kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

次期衆院選で「政権交代してほしい」62% 毎日新聞世論調査

 毎日新聞世論調査で岸田内閣支持率が22%に回復した。

 

mainichi.jp

 

 しかし同じ世論調査で、「次の衆院選政権交代してほしい」と答えた人が62%だった。

 

mainichi.jp

 

 以下引用する。

 

次期衆院選で「政権交代してほしい」62% 毎日新聞世論調査

毎日新聞 2024/4/21 17:11(最終更新 4/21 17:28)

 

 毎日新聞は20、21の両日、全国世論調査を実施し、次の衆院選政権交代してほしいか尋ねたところ、「政権交代してほしい」が62%で、「政権交代してほしくない」は24%にとどまった。「わからない」も13%あった。

 

 昨年11月以降、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題が深刻化。岸田内閣の支持率は2月に14%まで下落した。4月は20%台を回復したものの、10カ月連続で30%を下回っており、厳しい政権運営が続いている。

 

URL: https://mainichi.jp/articles/20240421/k00/00m/010/107000c

 

 今や世論はそうなっている。

 5か月前に、立民代表の泉健太「5年で政権交代。次期衆院選で基盤築き、ホップ、ステップ」などと言っていた。以下、昨年11月の朝日新聞デジタルより。

 

www.asahi.com

 

 上記泉の発言を弊ブログは下記記事にて批判した。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 以下引用する。

 

 泉健太支持者がこの泉発言に納得し、小沢や蓮舫のみならず一般の泉批判者に強く反発していることはいうまでもない。泉の強力な後ろ盾である岡田克也も泉をサポートするコメントを発している。

 しかし、彼らが失念していることが一つある。それを弊ブログは指摘しておかなければならない。

 それは、衆院選選挙制度だ。そう、白を一発で黒にひっくり返す小選挙区制である。だから、今のように政権与党の自民党と鼻息荒く野党第一党の座を狙っていた野党第二党にともに強い逆風が吹いたら、立民が政権を担わなければならない局面が突然現れる可能性が十分ある。少し前に弊ブログでマストドンを紹介したシゲ氏だったと思うが、現在の保守勢力は岸田文雄らの旧保守と、菅義偉や維新などの新保守、それに亡き安倍晋三の流れを汲む復古主義的極右の3勢力があり、周知の通り後二者には一定の友好関係がある。しかし今後は、自民党に取って代わりたい維新と、安倍菅時代のように維新には自分たちと肩を並ばせない程度に協力関係を保ちたい復古極右との間にも必ずや緊張関係が生まれるはずだ。つまり保守勢力が旧保守・新保守・復古極右の三派鼎立になる可能性すらあるわけで、そうなると有権者の3分の1程度を占めるに過ぎないとみられるリベラル・左派であっても消去法で小選挙区下でも一定程度選ばれ、それを受けて少数与党として政権を担わなければならない事態に追い込まれる可能性がある。

 このように考えると「5年で政権交代を考えている」という泉健太はあまりにも悠長に過ぎるとしかいえない。

 

URL: https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2023/11/08/083147

 

 上記引用文の冒頭に「小沢や蓮舫」と書いたが、これはいうまでもなく「5年で政権交代」という泉の発言に対し、立民党内から小沢一郎蓮舫による批判が出たものだ。

 私は正直言って小沢や蓮舫は嫌いだし評価もしないが、この泉発言に関する彼らの批判は正しかった。

 私は上記記事中に

保守勢力が旧保守・新保守・復古極右の三派鼎立になる可能性すらあるわけで、そうなると有権者の3分の1程度を占めるに過ぎないとみられるリベラル・左派であっても消去法で小選挙区下でも一定程度選ばれ、それを受けて少数与党として政権を担わなければならない事態に追い込まれる可能性がある。

と書いたが、現在私自身の在住地で行われている衆院東京15区補選は、まさにこの構図そのものではないか。

 言わんこっちゃない。3補選の結果がどうあれ、現在に至るまでの政治の流れを5か月前に全く読めなかった泉健太立民代表は更迭した方が良い。

 なお、上記引用文に続く部分に、2022年参院選の結果に関する泉健太の言い分を徹底的に批判したので、興味のある方はその部分もご覧いただければ幸いだ。

これまでの負け戦続きの後遺症のせいか、「次の衆院選が自民と立民との間の「政権交代の是非を問う」こと」とは私にはまったく予想できません、とのコメントをいただいたが‥‥

 そうそう、もう一件、このコメントに返事しなければならないと思ったのだった。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 入江

これまでの負け戦続きの後遺症のせいか、「次の衆院選が自民と立民との間の「政権交代の是非を問う」こと」とは私にはまったく予想できません。
政権交代がなったとしても、泉首班では野田よりさらにダメダメ・グズグズの政権となって、やはり自民党政権でなければいかぬと、その中でも最悪の萩生田みたいなのが次の選択になるのではないか、みたいな悪夢みたいな予想しかできません。
ワイマル共和国の末期のようなかわいそうな我が祖国。

 

 何言ってんですか。

 いくら「入江」様が「負け続きの後遺症のせいか」次の総選挙が政権交代の是非が問われる選挙になることを「まったく予想できない」と書いても、立民が補選で3戦全勝すれば「否応なくそうなる」んですよ。

