- 作者: 佐野眞一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/11/10
- メディア: 単行本
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FC2のブログで引用したのは第3章と第4章。記事を書いた時は第4章の途中までしか読んでいなかった。
きまぐれな日々 小泉純一郎と安倍晋三と「女系」
2004年秋に書かれた本であり、当時参院選で自民党が負けたあとだったので、小泉内閣が任期切れの2006年9月までにレイムダック化するという楽観的な見通しのもとに書かれている(第4章)。長くなるが以下引用する。
『参院選後の政局の焦眉の急は、小泉総裁の任期中に解散総選挙があるかどうかである。政治評論家の国正武重氏は、総理の立場は強く、外から辞めさせるのは難しい。しかし、小泉政権はもはや午後三時の太陽のようなものなので、小泉は解散総選挙という伝家の宝刀はもう抜けない状況まで追い込まれている、という。
「共同通信が予測したシミュレーションによると、いま仮に衆議院選挙があったら、自民党の獲得議席数百三十に対し、民主党は三百十議席をとって、自民党は消滅の危機を迎えるという結果が出ています。自民党は解散阻止で完全に一致しています」
しかし、そうした政界の常識を破って国民を驚かせてきたのが、これまでの小泉流の政治作法だった。後藤田正晴がかつて小泉について言った「したたかで政局観の鋭い現実政治家」という評言もその点を指している。
また前出の田中一昭氏は小泉を評して、「政策実現が最終目的ではなく、権力闘争に勝つのが目的という意味で言えば、純粋のマキャベリスト」という。後藤田、田中両氏の評言通りなら、レイムダック状態に追い込まれる一方の危機的状況を一気に突破するため、常識的には誰もがありえないと予測する解散総選挙のカードを切るという、破れかぶれの手もないわけではない』
(佐野眞一 「小泉純一郎−血脈の王朝」より)
日本にとってまことに不幸なことに、最後のセンテンスの予言が当たってしまった。