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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

佐川宣寿、国会の証人喚問で「証言拒否」を連発

佐川宣寿の証人喚問については、昨夜(27日)のNews23でそのさわりの部分を見ただけだが、冒頭にまたしても「安倍晋三喜び組」リーダー格の丸川珠代が出張って延々と「御用質問」を繰り広げるやら、佐川が証言拒否を連発しまくるやらで、成果なしに終わったらしい。

最初の発言は「答弁差し控える」佐川氏、淡々と証人喚問:朝日新聞デジタル

最初の発言は「答弁差し控える」佐川氏、淡々と証人喚問
2018年3月27日12時54分

 最初の発言は「答弁を差し控える」だった。森友学園との国有地取引に関わる公文書改ざん問題で、証人喚問に呼ばれた佐川宣寿(のぶひさ)・前国税庁長官(60)は27日、約9カ月ぶりの国会で謝罪の言葉を重ねる一方、「刑事訴追のおそれ」を理由に重要な点について証言を拒み続けた。議場には失望の声が漏れた。

 佐川氏は午前9時半の少し前、参院の第1委員会室に姿を見せた。左胸には、証人であることを示す緑色のリボン。深く3回お辞儀した。

 虚偽の証言をすると処罰される場合があることなど、金子原二郎委員長の説明が5分程度続く。その間、瞬きを繰り返したり、口を何度も結んだりしたが、宣誓を求められると落ち着いた口調で読み上げ、宣誓書への署名と押印を速やかに終えた。

 冒頭、改ざんの動機や指示した人物はだれかについて尋ねられると、言葉を選ぶように答えた。「私は現在、告発を受けている身でございます。刑事訴追を受けるおそれがございますので、その点につきましては、答弁を差し控えさせていただきたい」。委員会室には、議員らの「えーっ」という声が満ちた。

 その後も改ざんについての認識などを問う質問が続いたが、佐川氏は証言を拒み続ける。2時間のやりとりの中で「刑事訴追のおそれ」「差し控える」をそれぞれ20回程度繰り返した。共産の小池晃氏は「都合の悪いことに答えないというだけの話」「これ以上聞いたって意味ない」と反発。議事は一時中断した。

 一方で、改ざんの責任について問われると能弁に答えた。「書き換え問題で国会に大きな混乱を起こし、行政の信頼を揺るがしたことは申し訳ない」「責任はひとえに私にある」

 また、自民党丸川珠代氏が「安倍総理からの指示はありませんでしたね」「総理夫人からは」と、官邸幹部らの役職を一つ一つ挙げて指示について質問すると、きっぱりした口調で「ございません」と次々に否定していった。野党からは「何で言い切れるんだ」との声が漏れた。

 丸川氏が「理財局内での書き換えか」と問うと「理財局の中で行われたというふうに考える」と答えた。

 一瞬言葉に詰まったのは、交渉記録を「廃棄した」とした昨年の国会答弁について問われたとき。「丁寧さを欠いた」「申し訳ない」と非を認めた。その理由を問われると、理解を求めるように「当時、局内は連日連夜、朝まで(国会対応)という日々。月曜から金曜まで質問をいただくなかで、まったくそういう余裕がなかった。申し訳なかった」と話した。

 答弁で価格交渉を否定したのは間違っていたのでは、と問われたときは語気を強めた。「現場で価格の話をすることはあるが、最後は不動産鑑定価格によって決定すると随分答弁した」「いまでも答弁は正しかったと考えている」。昨年春、国会で繰り返していた強気な姿が戻った。

 午前の参院では、議員9人を相手に計2時間超。次々に繰り出される質問に対し、傍らに控える弁護士の助言をあまり求めないまま渡り合ってみせたが、疑惑の解明は進まなかった。

 佐川氏は公文書改ざんの経緯をどう説明するのか――。27日午前の参院予算委での証人喚問は20人以上が傍聴し、熱心にメモをとったり、のぞき込むように見つめたりしながら、証言に耳を傾けた。

 千葉県市原市の大学3年生、田中朔也(さくや)さん(24)は「森友学園問題の全貌(ぜんぼう)解明に向けて大きく動く日になってほしい」と期待して初めて国会傍聴に足を運んだ。「すべて語るとは期待できない」としつつも「公文書改ざんの理由などの疑問に対して、はっきり答えてほしい」と話した。