 それを三春充希氏は示唆しているわけです。

 「まったく予想できない」なんて、ちょっと前まであなたが(私と同様に)きわめて批判的に見ているであろう泉健太が「ホップ、ステップ、ジャンプ。5年後の政権交代を目指す」などと悠長なことを言っていたのとまるっきり同じじゃないですか。泉グループの広島県連の独裁者なんか、リベラル系の広島3区の総支部長を誰も知らない(おそらくは保守系の)人に置き換えたりしたらしいですけど、そのように悠長に構えている場合じゃないとして、弊ブログは泉及び立民の保守派を批判しました。あなたのコメントを読む限り、泉を批判する側も泉と同じような悠長さじゃないですか。

 私はこのブログでずっと、小選挙区制下では野党第一党は常に政権交代を準備していなければならないとか、昨年夏の段階で岸田内閣支持率が今度落ち始めたらもう回復しないとかずっと書いてきました。しかしそれらの記事はに読者からの共感はあまり得られませんでした。私は与党も野党も、どちらの支持層も、果てには無党派層までもここまで鈍感だったとは、と怒り心頭に発しています。

 泉がダメだったら次は萩生田あたりではないかとおっしゃいますが、萩生田光一に持続可能な政治ができるとでもお考えなのでしょうか?

 私は、萩生田や高市早苗のような極右こそ、仮に自分が総理大臣になった場合、どううやったらうまく舵取りができるか、政策なんかまるっきり思い浮かばないんじゃないかと思っています。たとえば高市は防衛国債で激増する軍事費を賄えば良いと口では言っているようですが、実際にそんな政策が破滅的な副作用をもたらすことなしに実行可能なんでしょうか。私はそうは思いません。私は彼ら自民党極右系の人たちこそ、政権担当能力をもっとも欠いた人たちであると信じて疑いません。舵取りをうまくできないのは、何も泉健太だけじゃないですよ。おそらく自民党の政治家たちの方がもっとひどいです。

 今こそ知恵を絞るべき時です。

 「ワイマル共和国の末期のようなかわいそうな我が祖国」なんて、そんな自己憐憫(れんびん)に浸ってる場合じゃないですよ。しっかりして下さい。

 ところでここまで書き終えた時、固定電話がかかってきた。これまで2回受けた補選の情勢調査かと思いきや、なんと乙武洋匡への投票をお願いするという小池百合子の声が録音された音声が流れてきた。

 これにはびっくり仰天した。

「東京15苦」‥‥(きょんきょん氏のXより)

 「東京15苦」ですか‥‥(苦笑)

 

 

 

 ありがたいお言葉ですが、木村弥生は捕まってません。在宅起訴です。

 この木村という人、他所から当地にやってきた私はよく知らなかったんですが、ある時期に(2010年代半ばから後半くらいか)地元の自民党支持系の人による「木村さんの娘さん、まだ戻ってこないのか」との書き込みをネットで見て初めて認識したのでした。

 木村氏は自民党内でもあまり優遇されておらず、衆院選初当選は2014年の比例北関東ブロック、次の2017年衆院選ではなんと泉健太と戦う京都3区に回され、この選挙では比例復活したものの(泉は衆院選では無敵の強さを誇るが、2017年衆院選では「希望の党」が受けた逆風のためにやや得票が伸び悩んだ)、2021年には大方の予想通り落選。それで残る政治生活を地元の江東区長として終えようと自ら考えたのか、それとも柿沢未途にそれを唆されたのかはわかりませんが、柿沢と組むことになりました。それが木村氏の運の尽きでした。

 この経緯から、実は私は少しばかり木村氏への同情もありまして、区政も4期続いた故山崎孝明区長時代よりはマシになるのではないかとも思っていました。前の記事に書いた通り、区長選では木村氏にも山崎一輝にも入れずに社共が応援した候補に投票して予想通りの惨敗でしたけど。

 

 

 

 2012年には日本未来の党東祥三も出てましたけどね。東は民主党が立てた刺客の「森を伐採し損ねた」田中美絵子にまで負ける大大大惨敗に終わりましたけど。

 でも秋元は菅義偉と繋がる利権政治家ですし、柿沢未途には酒気帯び運転で都議を辞職した過去もありますから、両人を「やばい政治家」と見抜くことはさほど難しくはなかったと思います。少なくとも私は当区に来た早い段階で、特に柿沢未途を激しく嫌うようになりました。秋元については、自民党だからどんな人であっても驚かないという程度の忌避感でしたが。

 

 

 

 てか「自民出身者」に限らず、たとえ民主・民進系政党の出身者であっても、労組が都ファを支援すること自体あり得ないですよ。それって小池百合子を「労働者の味方」と認定することにほかなりませんからね。

 上記Xの後段については私も全面同意します。

 

 

 

 

 私は「強い乙武」というより、「自公が安心して推薦できる」候補を出してきたなら酒井候補に勝ち目はなかったと思っているので、その意味できょんきょん氏に同意します。

 そもそもファが乙武の擁立を発表するタイミングは、私の予想よりも大幅に早かったです。私は、今回「つばさの党」がやったようなギリギリのタイミングで発表してくると覚悟していました。その場合には共産党が小堤東候補を下ろす時間が取れず、それでは酒井氏の当選も見込めないので、立民は酒井氏を擁立できず、無所属の須藤元気に立民が乗っかる形になるんじゃないかと予想していました。そのような意味のことをブログ記事に書いた記憶もあります。

