kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「新自由主義側からの小沢一郎降ろし」には私も断固反対だ

西松事件」当初、「政治とカネの問題」と「小沢一郎」のイメージが直ちに結びついたので、小沢は潔く辞任を、と書いておきながら何なのだが、その後あまりに怪しい東京地検のリークを垂れ流すメディアによる虚報の洪水に接したり、小沢一郎民主党入りしたと同時に労組政治家に転向し、今回の容疑はどう見ても無理筋と知るにつれ、スタンスが変化した。もちろん、小沢一郎自身が言うように、選挙に悪影響があるなら辞任すべきだと思うが、今現在辞任して、後任が菅直人ならともかく、岡田克也なんかになってしまったら自民党の思う壺であることはあまりにも明らかであり、現段階では小沢一郎の辞任を求める主張はいったん取り下げている。

私はもともと民主党では左派にしか共感できず、外部からはむしろ社民党共産党に主張が近いと見られることが多いが(実際、自分自身、菅直人社民党の中間くらいのスタンスだと思っている)、それでも「転び左派」の小沢一郎続投の方が、岡田克也らが前面に出てくる体制よりはずっとましだと言わざるを得ない。そんな私がとても共感できるブログ記事があった。

A.P.C. socialist's tactics: 小沢を下ろしてはいけない理由

これは、心から共感できる記事だった。

1、野党共闘
選挙で自公政権に勝つことを考えればもちろんだが、
また、その後の政策を考えても、
社民党国民新党民主党が協力することは大切だ。

社民党国民新党の立場からみれば、
選挙、政策とも小沢はかなり社国に配慮できる代表であろうと思う。

小沢が降りたとして、菅直人ならばともかく、
岡田克也などが代表になれば、社国に冷淡な態度をとり、
野党共闘がうまくいかない可能性が懸念される。

ここが一番大きい。小沢一郎菅直人、あるいはその系列の人物でなければ「野党共闘」は難しい。

2、党内左派
国民生活のため望ましい政策を実現していくには、
一部の「小泉改革派」と見紛うような民主党議員をできるだけ掣肘し、
リベラル派の政策を取り入れる必要があるだろう。

これについても、小沢は
懸念の安保政策で真っ先に旧社会党グループと合意し、
党内右派からの楯となっている。

一先ずは、党内左派の意見をくみ上げる度量があるといえる。

これは、おそらく小沢一郎が「労組政治家」に転向したところからきているものと思うが、経緯はどうあれ、決して軽く考えてはならないことだ。

4、新代表
はっきり言って、小沢の「スキャンダル」は
実際にはほとんど言いがかりに近いものである。

その通り。

以下、傾聴に値する主張が続くが、特に以下の部分に共感した。

「反小沢」や、未熟な若手をもまとめてこそ、政権交代は成る。

右にも左にも、やれ前原を追い出せとか、旧社会党はガンだとか、
純化路線」を唱えるコメンテーターがいる。
しかしそれは間違いであって、
さまざまな立場の人間の声を拾えるウイングの広い政党でないと、
決して政権につくことはできない。

かつての自民党も、政策路線がかなり異なるいくつもの派閥があり、
それらが集まって党をなしていることがむしろ強みになっていたのだ。

「きまぐれな日々」に寄せられるコメントでも、ことさらに「前原一派」を敵視し、あたかもコイズミの手先であるかのように言う人がいるが、何度も何度も書くけれども、前原誠司は党内中間派であり、「『小さな政府』論には与しない」と明言してコイズミ自民党と国会で論戦を行った。そして、小沢一郎は右派の新保守主義者や新自由主義者を多数引き連れて民主党入りしながら、党に入ったらいきなり左派と手を組んだ男だ。いわば、前原誠司を挟んで左右が手を組んだ形だが、そこに民主党政権交代を狙えるまでに成長した秘訣があった。

それに、何より小沢で買えるところは、極右を党に居づらくさせ(改革クラブに出て行ったのは、平沼赳夫に立場の近い極右政治家たちだった)、静岡7区でも地元にあった城内実擁立の動きを許さず、公募で斉木武志を立てるなど、党内でリベラル・左派の台頭を後押ししたことだ。特に一昨年の参院選ではリベラルな主張をする民主党候補者が大量に当選した。千葉県知事選でも、小沢は自公と相乗りで極端な新自由主義者にしてコイズミ−安倍晋三人脈である白石真澄を推そうとした千葉県連を許さず、吉田平を推させた。この選挙では苦戦が見込まれているが、敗れても小沢執行部の責任よりも新自由主義者を与党と相乗りで推そうとしたKYのネオリベ千葉県連の方がずっと罪が重く、真に責められるべきは民主党内の新自由主義者たちである。

中には昔からの小沢一郎アレルギーの持ち主で、上記の事情をわかっていながら、わざと目をつぶって千葉県知事選の結果の責を小沢一郎に帰そうとする論者もいるが、著しく公平さを欠く議論と言わざるを得ない。

とにかく、「新自由主義側からの小沢一郎降ろし」には私も断固反対だ。