kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

エースの「痛恨の一球」で幕を引いた野村克也の監督人生

http://www.yomiuri.co.jp/sports/npb/news/20091024-OYT1T00821.htm

終幕への1球…岩隈、痛恨のストレート

 楽天劇場の終幕を示す1球だった。

 八回二死二、三塁で、野村監督は6番手に岩隈を投入。敬遠策もあったが、エースはスレッジとの勝負を選んだ。しかし2球目、内角への145キロは無情にも右翼席へ。決定的な3ランに「悔しいですね」と涙声の岩隈。野村監督は「直球はボールにするはずだった。普段慣れないことをさせたから、力んだのでしょう。すべて私の責任だ」とかばった。

(2009年10月24日19時57分 読売新聞)

映像は見ていないが、記事を読んでいて20年前に現西武監督の渡辺久信近鉄のブライアントに浴びたホームランを思い出した。やはり同じくらいの球速のストレートを右翼席に打たれたのではなかったか。ちょっと調べてみると、渡辺もリリーフに出た2日前に先発して敗戦投手になっており、今回の岩隈と全く同じだ。むしろ、今回は岩隈が抑えていても楽天が9回に同点ないし逆転する可能性はほとんどなかったし、仮にそうなってもあと2勝が必要だったから、同点で、勝った方が優勝に近づく場面だった渡辺の場合ほどギリギリではなかった。

日本ハムの梨田監督は、1988年限りで引退したが、いきなりNHK解説者のポジションを得て、この年のプロ野球解説で大活躍していた記憶がある。正直言って、監督としてはあまり期待できないのではないかという印象を持ったが、なかなかどうして、2001年の近鉄優勝に続いて、今年も日本ハム監督としてチームを優勝に導いた。ただ、日本一にはまだなったことがない。巨人とのシリーズでは、梨田氏として初の日本一を期待したいが、ダルビッシュは間に合うのだろうか。

野村監督は楽天日本ハム両チームから胴上げされたそうだが、近鉄と阪急の両チームの選手から胴上げされた西本幸雄監督を思い出した。当時61歳だった西本監督の引退に、「老将去る」と思ったものだが、野村監督は74歳まで采配をとった。今だったら、西本監督の61歳での引退は「早過ぎる」という印象になる。長嶋茂雄は65歳まで、王貞治胃がんの手術をしたあとも68歳まで監督を務めた。しかし、その反面、現在はかつての西本幸雄上田利治のように、選手としての実績はなくとも監督としての能力を買われて抜擢される人がいなくなった。選手寿命や監督寿命(?)が伸びたことは喜ばしいと思うが、能力ある人間を抜擢する人事が少なくなったことが、プロ野球が衰退期にあることを象徴しているように思える。

何はともあれ、野村克也監督の労をねぎらいたい。