 でもまだ3月中の乙武擁立の発表だったため、同じ日に「待ってました」とばかり立民が酒井氏の擁立を発表しました。あの時点で初めて、これはなんとか勝負に持ち込めるかもしれない思いました。そしたら、まず公明党が、次いで民民が渋り始め、乙武自民党についてネガティブなこめんとをするなど、敵の方から勝手に崩れて行った結果、選挙戦序盤で酒井氏の優勢が伝えられるという、想像もしなかったまさかの状況になりました。だって酒井氏は区長選で都ファの大久保朋果候補に完敗したんですよ。立民が酒井氏の擁立を考えているらしいことを最初に知った時にブログで反対意見を書いたのはそのためです。その時はせっかくの有望株を立民は無駄遣いするなよ、と思ったのでした。

 下記は他の方のX。

 

 

 でも須藤にも地元出身者として自民党支持層の受け皿になったりと、それなりの役割はあります。

 それに前記の通り、おそらく立民自身にも都ファの候補者発表が引き延ばされて共産に候補者を下ろす余裕がなくなった場合を想定して、その場合には酒井氏を立てるよりは須藤に乗っかるというオプションを想定していたと思われますから、須藤の立候補自体は止むを得なかったのではないか。現時点ではそう思うようになりました。

「限界系」という言葉は、黒川敦彦一派にこそふさわしいのではないか

 この記事を書きながらつけているテレビのサンデーモーニング衆院補選と自民党の裏金の話をやっているが、他の2補選を捨てた島根1区が岸田政権の命運を握るとか言ってるな。それは本当にその通りなんだろうと私も思う。

 とはいえ私の主たる関心事は東京15区補選なので、今日もその話を。

 

 

 さすがにそれはない。

 江東区でのリベラル・左派の状況がどんなものか、おそらく上記Xの発信者はよくご存知ないだろうが、木村弥生山崎一輝を下した区長選で共産党社民党が応援した候補の得票なんか本当に悲惨だった。

 

www.city.koto.lg.jp

 

 上記リンクには上の方が区議選の結果で、立民の酒井菜摘氏が8067票を得て59人の候補者中3位で当選したことがわかるが、区長選の結果は一番下に出ている。

 共産と社民が応援し、私も投票した芦沢礼子候補の得票数は25167票、得票率12.8%で4候補者中最下位だった。なんと、地元では有名な「おっさん東大生」猪野隆の34126票、得票率17.3%にも負けた。

  12月のやり直し区長選の投票結果は下記リンクで確認できる。

 

www.city.koto.lg.jp

 

 酒井菜摘候補の得票数は34292票、得票率21.0%だった。当選した大久保朋果候補の得票数は57029票、得票率35.0%だったので、酒井候補の完敗だったといえる。3位は三戸安弥候補で得票数30132票、得票率18.5%。2位争いは結構熾烈だった。弊ブログの記事ではもう何度も言及したが、三戸候補は前記の区議選では酒井候補を上回る得票数で59候補者中のトップ当選だった。やり直し区長選の4位は猪野隆で得票数28500票、得票率17.5%。最下位が維新の小暮裕之候補で、得票数12649票、得票率7.8%の大大大惨敗だった。

 以上のような、文字通りの「弱い地盤」での選挙戦なので、もしかしたら武蔵野市長選などではあったのかもしれない「奢り」など、墨東地域のリベラル候補陣営からは生まれようがないと私は思う。

 最初にリンクしたカクレクマノミ氏のXに、池戸万作氏から興味深い反応があった。

 

 

 いうまでもなく金沢結衣のことだが、これは本当のことだ。それどころか、2021年衆院選に先立つ2019年からドブ板をやっていて、もう5年近くになる。維新は大阪では風任せの選挙をやっているかもしれないが、地盤のない東京では昔の田中角栄流のドブ板選挙をやっているわけだ。だから情勢調査でも2位につけている。

 金沢候補は靖国神社への参拝もXで発信するなど、極右層へのアピールもおさおさ怠りない。だから飯山陽を立てた百田尚樹にとっては目の上のタンコブなのだろう。百田は金沢候補を応援する大阪府知事の吉村洋文が街宣をやったあとに現れて、維新批判をぶったらしい。ブログ『日本がアブナイ!』経由で知った。以下引用する。

 

mewrun7.exblog.jp

 

 妨害行為ではないが、日本保守党の百田代表は、維新の吉村代表の演説を聴衆にまじって、きいていたとのこと。

 で、演説が終わった途端、マイクを手に、維新批判を始めたという。(・o・)

 

URL: https://mewrun7.exblog.jp/30906769/

 

 補選で飯山陽が三番手につけているという調査結果は、真偽不明の「維新調査」とやらを別にすれば日経の世論調査だけではあるが、一応そういうデータもあるので、百田が支持層がもろに被る維新をdisるのも当然だろう。ブログ記事のタイトルにある「維新は立民の悪口ばかり」というのも同じ心理機制による。こちらとすれば、参政党も含めて彼ら極右系候補が互いに票を適度に削り合ってくれれば助かるだけの話だ。

 ところで前記『日本がアブナイ!』の記事の主題は「妨害行為」だ。今回の補選にギリギリ最後で出馬を表明した「つばさの党」とかいう黒川敦彦の政党陣営がやらかしている各候補陣営への妨害工作だが、これまでに乙武陣営、金沢陣営、酒井陣営がやられた。文字通り「相手はどこでも良い、妨害できれば良い」という論外の連中がなしている悪行である。

 選挙妨害の具体的な中身については、上記『日本がアブナイ!』の記事を参照されたい。残念ながら私には時間的余裕があまりない。本当はこの記事を書く時間も無駄にできないくらいだったりする。

 ここでは黒幕の黒川について触れる。いうまでもないが、朝霞市議会議員のくろかわしげる(黒川滋)氏とは全く関係ない。

 

 

