この記事を書きながらつけているテレビのサンデーモーニングで衆院補選と自民党の裏金の話をやっているが、他の2補選を捨てた島根1区が岸田政権の命運を握るとか言ってるな。それは本当にその通りなんだろうと私も思う。
とはいえ私の主たる関心事は東京15区補選なので、今日もその話を。
東京15補選だと自公がいないので、ゴリゴリのローラーやドブ板をやれるのは酒井陣営だけだろうから、他陣営からすれば恐怖だろう。
— カクレクマノミ_選挙情報収集 (@EastIrumaEW) 2024年4月17日
酒井陣営がその優位に奢らないかが、唯一の心配。
さすがにそれはない。
江東区でのリベラル・左派の状況がどんなものか、おそらく上記Xの発信者はよくご存知ないだろうが、木村弥生が山崎一輝を下した区長選で共産党と社民党が応援した候補の得票なんか本当に悲惨だった。
上記リンクには上の方が区議選の結果で、立民の酒井菜摘氏が8067票を得て59人の候補者中3位で当選したことがわかるが、区長選の結果は一番下に出ている。
共産と社民が応援し、私も投票した芦沢礼子候補の得票数は25167票、得票率12.8%で4候補者中最下位だった。なんと、地元では有名な「おっさん東大生」猪野隆の34126票、得票率17.3%にも負けた。
12月のやり直し区長選の投票結果は下記リンクで確認できる。
酒井菜摘候補の得票数は34292票、得票率21.0%だった。当選した大久保朋果候補の得票数は57029票、得票率35.0%だったので、酒井候補の完敗だったといえる。3位は三戸安弥候補で得票数30132票、得票率18.5%。2位争いは結構熾烈だった。弊ブログの記事ではもう何度も言及したが、三戸候補は前記の区議選では酒井候補を上回る得票数で59候補者中のトップ当選だった。やり直し区長選の4位は猪野隆で得票数28500票、得票率17.5%。最下位が維新の小暮裕之候補で、得票数12649票、得票率7.8%の大大大惨敗だった。
以上のような、文字通りの「弱い地盤」での選挙戦なので、もしかしたら武蔵野市長選などではあったのかもしれない「奢り」など、墨東地域のリベラル候補陣営からは生まれようがないと私は思う。
最初にリンクしたカクレクマノミ氏のXに、池戸万作氏から興味深い反応があった。
日本維新の会の候補者が2年半かけてドブ板をやっていましたよ。
— 池戸万作@政治経済評論家 (@mansaku_ikedo) 2024年4月17日
いうまでもなく金沢結衣のことだが、これは本当のことだ。それどころか、2021年衆院選に先立つ2019年からドブ板をやっていて、もう5年近くになる。維新は大阪では風任せの選挙をやっているかもしれないが、地盤のない東京では昔の田中角栄流のドブ板選挙をやっているわけだ。だから情勢調査でも2位につけている。
金沢候補は靖国神社への参拝もXで発信するなど、極右層へのアピールもおさおさ怠りない。だから飯山陽を立てた百田尚樹にとっては目の上のタンコブなのだろう。百田は金沢候補を応援する大阪府知事の吉村洋文が街宣をやったあとに現れて、維新批判をぶったらしい。ブログ『日本がアブナイ!』経由で知った。以下引用する。
妨害行為ではないが、日本保守党の百田代表は、維新の吉村代表の演説を聴衆にまじって、きいていたとのこと。
で、演説が終わった途端、マイクを手に、維新批判を始めたという。(・o・)
補選で飯山陽が三番手につけているという調査結果は、真偽不明の「維新調査」とやらを別にすれば日経の世論調査だけではあるが、一応そういうデータもあるので、百田が支持層がもろに被る維新をdisるのも当然だろう。ブログ記事のタイトルにある「維新は立民の悪口ばかり」というのも同じ心理機制による。こちらとすれば、参政党も含めて彼ら極右系候補が互いに票を適度に削り合ってくれれば助かるだけの話だ。
