kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

カルロス・ゴーンと城内実

あの極右政治家・城内実が、もう覚えている人などほとんどいないかもしれないレイシズムむき出しの記事を公開してから、今年の11月11日で丸10年になったのだった。


"bakawashinanayanaoranai"(馬鹿は死ななきゃ治らない)という文字列を含むURLは今も印象深いが、この恥ずかしい記事を書いた頃、城内は「反新自由主義」を売り物の一つにしていた。その城内実のサイトに注目している人はもうほとんどいないと思うし、私も滅多に参照しないのだが、今日コメント欄で城内にちょっと触れたので*1、ついでに最近の更新を見てみたら、カルロス・ゴーン逮捕について書いた記事を公開していた。以下に引用する。

日産 カルロスゴーン会長逮捕 « 城内 実(きうちみのる) オフィシャルサイト(2018年11月20日

日産 カルロスゴーン会長逮捕
2018年11月20日 17:39

 日産自動車カルロスゴーン会長の金融商品取引法違反疑いでの逮捕が大きく報道されております。
日産によると、数か月にわたり調査した結果1実際より少ない報酬を有価証券取引報告書に記載2会社資金を不正に支出3会社資金を私的に流用したとのことです。
 ゴーン氏は、「コストカッター」と呼ばれ、経営破たん寸前だった日産を再建したことで有名です。一方で、フェアレディZを復活させ、R35 GT-Rの開発を指示するなど、採算性が低くても象徴的なモデルは支持するなど自動車ファンに寄り添う姿勢も見せていました。 
 ハイブリッドを飛び越えて開発させたEVのリーフは世界累計販売台数が30万台を突破など、日産自動車を世界のNISSANにした功績は大きいですが、今回の背任行為は到底許されるものではありません。
 株主を始めとするステークホルダーはもちろんのこと、世界の自動車ファンを裏切る行為を大変残念に思います。

(城内みのる公式サイトより)


なんじゃ、この記事は。一読して呆れてしまった。
上記記事には新自由主義に対する批判的な視座など、もはや全く見られない。

ゴーン氏は、「コストカッター」と呼ばれ、経営破たん寸前だった日産を再建したことで有名です。

という文章からは、ゴーンに首を切られた労働者の痛みなど書き手が歯牙にもかけていないことが窺われる。

書き手の文章には、「自動車ファンに寄り添う姿勢」だの「株主を始めとするステークホルダー」だの「世界の自動車ファン」だのという言葉が見られるだけだ。そのくせ、ゴーン逮捕を取り上げたのは、この事件が自らとズブズブの関係にある浜松のスズキに間接的な利益をもたらす可能性があるからだろう。

城内実とはこんな人間だったのだ。おそらく、いや間違いなく、10年前の新自由主義批判などこの男の本心でもなんでもなく、単なる人気取りに過ぎなかった。この男の心中にあったのは、ただ自らに「刺客」片山さつきを送り込んで衆院選でまさかの落選に追い込んだ小泉純一郎に対する私怨だけだった。つまり、新自由主義に本気で反対するつもりなどもともとなかったのだ。

こんな奴を「『右』も『左』もない、オレは『下』や」というスローガンを掲げていた人間はよくも持ち上げたものだなと、久々に怒りを新たにした次第。