 下記はnaoko氏のX。

 

 

 これはその通りで、黒川は昔山本太郎にすり寄っていた。オザシン(小沢一郎信者)だのヤマシン(山本太郎信者)だのも黒川にはえらく好意的だった。黒川は2017年衆院選に山口4区から出馬して落選したが、オザシンやヤマシンなどが大々的に応援していた。ヤマシンなど、普段共産党にあれだけお追従たらたらなのに(当時のヤマシンは皆そうだった)、山口4区に共産党候補が出ているのを無視するのかよ、と某所で皮肉った記憶がある。ブログ内検索をかけたところ、どうやら少なくともブログ本文ではその件には触れなかったようだけれども。なお2017年衆院選山口4区の結果は、下記Wikipediaの通り。

 

時の内閣:第3次安倍第3次改造内閣 解散日:2017年9月28日 公示日:2017年10月10日
当日有権者数:25万6464[9]人 最終投票率:57.59[9]%(前回比:増加5.03%) (全国投票率:53.68%(増加1.02%))

当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧 得票数 得票率 惜敗率 推薦・支持 重複
安倍晋三 63 自由民主党 104,825票
 
72.57%
―― 公明党  
  藤田時雄 63 希望の党 18,567票
 
12.85%
17.71%  
  西岡広伸 54 日本共産党 13,721票
 
9.50%
13.09%    
  黒川敦彦 39 無所属 6,687票
 
4.63%
6.38%   ×
  郡昭浩 56 無所属 645票
 
0.45%
0.62%   ×

 

 弊ブログの記事に黒川敦彦が初登場したのは2019年の下記記事だ。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 「『右』も『左』もない、オレは『下』や」というスローガンに共鳴したような人たちとは山本太郎は相性が抜群に良いが、その勢力は限られている。かつて存在して民主党と連立政権を組んだ国民新党は明確にこのカテゴリに入るが、少数派だった。

 その少数派から、「俺たちも仲間に入れてくれ」とばかりに露骨に山本太郎にすり寄っている(ようにしか私には見えない)のが、先日報じられた小林興起らの動きだ。これに天木直人も名を連ねている。産経の記事を以下に引用する。

 

https://www.sankei.com/politics/news/190521/plt1905210052-n1.html

 

小林興起氏が新政治団体参院東京へ 比例に2人

 

 小林興起は元自民党衆院議員だが、2005年の「郵政総選挙」で小泉純一郎によって小池百合子を刺客に送り込まれて惨敗した。のち小沢一郎に拾われて民主党衆院議員として国会に返り咲いたが、「国民の生活が第一」を経て愛知の新自由主義政党「減税日本」に属したことがあるなど、経済政策に関する定見など何もない。ただ、政治思想的には「石原慎太郎の直系」を自認するだけあってバリバリの極右、そんな御仁だ。

 その小林にくっついてきたのが天木直人や黒川敦彦であり、天木は鳩山由紀夫山本太郎にも「参加を呼び掛ける」などと言っているらしいが、山本にとっては「無能な味方」以外の何物でもあるまい。いい迷惑であろう。傍から見ていても、いかにも物欲しそうな小林興起一派の妄動には「なんてみっともない」としか思えない。

 

URL: https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2019/05/25/093659

 

 どうやら、黒川の熱望に反して、黒川は山本太郎元号新選組の結党(結組)当時から相手にされなかったようだ。それくらい筋の悪い人だった。

 ただ、2019年には既に黒川を見限っていたらしい山本太郎も、2017年衆院選では山口4区に入って黒川を応援していた。これもnaoko氏の下記Xに教えられた。

 

 

 

 なるほどね。だからかつてヤマシンたちが黒川敦彦を応援していたのか。まあ昔の話だし、今回の補選には山本は影響力を行使していないようなので、山本の話はこれくらいで良いだろう。何より候補者の根本良輔自身が新選組とは絶縁していて「心の底から軽蔑している」と明言している。下記の根本自身のXがその証拠だ。

 

 

 このXで根本は下記のように書いている。

 

山本太郎に関しては、反安倍という考え方は一致しているものの、奴はコロナワクチンの危険性をおそらく知っていながら黙っていた

 

れいわの議員がワクチン推進派だったからなのもあるし、野党共闘でワクチン推進の立憲と共産と組んでいたから

 

国民のことを考えるのであれば、ワクチンが出て来た時に危険性を訴えるべきだった

 

奴は影響力があるので、ワクチンの危険性を周知していればかなり多くの命が救われただろう

 

でも奴はそれをしなかった。黒川さんは山本太郎に怒りの電話を入れたが全く出なかった

 

ここからうちは完全に反れいわ

 

そもそも立憲と共産のアンチなので、そこと共闘してる時点でもう話にならない

 

仮に今回れいわの候補者が出てたら徹底的にボコってたよ

 

まあ今回の選挙終わったられいわの街宣凸ってやるから待っとけや

 

URL: https://twitter.com/nemoto_ryosuke2/status/1781355411876253769

 

 「限界系」という(私の好まない)言葉は、このような輩や彼を含む黒川敦彦一派にこそ正しく用いられるべきではないかと思った。

 このような黒川敦彦一派は、断じて許してはならない。

 黒川一派が今回なしているような暴力行為こそ、民主主義の最大の敵である。

 あまりにも当たり前のことだが、今日の記事はこの言葉で締めるしかない。

島根1区の影響は、おそらく相当に大きい。その1勝は補選の全勝を最も左右しうるもので、もし全勝となれば立憲と維新のどちらが野党第一党にふさわしいかということも全有権者に示される。(三春充希氏のXより)

