「グローバリズム」というのは問題のある略語だと思う。
今日、キムテヨンさんのビラをいただいたのですが、外国人地方参政権には触れていないものでした。 pic.twitter.com/Ya3BJnTI5o
— ツイッター政治おじいちゃんお化け (@micha_soso) 2022年4月30日
外国人地方参政権を入れるとれいわ新選組支持者が「日本を外国人に乗っ取らせる気か!きさまグローバリストか!」といきり立つからやめたのだと推測。れいわ新選組支持者の言う反グローバリズムって本来のものからずれてて単にネトウヨだと思う。
— K-POPファン (@KPOP31723725) 2022年4月30日
それは「グローバリズム」という言葉自体の問題でもある。本来は「グローバル資本主義 (global capitalism)」の意味だったはずだ。globalism(汎地球主義)とは「国家を超えて、地球全体を一つの共同体とみる考え方」のことだ。この「資本主義」のつかない「グローバリズム」は、世界を内と外に分けて内の側につく右翼にとっては天敵ともいえる一方、リベラルとは親和性が強い思想のはずだ。
要するに、批判の対象であるはずの「グローバル資本主義」から肝心の「資本主義」がすっ飛んでしまったのだ。本末転倒もいいところだろう。
1990年代の日本で「グローバル・スタンダード」なる和製英語*1が猖獗を極めたことがあった。Global capitalismというなら、globalは形容詞であって本体の名詞はcapitalismのはずだが、なぜか「グローバリズム」という略語が流布してしまった。その結果、肝心の資本主義批判そっちのけで排外主義を主眼とするネトウヨ的な連中が大量に流れ込み、その受け皿になっているのが山本太郎と×××新選組だ、という図式だろう。
本来の反グローバリズムは画一的な欧米化や国際的な大企業への反発だと思うのですが、彼らは単なる外国人嫌いですからね。
— 木山正司@腹ペコタヌキ (@happytanuki_ppp) 2022年4月30日
これも、「画一的な欧米化や国際的な大企業への反発」を「国際的資本主義への反発」と言い替えた方がすっきりする。
グローバル化によってダメージを被るのは、労働集約産業の労働者層や、中小零細事業者ですから。外国人によって職を奪われる層が「外国人嫌い」になる―「れいわ新選組」に「外国人嫌い」が集まり、反グローバリズム化するという現象は、それなりに整合性があります。
— まことん @ロシア軍はウクライナから撤退せよ!プーチンに法の裁きを! (@makotonch) 2022年4月30日
×××新選組には資本主義批判抜きの「反グローバリズム」の連中が集まりやすいといえる。
そういえば山本太郎について論じる時、一方で毛沢東やポル・ポトに親和的だったらしい新左翼の斎藤まさし(本名・酒井剛=さかい・たける)との関わり、他方で反米保守(右翼)系の鳩山由紀夫・植草一秀・孫崎享らとの関わりが指摘されるが、重要な人脈が一つ抜けている。それは「日本経済復活の会」という民族主義系極右とのかかわりだ。小野盛司という人物が主宰している。たとえば下記リンクを参照されたい。
前にも弊ブログに書いたことがあるかもしれないが、私自身も10年以上前にこの会へのお誘いを受けたが、応じなかった。
同会の役員や国会議員の名前が記載された名簿(下記リンク)は何年も更新されていないようだが、役員にあの名古屋市長・河村たかしが名を連ねていることには呆れるほかない。自民党の他、「民主」や「生活」の議員の名前が載っているから、民主党が維新の党江田憲司派と合流して「民進党」になる前に作ってそのままなのだろう。
*1:この言葉は世界的にも一部用いられていたようだが、日本において濫用されていた。