kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

小沢一郎が原発に慎重だった民主党の政策を「原発推進」に転換した

小沢一郎東日本大震災が起きてからしばらく雲隠れして「安否不明」などと揶揄されたせいか、最近は小沢信者の威勢の良いかけ声もあまり聞こえてこない。東京都知事選に森ゆうこを擁立する、などと息巻いていた人たちは、都知事選で誰を支持するのか。石原を「最大限尊敬する」と公言して憚らない東国原英夫でも担ぐのか。

それはそうと、小沢信者が菅政権の原発事故への対応を批判するたびに強い違和感を感じてきた。それは小沢一郎原発とのつながりである。小沢一郎には原発利権の噂が絶えなかったはずだが。こう思っていたところに、「きまぐれな日々」にフリスキーさんから下記のコメントをいただいた。
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1166.html#comment11745

(前略)小沢さんが民主党代表だった2006年に、


(引用開始)
民主党がまとめたエネルギー政策に関する新見解案が25日、判明した。
1998年の結党以来、代替エネルギー確立までの「過渡的エネルギー」と
位置付けてきた原子力発電について「エネルギー安全保障上、欠かせない存在」と
恒久的エネルギーとして積極的に推進する立場に転換する。
26日の経済産業部門会議で意見集約し、党「次の内閣」で正式決定する。
(引用終了)


http://www.scn-net.ne.jp/~casings/0802%20mousiire%20word.htm


とする政策転換をしていた(後略)


フリスキーさんがリンクを張ったサイトから引用する。

民主党代表 小沢一郎様                            (1/2)
民主党代表代行 菅直人
民主党幹事長 鳩山由紀夫
                                  2006年8月2日
前略


最近の報道機関で民主党のエネルギー・原子力政策に関連してある「危険な動き」が報道されています。私たち市民有志は、民主党の責任あるお立場の皆様方に、貴党の政策転換(?)を危惧する一市民として、一言言上仕ります。なお私たち有志の集まりには民主党の党員・サポーターも多く参加していることを明らかにしておきたいと思います。


いままで民主党原子力政策には慎重で、それは国民の不安を理解するからこそと信じておりました。ところが報道によれば、去る7月26日、貴党の「経済部門会議」で「エネルギー戦略委員会」(座長・大畠章宏組織総局長)の音頭取りでエネルギー政策の「転換」が決議され、それが本日8月2日に開催される「次の内閣」で党の政策として正式決定されようとしているというではありませんか。事実そのようなものになるのでしょうか、不安です、残念です。


全ての原子力発電施設が人里離れた地区に立地している事実が雄弁に物語っているように、原子力は「危険」で、その受入は「生活」のため安全を原発に売り渡すことを余儀なくされた過疎地域の人々の犠牲の上に成り立っています。原子力を政治家の官舎の真下に持ってくる、あるいはみなさんがいつも生活している永田町の真下に持ってくる、そこまでの決意と自信がないならば、原子力政策は見直すべきと思いますが、いかがでしょうか。


また、財界や自民党が推し進める現在の原子力政策は、戦後くすぶり続けてきた日本核武装論とも密接に関連しているかに見えます。すでに日本のプルトニウム保有量は、原発としての実需要をはるかに超えたものであるとの指摘もあります。自民党・財界の意図と軌を一にする民主党の政策転換(?)は、全野党が一致団結して自民党政治を拒否し「政権交代」によって新しい世の中に希望を見出したいとする私たち広範な国民・市民の意欲をそぐものであり、その先頭に立つべき民主党への国民・市民の期待を裏切るものです。


聞けば「エネルギー戦略委員会」の座長・大畠章宏組織総局長は日立・東海村を選挙区とする茨城5区の選出とか。ここに民主党の一部勢力が原子力を推進する財界からのおこぼれ頂戴に掉さす姿が垣間見えます。このような体質と明確に決別するのでなければ、与党だけでなく一部財界の論理に民主党もとり憑かれている、との国民・市民からの批判は必至です。原子力政策の再考を願います。以上。