 東京都新宿区の男子大学院生(24)は「公文書改ざんの問題が大きくなったのは、報道が出てからも財務省がすぐに認めなかったからだ。議員がどういう質問で証言を引き出すのかに注目したい」と言う。

 横浜市フリーライター堀内一秀さん(57)は「佐川氏には1年以上国会を混乱させた責任がある」とみて、証言による事態の進展を期待していた。だが、刑事訴追の恐れを理由に肝心な証言を拒み続ける佐川氏の姿勢に「証人喚問の意味がない」とあきれた。なぜ安倍昭恵氏の名前が文書から削られたのかなど、改ざんの目的はふに落ちないまま。「もっと時間をかけて、真相を明らかにしてほしい」と話した。

 国会周辺では27日正午ごろから数百人が抗議集会を開いた。参加した民進党の杉尾秀哉参院議員は「証言拒否で聞くに堪えない。なのに、明確に官邸からの指示はないと証言した。おかしくないですか」と訴えた。参加者らは昭恵氏らの証人喚問も求めた。

朝日新聞デジタルより)

容易に想像されるのは、佐川の口封じに官邸が何らかの見返りの約束を佐川にしたはずだが、それはやはり「天下り先を確保する口利き」の口約束だったのだろうか。

佐川宣寿先輩は、本社社主と大学も学部も同じ大先輩。多分俺と同じ国家公務員試験経済職合格者。

「まあ、本当のことを言った結果、天下りができなくなるのは、気にしないで、俺みたいに介護とかやってもいいんじゃないの? 役人辞めたら天下りしかない、というのは視野が狭い」

と思ってしまうのは、本社社主の価値観の押し付けでしょうね。


だけど、「コンバート」がしやすい社会にしていくのは必要です。


そして、根本的には、本当のことを言った人が損をしない社会にすることでしょう。


公益通報者保護法をもっと告発者に使いやすいモノにするなどの立法。

また、小選挙区制と内閣人事局制度の組み合わせ。これがガチガチの安倍一強を招いた

ことを踏まえた、選挙制度・公務員制度の見直しでしょうね。


佐川宣寿は東大法学部ではなく、東大経済学部卒だ。福島県いわき市出身で、実家は必ずしも裕福ではなかったと聞く。東大入試も現役では受からず一浪しても受からず、二浪してようやく受かった。東大卒の人間の中では苦学した部類といえるかもしれない。東大は1982年に卒業している。

一方、佐川より1年早く国税庁長官になったのが迫田英典だ。迫田は、事務次官レースからは脱落したものの、国税庁長官財務省内では事務次官に次ぐナンバー2格のポストとのこと。通常国税庁長官の任期は1年らしいので、既定路線通り昨年7月に財務省を退官し、今年1月にTMI総合法律事務所顧問及び三井不動産顧問に天下りした。

Wikipediaを参照すると、迫田は山口県豊北町(現下関市豊北町)出身で、県立山口高等学校を卒業。東大入試も現役で合格し、佐川と同じ1982年に東京大学法学部を卒業、大蔵省入りした。そして佐川より1年早く国税庁長官に就任している。つまり年齢は佐川より2歳年下だが、佐川が二浪したために大学では同学年となり、大蔵省→財務省における出世では2歳年上の佐川より逆に1年先行した。その迫田は、どう考えても佐川よりはるかに深く森友学園事件に関与したにもかかわらず、昨年、大きな話題になった籠池泰典の証人喚問が行われた翌日の3月24日、国会に参考人招致されて与野党のぬるい質問を受けただけで放免されて今に至っている。今頃になって野党が迫田の証人喚問を要求しているが、昨年3月には民進党の国対が迫田の証人喚問ではない参考人招致であっさり自民党と妥協し、その参考人招致も籠池喚問のニュースに紛れてろくに注目されない体たらくだった。もちろん迫田の参考人招致からは何も得られなかった。

私はこのことに昨年3月の時点で既に怒っていた。昨年、迫田の参考人招致が行われた当日朝(つまり参考人招致の直前)に書いた記事を以下に引用する。

昨日(23日)の籠池泰典の証人喚問は私の仕事時間中に行われた。生中継も録画も見ておらず、テレビや新聞のニュースで知るのみだ。

今朝(24日)の朝日新聞(東京本社発行最終版)の1面トップの見出しは「昭恵夫人付職員が関与」、社説の見出しは「昭恵氏の招致が必要だ」だ。「できるなら……と願っている」などという腰の引けた書き方ではない。しかし朝日の社説にも私は不満で、なぜかといえば同社説が求めているのは安倍昭恵の「国会への招致」に過ぎず、「証人喚問」の4文字は使っていないからだ。森友学園(アッキード)事件の真相解明をしようとするなら、安倍昭恵の国会招致は、迫田英典について民進党が腹立たしくも妥協してしまった「参考人招致ではなく、「証人喚問」でなければならない。あの蓮舫ですら安倍昭恵の証人喚問を要求し、それどころか後藤謙次田原総一朗らでさえ昭恵の証人喚問が必要だと示唆しているのに、朝日の社説が証人喚問までは要求せず「国会に招致する必要がある」との表現に留めていることはいただけない。