ところで前記『日本がアブナイ!』の記事の主題は「妨害行為」だ。今回の補選にギリギリ最後で出馬を表明した「つばさの党」とかいう黒川敦彦の政党陣営がやらかしている各候補陣営への妨害工作だが、これまでに乙武陣営、金沢陣営、酒井陣営がやられた。文字通り「相手はどこでも良い、妨害できれば良い」という論外の連中がなしている悪行である。
選挙妨害の具体的な中身については、上記『日本がアブナイ!』の記事を参照されたい。残念ながら私には時間的余裕があまりない。本当はこの記事を書く時間も無駄にできないくらいだったりする。
ここでは黒幕の黒川について触れる。いうまでもないが、朝霞市議会議員のくろかわしげる(黒川滋)氏とは全く関係ない。
この黒川と勘違いされて、大幅に票を減らしました。類似品に注意です。
— くろかわしげる@朝霞市議会議員 (@kurokawashigeru) 2024年4月19日
候補者でもないので説明に苦労してきましたが、ようやく可視化されました。 https://t.co/Qqt5f5TudV
下記はnaoko氏のX。
この黒川氏、川内さんや山本太郎氏と近かったよね。モリカケの野党ヒアリングに呼んでた気がする。多分川内さんの手引きで?
— naoko (@konahiyo) 2024年4月19日
当時から危うい人だったからヒヤヒヤして見てた。 https://t.co/n5f5h5JBOt
これはその通りで、黒川は昔山本太郎にすり寄っていた。オザシン(小沢一郎信者)だのヤマシン(山本太郎信者)だのも黒川にはえらく好意的だった。黒川は2017年衆院選に山口4区から出馬して落選したが、オザシンやヤマシンなどが大々的に応援していた。ヤマシンなど、普段共産党にあれだけお追従たらたらなのに(当時のヤマシンは皆そうだった)、山口4区に共産党候補が出ているのを無視するのかよ、と某所で皮肉った記憶がある。ブログ内検索をかけたところ、どうやら少なくともブログ本文ではその件には触れなかったようだけれども。なお2017年衆院選山口4区の結果は、下記Wikipediaの通り。
時の内閣:第3次安倍第3次改造内閣 解散日:2017年9月28日 公示日:2017年10月10日
当日有権者数:25万6464[9]人 最終投票率:57.59[9]%(前回比:5.03%) (全国投票率:53.68%(1.02%))
当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧 得票数 得票率 惜敗率 推薦・支持 重複 当 安倍晋三 63 自由民主党 前 104,825票 72.57%―― 公明党 藤田時雄 63 希望の党 新 18,567票 12.85%17.71% ○ 西岡広伸 54 日本共産党 新 13,721票 9.50%13.09% 黒川敦彦 39 無所属 新 6,687票 4.63%6.38% × 郡昭浩 56 無所属 新 645票 0.45%0.62% ×
弊ブログの記事に黒川敦彦が初登場したのは2019年の下記記事だ。
「『右』も『左』もない、オレは『下』や」というスローガンに共鳴したような人たちとは山本太郎は相性が抜群に良いが、その勢力は限られている。かつて存在して民主党と連立政権を組んだ国民新党は明確にこのカテゴリに入るが、少数派だった。
その少数派から、「俺たちも仲間に入れてくれ」とばかりに露骨に山本太郎にすり寄っている(ようにしか私には見えない)のが、先日報じられた小林興起らの動きだ。これに天木直人も名を連ねている。産経の記事を以下に引用する。
https://www.sankei.com/politics/news/190521/plt1905210052-n1.html
小林興起氏が新政治団体、参院東京へ 比例に2人
