kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

名古屋市民の暮らしに打撃を与える河村たかし主導の名古屋市議会リコールを許してはならない。中日新聞もリコールによる4億5千万円の浪費を批判

名古屋市長・河村たかしによる市議会リコール運動について、当ブログは何度か河村を批判する記事を書いてきた。

当初、署名の集まり方が鈍いと報じられていた。河村は小沢一郎に近く、署名には複数の小沢一郎民主党議員秘書が支援していることを、少し前に毎日新聞*1が伝えていた。

河村自身も、民主党代表選で小沢一郎が当選すればリコール運動にも弾みがつくと言っていたらしい。小沢一郎が惨敗したこともあって、リコールはどうせ不成立だろうと私は楽観視していたのだが、河村陣営が巻き返してきて、事態は楽観を許さなくなった。
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/vsshigikai/list/201009/CK2010091602100005.html?ref=rank

署名18日間で15万人 名古屋市議会リコール運動

2010年9月16日

 名古屋市議会の解散請求(リコール)に向けた署名集めに取り組む河村たかし市長の支援団体「ネットワーク河村市長」は15日、署名開始から13日までの18日間に回収した署名は15万1892人分に上ったと発表した。

 リコール成立には未集計の14日以降の14日間で最低でもさらに21万4000人分が必要。会見したネットワーク代表の鈴木望・前静岡県磐田市長は「態勢が整って尻上がりに調子が良くなってきた。希望が持てる」と述べた。

 前回発表の6日時点の回収数は11日間で5万5245人。今回は7日間で10万人近くを集め、一日平均で約1万3800人。鈴木代表は「一日当たりの数をもう少し上積みすれば達成できる」との見方を示した。今回回収した署名用紙(1枚で12人分)は約3万6000枚という。

 リコール成立に必要な署名数は1カ月間で約36万6000人以上。記入の不備や名前の重複による無効の発生を見越し、27日までの収集期間に42万人分を目標にしている。

 河村市長は「回収が始まった段階でこの数字は多いと思う。必要数が集まると信じている」と述べた。一方、横井利明市議会議長は「前回発表から一気に増えた印象」としつつも、「違反が疑われる署名集めがかなりあるようだ。民主主義の基になることであり適正にやってほしい」と話した。

 署名集めでルール違反が指摘される状況に鈴木代表は「適正な手続きを徹底する」と明言。収集した署名の個人情報をリコール成立後の出直し市議選で利用することは「ありえない」と述べた。


小沢信者がほざく民主党代表選における「消えた投票用紙」の作り話などどうでも良いが*2、市議会議長から指摘されている「署名集めのルール違反」の真相はどうなのか、もしルール違反がある場合、それに小沢一郎議員秘書はかかわっていないのか、その検証を地元のジャーナリストに求めたい。

それにしても、リコールが成立しかねないこの状況は脅威だ。この情勢にいたって、これまで立場を明確にしてこなかった中日新聞が、河村批判に舵を切ったかと思われる記事を掲載した。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2010091890090812.html

リコール費用4億5千万円 ほかに使えば何ができる?

2010年9月18日 09時16分

 4億5千万円−。名古屋市河村たかし市長が先導する市議会解散請求(リコール)運動で必要な署名数が集まった場合、住民投票までにかかる費用だ。実は、リコール不成立でも市議会は来年4月に任期満了を迎える。選挙を2カ月、早めるためだけの税金の無駄遣いか、民主主義のコストなのか。そもそも、このお金があれば何ができるか。市の予算を基に試算した。

■待機児童

 定員超過の状態が続く市内の保育所。入園を希望しながらかなわない待機児童は4月現在で約600人、潜在的な需要も加えると2400人に上る。

 民間の保育所を整備すると、国の補助制度があるため、市の負担は1園あたり1300万円で済む。4億5千万円なら34園を整備できる計算だ。90人定員で3060人が入所でき、問題を一気に解消できる。

給食費

 小学生の給食費は各家庭が毎月、児童1人につき3800円を負担している。4億5千万円を充てると、1年間は月額3470円と、300円程度の値下げになる。

 中学生の半数が利用するスクールランチ。1食280円で、ほぼ全員がスクールランチを食べた場合の30日分に相当する。「スクールランチ月間」と銘打ち1カ月間、生徒に無料で食べてもらう試みも可能だ。

■敬老パスなど

 市の公共交通機関が乗り放題となる敬老パス。65歳以上なら、収入に応じて年1000〜5千円で入手できる。45%の「値下げ」ができ、550〜2750円まで引き下げられる。

 名古屋港水族館の人気者の雌シャチ「ナミ」を和歌山県太地町から譲渡してもらった際には5億円を支払った。5千万円を上積みして雄シャチを購入し、繁殖に期待するアイデアも夢ではない。

 ちなみに、河村市長と市議会の間で激しい応酬が続く議員報酬(制度上は年1600万円)と、第2報酬とも指摘される政務調査費(同600万円を会派に支給)に置き換えると、市議20人分に当たる。一方、市長が引き下げた自身の給与(800万円)だと任期14期分(56年)となる。

 <リコールの費用> 名古屋市選管の試算によると、提出されたリコール署名が有効かどうかを審査する人件費などに5000万円が必要。その後、住民投票を行うことになれば、職員の超過勤務手当やはがきの作成などで4億円がかかる。リコール成立なら市議選は来年2月ごろに実施される見込みで、任期満了の場合の2カ月前倒しとなる。

中日新聞


これは良い記事だ。名古屋の中日新聞に相当する大阪の新聞は、全国紙の朝日・毎日・読売新聞だが、これらの新聞が橋下徹に対してとっているスタンスとは一線を画している。

それに対して、一部の小沢信者は河村たかしマンセーしているが、要するに彼ら小沢信者は新自由主義者にほかならないということだ。彼らが「マスゴミ」と侮蔑する中日新聞の方が、よほどまっとうな記事を書いている。私はドラゴンズは応援しないけれど、中日新聞頑張れとは言いたくなる。

なお、河村たかしの問題点については、下記記事で紹介した名古屋市民の方の意見がわかりやすい。
「減税」のワンフレーズポリティクスに悩まされる名古屋市民の方の河村たかし批判 - kojitakenの日記


河村たかしが主張する「減税」は、大多数の名古屋市民の暮らしには、サービスの縮小を通じて、むしろ打撃を与えるものだ。年収1000万円以上の名古屋市民が市議会のリコールを求める署名をしても、「この守銭奴め」とは思うものの、これを止めることはできないが、年収1000万円未満の市民の方々が署名することは、自分で自分の首を絞めることだ。

名古屋市民の皆さまは、河村市長の求める市議会リコールの署名に応じてはならない。そう強く訴えたい。


[参考記事]
河村市長、ご乱心を!税金4.5億円のリコール運動は中止を! : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)

*1:http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100829k0000e010009000c.html

*2:今回の民主党代表選は、2002年の代表選と比較して投票率はかなり高かったし、民主党が党員集めでずいぶん水増しをしていることは報道されていた。