 タイトルにした島根1区については本記事の最後に触れる。それまでは例によって長々と東京15区の話をする。住民としてはついついそうなってしまうのだ。

 前の記事に引き続いてもう少し、2021年立民代表選での泉健太応援者にして大濱崎卓真ともつるむ平河エリ氏のX周りより始める。

 

 

 

 ああ、あの「維新調査」とやらで飯山の支持率9.7%だったとかいうやつか。酒井と小堤を足したら20%超えてたやつだな。2位が金沢だった。確かに一致している。ただ、カタコト明明氏のX経由の日経調査だと飯山、秋元、須藤、乙武による低位の混戦みたいな印象だった。飯山と秋元の2人の名前がそんな初めの方に出てくるとは、ってとこだな。

 日本保守党については、三春充希氏がよく、自民党が極右を押さえているからそれより右を狙う政党は参入できないと言っていて私もそれに同感だったが、最近岸田文雄が安倍派に対して中途半端な権力抗争をやっているので、彼ら超極右に参入する余地を与えたものだろうか。何しろ飯山の親玉の百田尚樹は故安倍晋三の大のお気に入りで、NHKにも送り込まれていた。

 しかし飯山には今回不戦敗になった自民党支持層があまり流れておらず、リベラル系の酒井氏や江東区出身の須藤への流出よりも少ないあたりに、(少なくとも江東区の)自民党支持層の意識がうかがわれるのではないか。つまり彼らは安倍の極右イデオロギーには特に共感しておらず、単に自民党政権だから支持していたに過ぎなかったのではないかと思われる。

 都ファ絡みになると、平河氏のXはいろいろと問題が多くなる。

 

 

 

 東京15区はもともと柿沢家や木村家が新自由クラブ関係だったこともあって、自民党が強い選挙区ではなかった。秋元司も、柿沢未途が「希望の党」騒動で逆風を受けた2017年に一度勝っただけだ。他の「川向こう」*1の5つの区と一緒の中選挙区東京6区時代にも、1970年代には自民党候補の1位当選は一度もなく、1969年から79年までの4度の衆院選では3度が公明党(有島重武)、1度が共産党不破哲三、1972年)が一位当選していた。江東区ではその後柿沢弘治自民党に移ったので自民が強くなっただけで、その柿沢もドラ息子の未途は長らく野党にいた。もとからそんな状態の上今回の逆風だから、自民党はもう公明党に加えてそれ以外のどこかとも組まなければ生き延びられなくなった。

 今回の補選はいくつもの保守(右翼 and/or ネオリベ)勢力の力試しの場になったために、リベラル系の酒井候補が漁夫の利を得そうな状態になっているものだ。もちろん日本全体でもリベラル・左派系は3分の1のシェアで、東京東部ではそれよりさらに若干低いと思われるので、今回の補選で酒井候補が当選しても、本選では保守(実態は右翼 and/or ネオリベ)勢がうまく連携すれば勝てると踏んでいるに違いない。しかしこの選挙区では維新の金沢結衣が2019年からもう長く運動している。自民が維新と組む、というより維新に譲る選挙をすれば金沢が酒井に勝てるだろうが、たぶん、というより間違いなく自民党はそんなことはしないだろう。本選では江東区長選の大久保朋果(現区長)みたいな強い候補で勝ちに行く作戦をとろうとする可能性が高い。そして小池としてはいうまでもなく自民党の政治家たちではなく自分自身が主導権を握りたいわけだが(江東区長選では事実そうなった)、国政選挙ともなると自民党の権力者たちも区長選の時みたいに小池に唯々諾々というわけにはいかないだろうから、自民党の権力者たちと小池との間で激しい権力構想の駆け引きが行われることは絶対に間違いないのである。

 反自公政権の立場のリベラル・左派の立場からいえば、そのような権力闘争に伴って起きる様々な厄介事を起こさせないためにも、早いところ「小池百合子に対する審判」を下す必要がある。そのように私は考えている。しかし平河氏は都ファ側からの視点をかなり強くお持ちの人のように見える。それを特に強く感じさせたのが下記のXだ。

 

 

 ここで明示されていない「まくる」の主語は明らかに、現在二番手と目される金沢結衣ではなく乙武洋匡だ。

 つまり平河氏とはそういう人だということだろう。基本的にネオリベ系で、ネオリベの中でも維新より都ファ寄りの人物という印象。なるほど、大濱崎卓真と馬が合いそうだ。

 私には、小池百合子が「情」の部分を出したりしたら、二番手とされる維新の金沢結衣の票を食って立民の酒井候補がますます有利になるだけじゃないかとしか思えないのだけれど。

 他の方のXより。

 

 

 これはテレビのニュース番組や新聞社のサイトの記事を見ての印象なのだが、江東区民で「地元出身の人に入れたいと思うけど」と言いつつ口を濁す人が結構いる。出身地からいえば須藤だけど、と躊躇してしまう人がいるということで、須藤の「ヤバさ」をよく表している。だから山本太郎も表立った須藤支援に踏み切れない。

 そういえばここで少し前に山本に対して書いた印象を訂正しておく。立民の枝野代表時代に今の泉健太よりも強く枝野に当たっていたことについて「本当は俺がヒーローになるはずだったのに」という意識が強かったのだろうと書いた。しかしその後、そういう要因もあっただろうが、それよりも新選組発足当時のコアな支持者の意向を汲んだことが大きかったのではないかと思い直した。一般的なイメージに反して、泉健太と比較すると山本太郎の方が「政治家は支持者の意向に反することはできない」という定理に忠実であるように思われる。

