区騒動で、私は持論だった小選挙区制批判をあえて封印し、今回ようやく記事にしているわけですが、それには意図がありました。

 その意図とは、小選挙区制の問題などわかり切っている、それよりまず第一になすべきことは、当事者たち、つまり山本太郎小沢一郎枝野幸男や立民の選対(平野博文)や都連(長妻昭手塚仁雄)らがどういうことをやったかの経緯を明らかにし、騒動の原因を突き止めるとともに再発防止策を講じることが最優先されるべきだということでした。

 そのプロセスをすっ飛ばして、いきなり小選挙区制の問題だけ指摘して、市民連合小選挙区制の廃止と比例代表制をベースにした選挙制度への移行を目標として掲げるべきだと主張しても、説得力など全くありません。現前の問題と、それについてあまりにも明らかな「山本太郎の責任」から目をそらせてはなりません。山本の経済思想上の同志でありながら、一貫して山本に苦言を呈し続けていた池戸万作を、心ある新選組*4の支持者は見習うべきでしょう。小選挙区制に対して批判的な意見を持っているならなおさらのことです。

 また、少なくともすぐには小選挙区制を廃止することなどできませんから、まず2005年の郵政総選挙で小泉純一郎が派手にやり始めてから蔓延した「刺客戦術」を止めることから始めるべきでしょう。

 山本太郎など、「どこの選挙区から立候補しようか」と物色していましたし、東京15区で柿沢未途自民党側へと寝返るや、立民支持層からは「立民は東京15区に刺客を当て、候補者を比例名簿で優遇すべきだ」などという、東京15区の選挙民の神経を逆撫でするツイートを発信し、それは現実になりました。私から見れば、東京8区の有権者に「鼻をつまんで山本太郎の名前を書いてほしい」と言ったとか言わなかったとかいう山本太郎と、「東京15区に刺客を送り込め」と呟いた立民支持層の人とは、同じ穴の狢にしか見えません。しかも前者はポシャりましたが後者は現実となり、私は立民や共産や市民連合に「井戸まさえの名前を書け」と強要されているわけです。

 私は柿沢未途を嫌うことにかけては人後に落ちませんから、投票日に井戸候補予定者の名前を結局書いてしまうかもしれません。しかし、比例ブロックでは立憲民主党共産党、某新選組には決して投票しません。もちろん自民や公明や維新や民民やN党その他にも投票しませんが。

 まず落下傘候補擁立を当然視する風潮を改めよ!

 そう強く訴える次第です。

*1:矢野監督と井上ヘッドの2人は中日入団時の監督が星野仙一だったから、星野の悪影響を受けたのに違いない。

*2:東京東部の地盤沈下は町工場が地下水を汲み上げすぎたためだとの説が有力のようだ。

*3:当記事の公開時、当時の社会党委員長を「土井たか子」と誤って書いてしまいました。誤記を訂正するとともに、余計な文章を削除しました。初歩的な誤りによって土井氏の名誉を傷つけてしまったことに遺憾の意を表します。

*4:正式な党名は弊ブログのNGワードを含むため、どうしても書けない。