さて、私自身もほんの数日前まではこの事件の「財務省ルート」においては安倍昭恵は単なるお飾りで、ラスボスは安倍晋三だろうとばかり思い込んでいたが、野党議員の籠池邸訪問中に安倍昭恵が籠池諄子にメールを送った件や、「もったいない学会」の8000万円の件などを知って、「アッキード事件」との仇名が事件の本質を突いていたことにようやく気づかされた。昨日の籠池泰典の証人喚問を通じても、ラスボスは安倍昭恵であって安倍晋三メッセンジャーに過ぎなかった疑いがますます強まった。籠池諄子と安倍昭恵との頻繁なメールのやり取りには驚かされるばかりだ。そう、森友学園側に関してもラスボスは籠池泰典(本名・籠池康博)ではなく籠池諄子(本名・籠池真美)であることが明らかになりつつある。つまり、アッキード事件安倍夫妻・財務省ルートの巨悪の流れは「籠池諄子→安倍昭恵安倍晋三→迫田英典」なのだ。もちろん「迫田英典を吊す」必要もあろうが、最大の標的は安倍昭恵でなければならない。これが私の意見である。もちろんもう一つの「大阪維新ルート」(こちらは本当にひどい利権まみれのようだ)においては松井一郎が最大のターゲットだ。(後略)


上記引用文中、

「できるなら……と願っている」などという腰の引けた書き方

と書いたのは、今ではもうすっかり匙を投げてブログを見に行く習慣もめっきり減った(今では月に2,3回の訪問かな)、某括弧付き「リベラル」(または都会保守)氏のブログ記事にあった表現だ。それは懇願調で安倍昭恵が説明してくれることを「願っている」と書かれた、あまりにも情けない記事だった。なお、いつだったか今年に入ってから同じブログを見に行った時には、安倍昭恵の「証人喚問or参考人招致」を求める書き方をしており、昨年の事件発覚直後と比べるとだいぶマシにはなっていたが、それでもまだ「or参考人招致」などと書いて一定の譲歩をしていた。何より昨年森友学園問題が発覚した時点での、前記ブロガー氏を含む「リベラル」の安倍昭恵批判の腰の重さが、事件追及の世論を盛り上げるのに水を差した。痛恨の極みだ。

遅ればせながらそれから1年経って、やっとこさ野党が迫田英典、安倍昭恵、それに昭恵の「秘書」だった谷査恵子の3人の証人喚問を要求するところまできたが、今月2日に朝日新聞財務省文書改竄事件(当初は朝日も「書き換え」と表現していた)をスクープしてからの攻防でも、どうやら官邸と自民党が態勢を立て直しつつあるようだ。

野党も追求が鈍い。民進党国会議員など、追及の相手であるはずの佐川を「被害者」みたいな言い方をして佐川から証言を引き出そうとしていたらしい。想像を絶するぬるさだ。そういえば昨年の国会質疑で民進党福山哲郎(現立憲民主党)が、「昭恵さんも被害者じゃないかと思ってるんです」と断りを容れるなど、ずいぶん腰の引けた質問をしたことがあった。安倍晋三はその程度の腰の引けた質問に対しても激怒し、福山が色をなして「そんなことは言ってません」と語気強く言い返す場面があったが、それは単に敵(安倍晋三)の瞬間湯沸かし器ぶりが常軌を逸していたに過ぎず、そのことで福山の質問のぬるさが免責されるものではない。

常識から大きく外れた公文書改竄事件の発覚でようやく少しは目が覚めたのか、野党や市井の「リベラル」らのぬるさは徐々にではあるが改善されつつあるとはいえ、それでもまだ本気度のパワー全開からはほど遠いように見える。

反政権側もいい加減本気にならないと、またしても安倍政権にしてやられるぞ。もっと危機感を持て。そう強く思う。