 政治おじいちゃんお化け氏は先日下記のXをポストした。

 

 

 私は必ずしもそうではなく、結党(結組)当時とは違って組にライトな支持層が増えて彼らの間ではおそらく、というよりほぼ間違いなく須藤元気より酒井菜摘に対する支持の方が圧倒的に多いと思われる上、組内でも櫛渕万里が個人として酒井氏を応援する状態を見て、我を通さなかったのではないかと推測している。例のローテーションの件もそうだが、山本も譲るべきところでは譲るのである。

 これをカクレクマノミさん風に書くと、山本太郎の「離党者を最小限に抑えた堅実にして巧みな党運営」といえてしまうのではないだろうか。

 泉は2021年11月の代表就任から2022年の衆院選までの間、支持層の多くの意向に反する「提案型野党」路線に走って、2021年衆院選比例ブロックで得た比例票を3分の1も流出させた大失敗をやらかしたが、少なくとも山本にはそれに匹敵する大失敗はない。

 先日、連合会長の芳野友子が東京15区補選で酒井陣営が共産党から協力を受けていることを理由に、この補選では連合は自主投票にすると発表して一部の人たちから批判を受けたが、私はこれも政治的妥協の産物だと思った。

 というのも、最初にファが乙武の擁立を発表した時、連合がこれに乗っかる可能性を示唆したXを前記平河エリ氏が発した悪印象が強烈だったからだ。しかし最初は公明党から、次いで(のちに撤回したけれども)民民から懐疑論が出て連合が乙武に乗る機運はほぼ消えた。そうなったら連合は自主投票するしかないのは当然だ。新選組が組としては須藤にも酒井にも乗らないことを決めたのと同じような力学が働いたと考えるべきだろう。

 だから私はこの件で芳野友子を責めようとは思わない。しかし芳野には2021年衆院選直前に連合代表に就任するや強烈な反響を打ち出して立民の選挙に悪影響を与えた責任がある。これはこの衆院選での立民敗北の一因にもなったから、この時の芳野を無罪放免するわけにはいかない。芳野は明らかに泉が「提案型野党」路線に走る弾みをつけた。この選挙の経緯から、芳野は立民前代表・枝野幸男との関係が一時ぎくしゃくしたといわれている。なんといっても芳野には昨年「自分は自民党に大事にされている」とか言って自民党大会に出たがり、それを連合OBに止められた経緯があった。

 昨年の春頃までを思い出せば、今井瑠々が野田聖子の手引きで自民に出た一件など、立民を「泥船」とみて自民党になびく傾向が明らかにあったが、その流れに棹さして(=流れを助長して)いたのが芳野友子だった。このことは忘れてはならない。1年前のことなどすっかり忘れてしまった人だらけなので、ここで釘を刺しておく。

 最後に島根1区補選についての三春充希氏のXをリンクする。

 

 

 三春氏は島根1区の「1勝は補選の全勝を最も左右しうるもので、もし全勝となれば立憲と維新のどちらが野党第一党にふさわしいかということも全有権者に示される」と書いている。長崎3区は勝負にならないようだから「全勝」の主語は立民ではあり得ても維新ではあり得ない。

 確かに、維新はこのところ「立民には投票するな」と言い続けている。先日日本保守党の飯山某らに罵倒された玉木雄一郎が「俺ではなく立民の酒井候補を攻撃してくれ」と言わんばかりのコメントを発したが、唯一それに応えたのは、玉木が想定していた日本保守党系ではなく維新だったわけだ。私は、維新がそんなアピールをしたらますます立民が注目されて有利になるだけだ。バッカじゃなかろかルンバ♪、としか思わなかったが、維新には相当の焦りがあるようだ。

 「支持率の桁は変わる」とは、政党支持率10%の大台をなかなか超えない立民の政党支持率が10%を突破するという意味だろう。そうなると、次の衆院選が自民と立民との間の「政権交代の是非を問う」ことが焦点になる。

 立民代表が泉のまま、そんな選挙を迎える可能性が出てくるとは、「5年後の政権交代を目指す」と言った泉を批判した私でさえ、悪夢にも思わなかった。

 そういえば三春氏は、2022年参院選における立民の大量の比例票流出を指摘し、誰よりも厳しく泉を批判した人だった。

*1:これは隅田川より西に住む東京の人間が隅田川の東の地域に対して発する差別用語だが、当該地域に住む人間としてあえて用いた。

日経の衆院東京15区補選情勢調査によると「酒井が立共8割無2割(無党派最多)で優勢、金澤が維6割だが無党派に広がらず二番手、飯山 須藤 秋元 乙武 混戦状態」とのこと(カタコト明明氏のXより)

 衆院3補選でいずれも立民候補がリードだの優勢だのという情勢調査結果が出始めているようだけれども、要するに自公政権への忌避感が全国的に強まってきているということだろう。

 ブログを始めて今月でまる18年になって19年目に入ったが、ブログ開設後の期間において、現在と同様に自公政権への忌避感が広がったのが2007年から2009年にかけてだった。

 当時は長い小泉純一郎内閣(第1〜3次)が終わったあとの第1次安倍晋三内閣が人々に失望され、2007年の参院選では、当時住んでいた四国4県すべてで民主党候補が当選する異常な結果になった。もっとも小泉政権時代にも2003年衆院選と04年参院選自民党は連敗している。05年の郵政総選挙を「劇場型選挙」にして大勝したことが却って社会の閉塞感を生み出してしまい、自民圧勝の反作用として2007〜09年に自民党に大逆風が吹いたのだろう。

