衆院選が終わって、立民はもっとウイングを新自由主義側に広げるべきだったという声が出ているが、果たしてそれで効果が期待できただろうか。
既に枝野幸男は党の経済政策を旧みんなの党の江田憲司に丸投げしていた。私なんかは、立民はもうすっかり何がやりたいかわからない政党になったと感じていた。だから少なくとも比例では立民の党名を書く気はしなかったし、現に書かなかった。
何より、新自由主義の経済政策をウリにする政党は、2012年当時には維新とみんなの2つがあったが今は維新しかない。そこに手を突っ込みに行っても、そのマーケットはすでに維新ががっちり押さえているし、私のようにそれに反発する人間もいる。立民が今回よりもっとネオリベ側にスタンスを寄せても結果は大差なかったのではないだろうか。
ただ、維新に投票する層は必ずしも維新のネオリベ政策に惹かれているとは限らず、大阪のメディアが作った、維新を応援するのが当たり前みたいな空気が「なんとなく」当然に思えているだけかもしれない。2017年の衆院選では、そんな維新支持層から大阪でも旧立民がかなりの票を奪い、そのために維新は議席数を減らしたのだった。もっともその時に選挙区で維新を破ったのは主に自民だったが。
どのみち現在の立民は国政選挙で共産と組んでいるのだから、むしろ下手に経済政策を江田憲司に任せたりしなかった方が良かったようにさえ思う。
衆院選の敗北で早くも枝野の交代論が出ているが、たとえば旧民民の泉健太や、ましてや12年ぶりにやっとこさ選挙区で勝った小川淳也(前回は希望で比例復活)などでは党の舵取りは全く覚束ないだろう。立民は昨年新立民として代表選をやったばかりでもあり、来年の参院選までは枝野で行くしかない。枝野には空気を読む力だけはあるのでそこに賭けるしかないと思う。
ただ、参院選でも負けるようなことがあれば、2023年の任期満了を待たずに枝野は代表を退いた方が良い。衆参の国政選挙に連敗ではさすがにどうしようもない。それまでに、後継者候補を旧立民の方も用意しておくべきだろう。旧民民の方は引き続き泉健太だろうけど。