小林興起は元自民党衆院議員だが、2005年の「郵政総選挙」で小泉純一郎によって小池百合子を刺客に送り込まれて惨敗した。のち小沢一郎に拾われて民主党衆院議員として国会に返り咲いたが、「国民の生活が第一」を経て愛知の新自由主義政党「減税日本」に属したことがあるなど、経済政策に関する定見など何もない。ただ、政治思想的には「石原慎太郎の直系」を自認するだけあってバリバリの極右、そんな御仁だ。
その小林にくっついてきたのが天木直人や黒川敦彦であり、天木は鳩山由紀夫や山本太郎にも「参加を呼び掛ける」などと言っているらしいが、山本にとっては「無能な味方」以外の何物でもあるまい。いい迷惑であろう。傍から見ていても、いかにも物欲しそうな小林興起一派の妄動には「なんてみっともない」としか思えない。
URL: https://kojitaken.hatenablog.com/entry/2019/05/25/093659
どうやら、黒川の熱望に反して、黒川は山本太郎に元号新選組の結党(結組)当時から相手にされなかったようだ。それくらい筋の悪い人だった。
ただ、2019年には既に黒川を見限っていたらしい山本太郎も、2017年衆院選では山口4区に入って黒川を応援していた。これもnaoko氏の下記Xに教えられた。
応援演説もしている。 https://t.co/N8kFxcdxgw
— naoko (@konahiyo) 2024年4月19日
先ほどの山口4区での黒川あつひこ応援演説で、選挙区で安倍さんは落ちても比例復活できる、お灸を据えましょうと発言しましたが、誤りでした。安倍さんは比例との重複立候補ではありませんので、選挙区で落ちたら議員じゃなくなります。訂正します。選挙区で落としてユックリしてもらいましょう。
— れいわ 山本太郎 消費税廃止!住まいは権利! (@yamamototaro0) 2017年10月10日
なるほどね。だからかつてヤマシンたちが黒川敦彦を応援していたのか。まあ昔の話だし、今回の補選には山本は影響力を行使していないようなので、山本の話はこれくらいで良いだろう。何より候補者の根本良輔自身が新選組とは絶縁していて「心の底から軽蔑している」と明言している。下記の根本自身のXがその証拠だ。
つばさはれいわと繋がってる論があるので説明しとく
— 根本良輔@東京15区衆院補選 (@nemoto_ryosuke2) 2024年4月19日
結論として、つばさはれいわを心の底から軽蔑している
つばさの党の初期のオリーブの木時代は、反安倍の人と大同団結してやってた
その主なメンバーが今の立憲、国民民主、山本太郎
だから立憲にも山本太郎の応援にも行ってた…
このXで根本は下記のように書いている。
山本太郎に関しては、反安倍という考え方は一致しているものの、奴はコロナワクチンの危険性をおそらく知っていながら黙っていた
れいわの議員がワクチン推進派だったからなのもあるし、野党共闘でワクチン推進の立憲と共産と組んでいたから
国民のことを考えるのであれば、ワクチンが出て来た時に危険性を訴えるべきだった
奴は影響力があるので、ワクチンの危険性を周知していればかなり多くの命が救われただろう
でも奴はそれをしなかった。黒川さんは山本太郎に怒りの電話を入れたが全く出なかった
ここからうちは完全に反れいわ
そもそも立憲と共産のアンチなので、そこと共闘してる時点でもう話にならない
仮に今回れいわの候補者が出てたら徹底的にボコってたよ
まあ今回の選挙終わったられいわの街宣凸ってやるから待っとけや
URL: https://twitter.com/nemoto_ryosuke2/status/1781355411876253769
「限界系」という(私の好まない)言葉は、このような輩や彼を含む黒川敦彦一派にこそ正しく用いられるべきではないかと思った。
このような黒川敦彦一派は、断じて許してはならない。
黒川一派が今回なしているような暴力行為こそ、民主主義の最大の敵である。
あまりにも当たり前のことだが、今日の記事はこの言葉で締めるしかない。