 現在も、再チャレンジを成功させやがった安倍晋三が第2〜4次内閣を長年続けたあと、安倍亜流の菅義偉内閣を挟んで成立した岸田文雄内閣が、首相の首をすげ替えた直後の解散総選挙という「目くらまし効果」によって「野党共闘」に競り勝ったものの、小泉政権後の頃と同様に却って社会の閉塞感を生み出し、21年衆院選での自民勝利の反作用として自民党に逆風が吹いていると思われる。

 ただ00年代後半当時と今とで大きく違うのは、00年代後半には野党第一党である民主党への期待が高まって、人々の政治への関心も強まったのに対し、今回は野党第一党である立憲民主党(立民)の政党支持率は、一時「提案型野党」路線だの維新へのすり寄りだのをやっていた頃よりは盛り返して、枝野前代表時代の後半と同程度になっているだけで、「人々の立民への期待が高まっている」とはとてもいえないことだ。ただ、選挙になると「野党第一党効果」で票を集めやすくなっている。このあたりを的確に指摘しているのが醍醐聰氏だ。

 

 

 「今、選挙があったらどの党に?」となると立民*1が跳ね上がるのは自民への怒りの反射効果、というのは本当にその通りで、それ以上でもそれ以下でもない。立民の政策が支持されているわけではなく、野党第一党だから投票する対象に選ばれやすいだけなのだ。

 選挙戦中での情勢の変化も、00年代末と現在とでは全然違う。

 特に私の印象に強烈に残っているのは2008年4月27日に行われた衆院山口2区補選で、この補選では当初どこかの報道機関が、のちに山口県知事になって2014年にがんで死んだ山本繁太郎(享年65だから現代では早世の部類だろう)の名前が先に出てくる情勢記事を出したことを紹介した記憶があるが*2、選挙が進むにつれてどんどん民主党公認の平岡秀夫候補の勢いが増し、選挙結果は平岡氏の圧勝だった。

 現在の泉立民には当時の小沢民主党のような勢いは全くない。だから選挙戦中に勢いが増すことはほとんどなく「まくられる」ことの方が多い。

 それは、代表の泉健太が、特に2021年11月の代表就任後、22年夏の参院選惨敗を経て23年4月の衆参4補選に全敗するまでの期間に、自民党に迎合したり維新にすり寄ったりしていたほか、つい何か月か前にも「ホップ、ステップ、ジャンプ。5年後の政権交代を目指す」などと発言したことなどに表れている通り、まず何よりも、どんな社会にしたいのかの理念もはっきりしないこと、次いでついこの間までは政権交代を勝ち取る気概もろくに持っていなかったことが大きいだろう。

 泉は、少なくとも少し前までは、現在は自公政権を倒すよりも、党内少数派だった旧希望の党・旧民民勢力の地位を党内で高める権力工作に腐心していた形跡がある。その目的のための重要な手段は大きくいえば2つあって、1つは人事、もう1つは金の配り方だ。

 何度も書く通り、東京15区の住民である私が昨年からずっと注目していたのは、この選挙区の総支部長を誰にするかということだったが、今回の補選の候補を酒井菜摘氏に決めるまで、2年半近くもずっと空位だった。2017年には総選挙が秋に行われたあと、年末には当時東京4区の総支部長だった井戸まさえ氏の再任が決まっていたようだから、21年の総選挙後はその4年前とは大違いだった。その間、井戸まさえ氏はずっと再任を求めていたようだが、どうやら何の返事もなく黙殺され続けたようだ。

 また、少し前にさとうしゅういちさんのブログ経由で、広島3区でも千葉県からやってきて前回の衆院選に一度負けただけのライアン真由美さんが降ろされ、23年秋に「誰それ」みたいな人物が総支部長に就任したらしいことを知った。

 つまり、泉は党の足腰の強化よりも、自分たち保守系(旧希望・民民勢を含む)の力を党内で増そうとするようなことばかりやってきたわけだ。これは、そうしない限り旧立民勢に足元をすくわれて失脚するリスクが高まるため、組織内での上昇志向の強い人間なら必ずやる行為に過ぎず、客観的には「悪いこと」とさえいえない。ただいえるのは、党内のリベラル派にとっては確実に不利益になることを泉はやってきたということだ。しかも2022年参院選比例区得票率に如実に表れた通り、立民の選挙結果にも悪影響を与える可能性が高い。ただ、現在は自民党に対する人々の失望が、前記の泉らの策謀が党勢拡大に与えるダメージを打ち消して余りあるくらい大きいために、結果的に選挙を有利に戦えている(ように見える)だけである。

 しかしいくら私がブログでそれを指摘しても、立民支持層の大部分は自分たちにとって都合の悪いこうした事実を直視しようとしない。それは保守系の人なら当然の態度だが、不思議なことにリベラル系としか思えないような人たちまで同じなのである。このあたりはもういかんともしがたい。彼らにとっては自らの支持政党を少しでも批判する人間は「敵」なのであろう。敵に下手に反論すると注目されてしまうから黙殺するしかない。だからコメント欄にも反応はほとんどない。井戸まさえさんの再任要望がずっと「黙殺」されてきたのも、下手に反応して注目されたくないという立民都連あるいは執行部の思惑のためだろう。そして支持者たちもそれを黙認する。かつては井戸さんに同情を寄せていた人も口をつぐんでしまうというわけだ。今そんなことを騒いで酒井さんたち立民の補選3候補の票が逃げたらどうするのかとでも言いたいのだろうか。

