kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

東京都にコロナ禍を蔓延させた小池百合子を都民が支持し続けた結果、東京都に4度目の緊急事態宣言が発出される

 東京都を中心とする首都圏では、新型コロナの第5波が明らかに立ち上がっている。昨日(7/7)は東京都で920人の新規陽性者数が発表された。

 これを受けて、菅義偉政権は東京都に4度目の緊急事態宣言を発出することを決めた。期間はマンボウとやらの期限が終わる翌日の7月12日から8月22日までの42日間で、時期は少しずれるが学校の夏休みと同じ長さであり、これまでで一番長い。

 それでも東京五輪の開催は強行するらしい。さすがに無観客開催にするだろうと報じられているし、常識的に考えても観客を入れることはあり得ない。

 高橋洋一が5月末に発表した下記の試算は、やはり完全に間違っていた。

 

gendai.ismedia.jp

 

 「K値」の中野貴志といい高橋洋一といい、「数学自慢」たちが次々と自爆していったのが今回のコロナ禍だった。高橋などは俗物以外の何物ではないし、そもそも前科者(時計窃盗犯)だが、まだ「りふれは」たちは高橋を支持しているのだろうか。

 あと、東京都の感染状況に関しては、都知事小池百合子の責任が重い。これまでを振り返ると、昨年3月の3連休で東京五輪の「延期」が決まるまで小池が全く動かなかったことと、第3波が急拡大した昨年11〜12月に菅義偉と責任の押しつけ合いをして動かなかったことが特に問題だ。だが、そんな小池に「リベラル」たちはとことん甘い。今回も神子島慶洋氏のツイートをリンクする。

 

 

 立民支持層で小池に甘いのは、「一部の支持者」というより「多くの支持者」ではないか、神子島氏のような人たちの方が少数派なのではないかとの印象を私は受ける。

 私の見るところ、立民の支持者たちの多くは都議選の最中、「都ファにも少しは踏ん張ってもらわないと」などと言っていた。私は「あーあ、そんなこと言ってたら都ファが立民の票を食いまくるぞ」と思っていたら本当にそうなった。

 実際には、選挙終盤で都ファに吹いた突風は予想を超えるものとなり、自民党の票まで食って31議席も獲得した。しかし、都ファに甘い顔をしていた多くの立民支持層の人たちは、都ファが立民の票を食いまくった事実から目をそらし、自民党議席減を無邪気に喜んでいた。彼らに言わせれば、立民は倍近くも議席を増やしたのだから負けていないのだそうだ。

 しかし立民が獲得した15議席は、安倍晋三政権の発足1年目にして自民党にもっとも勢いがあった2013年の都議選で民主党が獲得した15議席と同じ数字だ(2013年は生活の党は0議席)。2013年の民主党は28議席も減らして「惨敗」と言われた。それなら、国民民主党と山本元号組のそれぞれ0議席を合わせたオール民主・民進系の15議席は、2013年と同様の「惨敗」としか言いようがないではないか。

 なお2013年の都議選は自民59議席、公明23議席、共産17議席みんなの党7議席生活者ネット3議席日本維新の会2議席、社民0議席、無所属1議席だった。今回の自民・都ファ・維新を合わせた65議席と8年前の自民・みんな・維新を合わせた68議席とでは、議席数はほとんど変わらない。ただ、自民党議席が「第3極」に食われる比率が増えただけだ。

 思い起こせば、2009年の政憲交代は、現在なら「第3極」に流れがちな人たちの票が民主党に集中した結果起きたと考えられる。

 小沢一郎が2012年の衆院選前に、「私の考えは橋下市長と同じだ」と口癖のように言っていたのは、第3極と一体となって権力闘争に勝ちたいと考えていたからだ。小沢は同じ手法を、自民党から割って出た1993年の政変の時にも使っていた。1993年には細川護煕日本新党とくっついたが、2012年には橋下徹とくっつき損ねた。当時「国民の生活が第一」なるスローガンを掲げながら、過激な新自由主義者である橋下にしきりに秋波を送っていた小沢のあり方は大問題だったが、当時小沢たちを支持していた人たちは、いまだにそのことを総括していない。

 また、都議選の前に「都ファ7議席」という数字を出した人間がいたが、それを受けて某軍師氏が、第3極の退潮によって自公対民共の2極の直接対決の構図がはっきりするかのような展望をツイートしていた。それが現実にならなかったことも指摘しておきたい。軍師氏は「リベラル」というより共産党系だったはずだが、昨年の都知事選といい今年の都議選といい、小池百合子に対する甘さには目を覆うものがある。

 そもそも軍師氏の政局展望は、当たることもあるが外れることが多い。ことに小池百合子が絡むと必ず外れると言っても過言ではない。例を挙げると、少し前にも書いたが2017年の民進党代表選で前原誠司の勝利を容認したことだ。私は前原が勝てば小池とくっつく一方、小池が民進党内リベラル勢力を排除して民進は解党されると予測し、それは民進解党の時期が数年遅れた(後継政党だった旧国民民主党は昨年ようやく解党された)ことを除いて正確に的中したが、私でも予測できたことが軍師氏には全く想像もつかず、前原が「裏切った」段階になって初めて前原を批判するという間抜けぶりだった。

 一方、「反自民非共産」というより「反自民反共産」、それどころか実質的には「非自民(あるいは親自民)反共産」の旗印を鮮明にした民民が、東京西部の選挙区で連合東京の支援を受けたにもかかわらず、「組」の半分も得票しか得られず惨敗したことも銘記したい。

 一部では、都ファのうち連合東京の支援を受けた候補が自民党との競り合いを制したことを理由に連合を「勝者」に数え入れる論も見られるが、連合東京が応援していても民民の候補は「組」にも遠く及ばない得票しかできないのである。連合の組織力は高が知れており、もっとも効いたのが昔劇画「××の星」で坂本龍馬が発したと誤って伝えられた言葉を連想させる発言に象徴される「小池劇場」だった。

 これでは2005年の郵政総選挙と何も変わらない。

 昨年春と晩秋〜初冬の二度の怠慢によって、東京都に新型コロナ禍をすっかり蔓延させた小池百合子の責任は、第4波で大阪府医療崩壊を招いた吉村洋文と同じくらい重いことは明らかだと思うが、府民が吉村を強く支持しているのと同じように、府民が小池を強く支持していることが改めてはっきりした。それが自分で自分の首を絞めているのに他ならないことを物語っているのが、来週からの4度目の緊急事態宣言だ。