高橋洋一の「笑笑」ツイートがテレビのニュース等でも取り上げられて厳しい批判を浴びているが、私が苦々しく思い出したのは、かつて「リフレ左派」たちが高橋を批判できなかったという「恥ずかしい過去」だ。
高橋には時計の窃盗犯という犯罪歴があることは周知だが、経済思想的にも極端な新自由主義者である上政治思想的にも右翼で、長く大阪維新の会のブレーンを務めてもいる。だから高橋と同じ新自由主義者である菅義偉が高橋を内閣参与に取り立てた。
日経によれば、菅義偉は前任者の安倍晋三とは違ってリフレ派への傾斜はないとみられていたとのことだが*1、そもそも菅は経済政策には関心がないとみるべきだろう。菅には単に「自助」を極端に偏重するという経済極右的かつ単純な思想があるだけで、だから「金融緩和さえやっておけば財政政策など要らない」としか解釈できないことばかり言っている高橋を取り立てたのは不思議でも何でもなかった。
新型コロナ対策には巨額の財政政策が必要であることは自明だったから、私は自民党が安倍の後任に菅を選んだ時、自民党はよりにもよって3人の総裁候補の中で新型コロナ対応がもっとも期待できない菅を選んだとして強く非難したが、その懸念が現実になっているのが菅の首相就任以来現在に至るまでの政権のコロナ対応政策の惨状だ。そんな時に飛び出した高橋の「笑笑」ツイートに非難が集中したことは当然だ。
かつて「リベラル・左派」たちの間でもリフレ政策には一定の支持があり、実は私もその一人だが、私はずっと括弧のあるなしを問わずリベラルまたは左派的な立場に立つ者が財政政策に冷淡・不熱心であることはあってはならない、だからそのような人間である極端な新自由主義者の高橋を「リフレ派左派」が批判しないのはおかしいとずっと言ってきた。しかし彼ら「リフレ派左派」たちの多くはこの批判を無視するか、あるいは高橋を積極的に擁護する者さえいた。
現在は、専門家たちはいざ知らずネット等のトレンドでは、当時の「リフレ派左派」たちの少なくない人たちがMMTに乗り換え、当然ながら高橋洋一はMMTには大反対の立場に立っているから、MMT左派*2の人たちが高橋を擁護することはもはやない。だが私は執念深い人間だから、かつての「リフレ派左派」たちの強く非難されるべきふざけた態度を決して忘れない。
当時の「リフレ派左派」に猛省を求めたい。てか猛省しろ。