私は毎日新聞と朝日新聞のデジタル版を有料契約しているが、両社との仁義として記事の有料部分は引用しないと決めている*1。ただ、朝日の場合はプレゼント機能があて1日だけ無料で読めるリンクをブログなりSNSなりから張ることができるので、何度かそれを利用した。
毎日の場合は朝日のプレゼントに対応する機能がないようなので、下記記事の無料部分を引用する。先週だったと思うが、昼休みの職場でYahoo! JAPAN経由で見た時には無料で読めた記憶があるが、ほぼ間違いなく現時点では不可能だろう。だから全文を読むには毎日新聞デジタルと契約するしかないと思う。こういう形で毎日新聞社の経営に微力なりとも協力するとまでは言わないが、最低限の仁義として営業妨害は避ける次第。
以下に無料部分を引用する。
高齢者は若者の敵か 「シルバー民主主義」の虚偽
2023年10月31日
今の政治は、投票率の高い高齢者ばかりを見て政治をしている――。
よく言われる「シルバー民主主義」は本当でしょうか。
政治学者の吉田徹同志社大教授と考えました。【聞き手・須藤孝】
◇ ◇ ◇
定義はあいまい
――「シルバー民主主義」はよく使われる言葉です。
吉田氏 マスメディアも専門家も多用しますが、明確な定義があって用いられているとは言えません。
大きくいって三つの定義が混在して使われています。
一つは「今の日本の社会保障制度は高齢者優先になっているため、財政赤字拡大に歯止めがかからない」という財源上の指摘です。
もう一つは、「今の政治は高齢者のほうばかり向いていて、現役世代への給付が不十分」というもので、若者から多く指摘されるものです。
三つ目は、1番目と2番目を合わせたような言い方で、「社会保障財政が悪化するのは、政治家が投票率の高い高齢者ばかりを向いているから」というものです。
――根拠が薄弱だと指摘されています。
◆日本の社会保障制度が高齢者偏重になっているのは事実で、社会保障制度の大きな改革ができていないのはその通りです。
しかし、諸外国を見ても社会保障制度の改革は長い時間がかかり、数回の選挙で決まるようなものではありません。
そもそも、当の高齢者たちの要望でこうした社会保障制度ができたわけではありません。
現在の社会保障制度の基本設計がなされ、「福祉元年」といわれる1973年は、人口構成としては現在よりもずっと若い時代でした。
来る高齢社会に向けて、当時の政治がやるべきことをやっただけです。
――社会保障制度が高齢者優遇になっているのは「高齢者の投票率が高いためだ」という言い方はどうでしょうか。
◆明らかに間違っています。高齢者人口の増加と、1人当たりの社会保障支出の増加は比例していないからです。
特に第2次安倍政権以降は現役世代への給付が以前より増え、逆に高齢者の負担は増加しています。
中高年の投票率は高いままなので、投票率の高低が政策を決めているわけではないことがわかります。
――しかし、高齢者のせいで若者が損をしているという言い方に賛成する人は少なくありません。
(以下有料記事)
(毎日新聞「政治プレミア」より)
URL: https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20231030/pol/00m/010/004000c
記事についたブコメより。
高齢者は若者の敵か 「シルバー民主主義」の虚偽 | | 吉田徹 | 毎日新聞「政治プレミア」
- [政治]
- [老人]
維新シンパや勝共アカウントが盛んに掲げるスローガンだが、皮肉なことに、むしろ思想としては逆に「文化大革命」「クメール・ルージュ」に近いと思う。『資産家老人を尊厳死に追い込み、若き労働者に分配しろ!』
2023/10/31 15:04
これは実に秀逸なブコメ。
記事の全文を読みたい方は、月額980円の毎日新聞デジタルに登録してみてはいかが。
*1:朝日の紙媒体をとっていた頃には何度かキーボードを手打ちして有料部分を引用したことがあるが(そもそもその頃にはデジタル版は登録していなかった)、現在では有料部分を紹介したい時にはプレゼント機能を利用し、リンクを張るだけで引用そのものはしないようにしている。