政治学者・菅原琢の下記ツイートを某軍師氏がリツイートしていた。
【おすそわけ】都議選の告示後調査の各党投票予定について、主要5党計を100%とする各党の割合を示した図。 pic.twitter.com/tlCC12A2ka
— 菅原 琢(SUGAWARA, Taku) (@sugawarataku) 2021年7月9日
概ね自民は過大に、都民ファ、公明は過小に。日経・共同は投票先決定者内の投票予定をまとめたので自民がかなり過大になっています。
— 菅原 琢(SUGAWARA, Taku) (@sugawarataku) 2021年7月9日
東京新聞・MX・JXはオートコール調査で高齢者が極端に多く、そのために共産と立民が過大に。こんなもの発表するなというレベル。せめて重みを付けて集計してほしいところだけど、それに耐えられるほど若年層の数が集まっていない可能性も高いか。
— 菅原 琢(SUGAWARA, Taku) (@sugawarataku) 2021年7月9日
なお、上記3件のツイートのうち2番目のツイートについては、軍師氏はリツイートしていない。
しかし、上記1番目と3番目をリツイートしたのは、三春充希氏が選挙区ごとの情勢調査を紹介・拡散した毎日新聞と社会調査研究センターによる調査を「まともな調査ともいえない」などとして前記三者(三春氏・毎日・社調研センター)を非難しら自らのツイートの誤りを事実上認めたも同然ということだろう。
軍師氏に煽られた立民(や共産?)の支持者の中には、「JX通信の世論調査しか信用できない」と呟いた者がいたが、なるほど各社の世論調査の結果を見ると、JX通信を含む東京新聞と(極右番組で悪名高い)MXとの三社の世論調査が、突出して立民と共産の数字を高く弾き出していた。
それもあってか、軍師氏は第三極の退潮と「自公対立共」の二大ブロックの対立構図になる、と喧伝したのだが、菅原琢はこの希望的観測の根拠となったかもしれない東京新聞・MX・JXの調査について、
オートコール調査で高齢者が極端に多く、そのために共産と立民が過大に。こんなもの発表するなというレベル。
と切り捨てた。一方、菅原氏の上記最初のツイートに貼り付けられたグラフを見れば明らかな通り、毎日と社調研センターの調査は、自民の過大評価と都ファの過小評価はあったものの、公明・共産・立民については選挙結果とよく整合していた。
なんのことはない。JX通信・東京新聞・MXのものが「調査とはいえない」とまでは言わないが、少なくとも立民と共産に対する投票に関しては、毎日と社調研センターの調査の方がJX通信などの調査よりもずっと正確だったのだ。
これが答え合わせの結果だ。
「JX通信の世論調査しか信用できない」と呟いた者は、都合の良い情報しか信じようとしない態度の典型例であって、こんなことを言う人間に対して、仲間内から諫める声が出ないあたりに、現在の立民支持層の思考が硬直していることがよくわかる。
これは、衆議院選挙が遠くないうちに行われることを考えると、極めて憂慮すべき傾向だといえる。しかも長期的にも立民と共産の支持層はともに高齢化しており、展望は決して明るくない。
また、今回大きな誤りを犯した軍師氏も、立民や共産の支持者たちをあらぬ方向に誘導する「ハーメルンの笛吹き」的なツイートの発信を改めるべきだろう。