kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

香川県知事選は「今回も無風」でいいのか

香川県知事選の選挙戦が行われているが、与野党相乗り候補がリードしている情勢だという。
http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010082201000354.html

マスコミが「リード」と報じる場合、かなりの差がついていることが多い。しかし、香川県は人口およそ100万人であり、ちょっとした民意の振れで、結果は大きく変わる。とはいえ、熱しにくい県民性ではある。個人的なことを書くと、私は2002年当時は香川県に移住する直前の岡山県民だったし、現在では香川から東京に移住しているから、香川県知事選の投票機会は2006年の一度しかなかった。

周知のように、2006年に小沢一郎民主党代表に就任したあと、民主党執行部は首長選での相乗り禁止を打ち出したが、2006年の滋賀県知事選で民主党県連は自民党公明党と一緒に現職に相乗りした。

しかし、大番狂わせが起きた。相乗り候補が新幹線の新駅建設に反対する無名の嘉田由紀子氏に敗れたのである。滋賀県も人口の多い県ではないが、それでも香川県の約1.4倍、およそ140万人いる。

当時、香川県民で民主党を支持していた方が、滋賀県知事選について書いた記事にリンクを張っておく。
http://wwwc.pikara.ne.jp/boris/Hitorigoto/Hitorigoto490.htm

民主党は、1998年と2002年の香川県知事選では相乗り候補を推したが、2006年の知事選では自主投票だった。しかし、独自候補擁立には至らず、選挙は自公が推す現職知事の圧勝だった。地元でもほとんど話題に上らなかったほどだ。これでも情けない話だが、今回の知事選では、民主党は相乗りに戻ってしまった。

民主党小川淳也衆院議員は、ブログに次のように書いている。
香川県知事選挙 | 小川 淳也オフィシャルブログ Powered by Ameba

2010-08-18
香川県知事選挙

(前略)香川では知事選挙が行われています。まずは民主党県連として独自の候補を擁立できなかったことをあらためてお詫び申し上げます。県連代表辞任の大きな理由のひとつはここにありました。

今回の知事選、渡辺さと子候補と私はかねてからお付き合いがあり、特に私が落選した7年前の丸裸の総選挙で、当時応援いただいたご縁、義理、恩もあります。

一方連合を始めとした支持団体の多くは浜田候補を支援していますが、こちらに対しては事実上の各党相乗りに対する根強い批判があります。

私自身、今回の知事選挙では中立の姿勢をとらせていただきたいと思っています。大変無責任とのそしりは免れないと思っていますが、独自候補擁立に失敗した以上、この両者のいずれかの候補に肩入れすることは、立場や心情、経過からしてどうしても出来ません。お叱り、ご批判を十分受け止めつつ、今回は中立の姿勢で臨みたいと思います。(後略)


この記事を読んで考えてしまった。小川議員の無念さがにじみ出ている文章ではないか。小川議員は、県知事選の件が原因で、なんと民主党香川県連代表辞任にも至ったとのことだ。連合の意向には衆院議員も逆らえないのか。小川議員は凌雲会(前原・枝野グループ)所属だが、リベラル派の議員として知られている。凌雲会イコールネオコン、というよくあるとらえ方は誤解であって、民主党内で本当にネオコンが多いのは、鳩山由紀夫に近い旧民社や、昔から小沢一郎を支えてきた旧自民・旧自由党系の人たちである。凌雲会は、リーダーの前原誠司ネオコン色が強いが、党内での位置づけはむしろ中間派といえる*1

問題は、政治家よりもむしろ、権力と癒着した「連合」にあるようだ。民主党自民党も「みんなの党」も、官僚のことばかり言うが、自民党みんなの党経団連の批判をしないし、民主党も御用労組の批判はしない。だから金子勝が望む「環境・エネルギー革命」(再生可能エネルギーの開発推進)は、自民党政権だろうが民主党政権だろうが実現しない。

これは、仮に「反小沢」政権から「小沢」政権に代わったところで解決する問題ではあるまい。民主党同様に香川県知事選で元官僚に相乗りしている社民党ともども、いったいどういう方向を向いて政治をやっているのかということが問われる。地方政治の場合、土地の有力者とのコネクションなどの影響もあるだろう。

かくいう私も、4年前の香川県知事選の時には、どうせ現職の圧勝だよなあ、つまんないなあ、などと思って、ほとんど関心が起きなかった人間だから、偉そうなことを言う資格は全くないのだが、対立候補渡辺智子氏(無所属)のホームページと、楽天のページに掲載されている松原昭夫氏(共産党)の紹介記事にリンクを張っておくので、ご関心をお持ちの香川県民の方がおられたら、ご参照いただけたらと思う。

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相乗り候補の浜田恵造氏に対しては、森田実が熱烈な応援の記事を書いているのでリンクを張っておく。個人的に言えば、最近森田実の記事を読みに行くことはほとんどなくなった。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C06675.HTML

森田実のこの記事を読むと、小川淳也と同じ民主党衆院議員でも、玉木雄一郎浜田恵造氏を応援していることがわかる*2。これには理由があって、浜田恵造氏と玉木雄一郎衆院議員は、ともに財務官僚出身なのである。同郷の財務官僚OB同士なら、玉木議員も浜田氏を応援せざるを得ないのであろう。また、私が嫌って止まない自民党平井卓也*3も浜田氏を応援している。昨年の衆院選で平井を落とし損ねたのは痛恨事だった*4。もし私が今も香川県民だったら、平井が応援しているというその理由だけでも、浜田恵造氏に投票することは決してなかっただろうと思う。


[参考記事]
香川県知事選挙、「相乗り元官僚逃げ切り」?「さし切りで四国初の女性知事」? : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)

*1:旧民社や旧自由党系はむろん民主党右派に位置づけられる。但し小沢一郎は今では左派の旧社会党系と親密である。

*2:香川県選出のもう一人の国会議員である、植松恵美子参院議員のスタンスは、調べてみたがわからなかった。

*3:平井卓也は、四国新聞西日本放送のオーナー一族の世襲政治家であり、地方選出議員のくせに自民党のカイカク派という、手の施しようのない極悪議員である。

*4:平井卓也は、小選挙区で惨敗したが、比例で復活した。高知と愛媛の自民党が強かったことに平井は助けられた。