山尾志桜里の国民民主党(以下「新民民」)衆院東京ブロック比例1位をめぐる支持者たちの反応を見て、用法が適切かどうかはよくわからないのだけれど、「正常性バイアス」という言葉を思い出した。都合の悪い情報から目を背けるあり方として浮かんだ言葉。
しかし、普通に考えて落選必至だと思うんだが、返信ではこのような楽観論が拡がっていて何なの?と思う。
— まつもと🇫🇷 (@matsuwitter) 2020年9月24日
まあ、投票用紙に「山尾しおり」って書きそうな感じだが…… pic.twitter.com/a72xjtVVm1
私も呆れてしまった。いうまでもないが、「山尾しおり」と書かれた投票は、衆院の比例区では無効票になる。そんな投票をしそうな人たちがわんさかいるという皮肉だ。首班指名で参院の寺田静が1票を投じたことで注目された、新民民の伊藤孝恵参院議員が訴える通りだ。
衆議院議員にとって選挙区を変えること。選挙区を持たない比例単独、つまり山尾志桜里という名前ではなく「国民民主党」と2枚目の投票用紙に書いて貰わねば当選が叶わないという挑戦をするのは、とても悔しい選択だった筈です。でも、やる。
— 伊藤たかえ(国民民主党参議院議員 愛知県選挙区) (@itotakae0630) 2020年9月24日
山尾さんを失う訳にはいきません。どうか力を貸して下さい。 https://t.co/iNVfym9Gfb
このツイートに対しても、根拠なき楽観論者が下記の反応を示した。
比例一位なら安泰かと思いましたが?
— バロック (@QiKxITgxonq1GeT) 2020年9月24日
どういうことですか?
下記は、上記ツイートへの反応。
国民民主党として、現時点での支持率を見ると比例を取ることはかなり大変だと言うことです。
— rosario@showzi_1型糖尿病IDDM (@gp8_pixy) 2020年9月24日
下記は、これに対する、根拠なき楽観論者のさらなる反応。
逆風時の希望の党でさえ議席確保してますが、東京で1議席も取れないようならお終いですよ
— バロック (@QiKxITgxonq1GeT) 2020年9月24日
これには開いた口が塞がらなかった。「逆風時の希望の党でさえ」と書くが、希望の党は当時人気絶頂だった小池百合子が前原誠司と手を組んで立ち上げた政党であり、小池がのちに(旧)立憲民主党を立ち上げた人たちを「排除」しようとしたことから失速したものだ(なおこの時、小沢一郎も小池・前原に加担しようとしたが、枝野幸男らともども小池に「排除」された)。つまり、逆風にさらされたとは言っても、人気絶頂からの下り坂の途中での選挙であって、最初から政党支持率が0.1%しかない新民民とは比較にならないくらい高い得票力があり、その結果2017年衆院選で希望の党は、分不相応に多くの議席を獲得したのだった。「分不相応に」というのは、選挙後も希望の党の政党支持率が下がり続けたため、それが下げ止まった時の政党支持率に対して同党の議席が多すぎたという意味だ。
「東京で1議席も獲れないようならお終い」というのはその通りだが、新民民の党勢は現時点で既に「終わっている」としか言いようがない。
参院選東京選挙区での旧・国民民主党の比例票を基に1議席はギリギリ確保と書いてるのもあったけど、その旧・国民民主党の4分の1程度を引き継いだ新・国民民主党ということを忘れてるっぽい。元々東京では影の薄い国民民主党だから、4分の1ということはないかもしれないが、参院比例の半分届くかどうか
— まつもと🇫🇷 (@matsuwitter) 2020年9月24日
資金は潤沢だった参院選と比べると、金もまったくないだろうし、やっぱり4分の1届けば御の字か。どっちにしろ0議席だろう。バイバイ、山尾さん
— まつもと🇫🇷 (@matsuwitter) 2020年9月24日
中には下記のように、山尾に同情する人もいる。
山尾氏の処遇はさすがに可哀想だ。党名投票で国民民主党が議席を獲れるわけがない。死地に放り込むに等しい。
— コズミックおばさんの心の五・七・五 (@575cosmic) 2020年9月24日
この人の票読みはこんな感じ。
2019年参院選の東京での国民民主党の得票数は27万2990票。2017年衆院選の東京ブロックで議席を獲得した政党のうち、ビリだったのが共産党で61万8332票。
— コズミックおばさんの心の五・七・五 (@575cosmic) 2020年9月24日
落選はほぼ間違いない。
私も山尾の落選を確信しているが、この人と違って山尾には一切同情しない。いつになるかわからない衆院選まではまだ日があるので、これから予期せぬ新民民の人気急上昇でもあれば話は別だが、あんな「ゆ」党が突如人気沸騰するとは私には思えないので、やはり山尾は落選確実だろう。
山尾の落選が本決まりになれば、私は祝杯を挙げる。