2006年8月2日


民主党のエネルギー・原子力政策の「転換」に反対する市民有志の会


原田伊三郎(民主主義の会・主宰、全野党と市民の共闘会議・幹事、神奈川県)、中川賢俊(写真家、全野党と市民の共闘会議・幹事、長野県)、とくらたかこ(Blog 主宰、山口県)、大本良子(カウンセリングルーム・代表、埼玉県)、宮下敦(ジャーナリスト、長野県)、影絵(全野党と市民の共闘会議・幹事)、中島宏暢(同左、長野県)、岩崎美枝子(同左、地球遊子、みえこ通信・主宰、愛媛県)、中島澄子(主婦、長野県)、中川恵美子(ピアニスト、長野県)、小林文隆(飯田市民、長野県)、松村哲雄(全野党と市民の共闘会議会員・老人党護憲+、東京都)、圭(全野党と市民の共闘会議・幹事、東京都)、さとうしゅういち(全野党と市民の共闘会議・会員、瀬戸内新聞・経済部長、事後掲載)二田水弘平(全野党と市民の共闘会議・代表、神奈川県)


(中略)


参考資料―報道関係からの情報―(以下引用はじめ)

原発、不可欠と容認 民主が積極推進に転換(共同通信 - 7月26日2時6分更新


 民主党がまとめたエネルギー政策に関する新見解案が25日、判明した。1998年の結党以来、代替エネルギー確立までの「過渡的エネルギー」と位置付けてきた原子力発電について「エネルギー安全保障上、欠かせない存在」と恒久的エネルギーとして積極的に推進する立場に転換する。26日の経済産業部門会議で意見集約し、党「次の内閣」で正式決定する。
 党の「エネルギー戦略委員会」(座長・大畠章宏組織総局長)がまとめた。高速増殖炉技術の確立を含め「核燃料サイクル政策の完成に向けた取り組みを進める」とも明記した。
 民主党は、旧社会党が94年の村山政権発足時に原発を過渡的エネルギーと容認した政策を踏襲。民主党内ではこれまで積極推進論もあったが、これに慎重な旧社会党系議員らへの配慮から、党内議論を事実上、“封印”してきた。

民主党>エネルギー戦略まとめる 原発推進の姿勢 (毎日新聞 - 7月26日17時47分更新


 民主党は26日の経済産業部門会議で、原子力発電について「エネルギー安全保障や二酸化炭素削減などの面で重要。国民の理解と信頼を得て着実に取り組む」とのエネルギー戦略をまとめた。「過渡的エネルギー」と位置づけた従来見解を修正、推進姿勢を鮮明にしたのが特徴。来月2日の「次の内閣」会合で正式決定する。


(以上引用おわり)


今でこそ、「民主党自民党と同じ原発推進勢力」というのは国民の常識となっているが、民主党はもともと原発政策に関しては旧社会党系の意見を一定程度容れた「慎重派」(消極的容認派)だった。それを自民党とまるっきり同じの「積極的推進派」に変えてしまったのが小沢一郎なのである。

「きまぐれな日々」のコメント欄を見ると、小沢信者はこの政策転換を日立労組出身の大畠章宏のせいにして小沢一郎を免責しようとあがいているが、見苦しいの一語だ。もっとも大畠の罪も重いのは当然である。大畠は、旧社会党から社民党を経て民主党入りした議員で、鳩山グループに属しているが、つい先頃の菅内閣改造で経産相から国土交通相へと転じた。この男が経産相のままだったら、原発事故への対応はさらに東電寄りで情報隠し色の強い、ひどいものになっていたかもしれない。それよりさらに確実だと思われるのは、鳩山政権時代の官房長官だった無能な平野博文だったら、原発事故で枝野幸男の比ではない、とんでもない対応をしたに違いないことだ。

そういう民主党議員個々の問題もあるけれども、民主党において原発問題でもっとも罪深いのは、やはり政策転換を行った時に民主党代表を務めていた小沢一郎だといえるだろう。小沢は、前原代表時代までの新自由主義路線から「国民の生活が第一」路線に転換したとして評価されているけれども、こういうとんでもない政策転換もしていたのである。


なお、「民主党のエネルギー・原子力政策の『転換』に反対する市民有志の会」に、来月10日投票の広島県議会議員選挙に安佐南選挙区(定数4)から無所属で立候補しているさとうしゅういち氏が名を連ねていることに注目されたい。