やっと猛残暑に一区切りつきそうだ。
最近は昼休みにネットで見るニュースでも、政治よりも気候の話ばかり見てしまうようになったが、だいたい下記のような感触を得ている。
一つ。これがもっとも大きいが、今年は日本を含む一部のアジアの地域が気候変動の悪いくじを引いた年であって、地球温暖化(沸騰化)自体は間違いないけれども、それ以上に局地的にアジアの一部が高温になったらしく、世界全体では今年の気温は悪い方の5本の指には入るが昨年のようなワースト記録更新にはならない可能性が高いようだ。
二つ。こんな急激な気温の上がり方では二酸化炭素固定の技術を急伸させる必要があるのではないかと勝手に思っていたが、二酸化炭素固定の効果にはどうやら限界があるらしい。やはり二酸化炭素の排出自体を抑えなければダメだということだ。二酸化炭素の排出を増やし続けているのに大きく寄与しているのは米中などの大国や富裕層、大企業などだから、それらをきっちり批判して彼らを変えていく必要がある。大谷翔平の「飛び恥」などはきっちり批判しなければならない。
三つ。ヤフコメなどで目立つのは、相変わらずネトウヨの「地球温暖化陰謀論」だ。昔はそれにオザシン(小沢一郎信者)が加担していたが、今のネットでは参政党の支持者やシンパあたりが主流になっていそうだ。政治ではトランプ隷従系の政権ができたら目も当てられないことになり、自民党総裁戦でそのリスクが特に高いのは高市早苗、次いで小泉進次郎だと思われるから、ますます自民党総裁選のニュースには気が滅入る。
結局今週も実現できなかったが、気候変動についてもっとまとまった記事を出したいとは相変わらず思っている。
野党でもグリーン系の主張を強く打ち出す政党があれば、そこに希望を見出せるかもしれない。それは本来は共産党よりも社民主義系の政党の得意分野だったはずだけれども。最近凋落傾向がはっきりしてきたように見える山本新選組も、長谷川羽衣子が限界のはっきりしてきた(日本版)現代貨幣理論(MMT)ときっぱり訣別して得意分野に立ち戻れば活路を見出せるのではないかと思うがどうか。MMTは山本太郎がかつて総理大臣にしたいと言った参政党の安藤裕あたりに任せていい加減にあれから離れた方が良い。
そうそう、私がレバ子氏の発信をブログで紹介するようになって「変調」をきたしたなどと失礼なことを書いた人間がいたけれども、私が当該人士に対してもっとも腹を立てたのはその言い種だった。レバ子氏も書いていたけれども、私がレバ子氏に最初に注目したのは彼女の現代貨幣理論批判である。そしてそのMMT批判は当該人士が最初に弊ブログにコメントしていただいた時の主要な論点でもあったと記憶するのだけれども。つまり問題意識としては共通しているはずだと思うがいかがか。
「そろそろ左派は〈経済〉を語ろう」とかいうタイトルの本が数年前にあったけれども、あれは確か2019年にMMTが注目される少し前の本だったのではないか。その後彼らがなぜかMMTに傾斜するようになって私はついていけなくなった。だからMMTの評価が固まるまでは首を突っ込まないとブログで宣言したのだが、その姿勢は間違っていたのではないかと思わせてくれたのが、レバ子氏が発信する現代貨幣理論批判だった。
今や「そろそろ左派は〈MMT〉から離れよう」というのをスローガンにしたい。いや別に左派ではなく「リベラル」という言い方でもかまわないが*1。先日「『積極財政』論者ほど『デフレ脳』がひどい」という論評を見かけたが、言い得て妙だと思った。MMTはデフレ化の日本経済の分析をもとに構築された理論であり、その前提が近年の日本をもようやく見舞うようになった物価高によって揺らいでいるのではないかというのが私の現在持っている心証だ。
レバ子氏によると、最近はAOC(アレクサンドリア・オカシオ=コルテス)もほとんど現代貨幣理論に言及しなくなったとのこと。そろそろ税による再分配に立ち戻る時期が来た*2のではないかと思う今日この頃。