 こういう社会に私たちは生きているということだ。それでも立民はまだ多少は外部からも事情を窺い知ることができるが、共産党になると(以下略)。

 そんな話とは別に、立民候補有利の情勢を必ずしもよく思っていないであろうと推測される方々のXがなかなか興味深い。

 昨日(4/19)日経が発表した情勢調査結果は下記のようなものだったらしい。有料記事なので日経記事は確認できていない。

 

 

 これについて、一時期大濱崎卓真とつるんでいた平河エリ氏(彼は21年立民代表選で泉健太を応援していた)は下記のXをポストした。

 

 

 

 私は秋元に2割弱も流れたのに驚いたんだけどね。自民党支持層から金沢、酒井、須藤各氏にそれぞれ1割程度流れたというのには驚きは全くない。区民の自民党支持者は自民党江東総支部とは違って極右だのネオリベだのってそんなに多くないよ。どっかのブログのmewさんは約1名の江東区民の情報を真に受けて誤解してたみたいだけど。

 平河氏は「乙武さんの名前がない」と驚いているけど、もっと注目すべきは「飯山の名前もない」ってことだよ。当たり前だけど、江東区では普通の人が自民党を支持してるってことだ。

 ただ、その飯山の名前が須藤や乙武よりも先に出てきたのはさすがに私にも意外だったけど。つまり、飯山の支持層の主力は無党派層だってことだ。無党派層新選組や参政党にも流れるが、ああいう超極右にも一定の割合で流れる。もっともあの飯山というのは百田・有本一派の中ではエース格で、他にはろくな戦力がいないらしいけど。そういえば日本保守党が参院選に出れば比例区で1議席をとれるかもという話があるようだが、飯山は来年の参院選比例区から出るかもしれない。

 今回は区長選に出た上田令子一派の三戸安弥が参戦していないが、出てたらどうなってたんだろうね。ちなみに三戸の略歴は下記の通り*3

 

三戸氏は1989年 東京都武蔵野市出身、上智大学総合人間科学部社会福祉学科卒業。丸紅株式会社に入社し、結婚後は仕事の傍ら社会福祉士の資格を生かし江東区区民委員として障害者福祉計画・障害者計画の制定に携わりました。2019年の江東区議会議員選挙で初当選、2023年に再選しました。

 

 こういう人が都ファ分派系、つまり右派新自由主義政党に属するんだから「なんだかなあ」ってところ。もっとも就職先に丸紅を選んだ側面もある。今回彼女が出馬しなかったのは彼らの敵(都ファ)が大物ではなく乙武洋匡を出してきたからだろう。あんなのにうちのエースをぶつけて負けたら沽券にかかわるというわけだ。

 なお、郵便受けに入っていたチラシを見ると、参政党の吉川里奈は1987年生まれ36歳、大阪府大阪市出身、大阪府立大学看護学部看護学科卒業、現在、三人の子育てをしながら看護師として働いているお母さん、と書かれている。しかし同時に配られた参政党のチラシには反ワクチン色が強い。しかも国粋主義的右翼色を鮮明にしている。そんな参政党に、新選組ともどもシンパシーを持っているらしいのが須藤元気だ。

 ところで、金沢結衣についての平河氏の感想には私も同感だ。

 

 

 現に区長選では公募の維新候補の得票率は8%で供託金没収だったからね。

 

 

 まあこれもその通りだろうな。ここらへんは2007〜09年当時と似ている。

 

 ところでいただけなかったのは、明らかに酒井候補を応援していると思われる他の方による下記のXだ。

 

 

 これをポストしたのはたぶん若い方なのではないかと想像するが、少し前に酒井菜摘陣営が左のウイングを広げたと言って感激されていた方ではなかっただろうか。

 つまり、リベラルまたは左派系の人だろうと推測して書くのだが、泉の「離党者を最小限に抑えた堅実にして巧みな党運営」とやらには、前述の井戸まさえ氏やライアン真由美氏らを冷酷非情に切り捨てたことも含まれているわけだ。東京15区では柿沢未途の逮捕に伴う議員辞職という想定外の事態からリベラル系と思われる酒井氏を立てて有利な戦いが「結果オーライ」でできているようだけれども、広島3区ではただ単なる派利派略でライアン氏を切り捨てた可能性が高い。また、泉が代表選での公約に反して総支部長の再任を遅々として進めなかったことに、党内における保守派の勢力を強めたいとの思惑があったことは、状況証拠的には明らかだろうと私は考えている。

 政党政治について考察する時には、井戸氏やライアン氏のように、党の権力者あるいは権力機構(執行部、東京都連、広島県連など)から切り捨てられる人たちの立場に立つことが、少なくともリベラルや左派を自認する人間であれば絶対に必要なのではないだろうか。

 だから、私は泉健太の「離党者を最小限に抑えた堅実にして巧みな党運営」とやらをたたえた上記Xには全く共感しない。上記に理由を書いた通り強く批判する次第。

*1:弊ブログでは立憲民主党を「立憲」ではなく「立民」と略称しているので表記を改めた。

*2:おかげでこの時に「政権交代ブログ」界で多くのアクセス数を誇っていた某オザシンブロガーの逆鱗に触れたのだった。これがのちにこの界隈から私がパージされた一因になったかもしれない。こちらはメディアの情勢調査結果をブログで紹介しただけなのに、ずいぶん理不尽な話だった(笑)。

*3:https://go2senkyo.com/articles/2023/12/05/89643.html