kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

福島原発事故はやはり最悪の「レベル7」

NHKニュースより。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110412/t10015249911000.html

事故評価 最悪のレベル7へ
4月12日 4時12分


東京電力福島第一原子力発電所で相次いで起きている事故について、経済産業省原子力安全・保安院は、広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、国際的な基準に基づく事故の評価を、最悪の「レベル7」に引き上げることを決めました。「レベル7」は、旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ評価になります。原子力安全・保安院は、12日、原子力安全委員会とともに記者会見し、評価の内容を公表することにしています。


原子力施設で起きた事故は、原子力安全・保安院が、国際的な評価基準のINES=国際原子力事象評価尺度に基づいて、その深刻さを、レベル0から7までの8段階で評価することになっています。原子力安全・保安院は、福島第一原発で相次いで起きている事故について、広い範囲で人の健康や環境に影響を及ぼす大量の放射性物質が放出されているとして、INESに基づく評価を、最悪のレベル7に引き上げることを決めました。原子力安全・保安院は、福島第一原発の1号機から3号機について、先月18日、32年前にアメリカで起きたスリーマイル島原発での事故と同じレベル5になると暫定的に評価していました。レベル7は、25年前の1986年に旧ソビエトで起きたチェルノブイリ原発事故と同じ評価になります。レベルが引き上げられる背景には、福島第一原発でこれまでに放出された放射性物質の量が、レベル7の基準に至ったためとみられますが、放射性のヨウ素131を、数十から数百京(けい)ベクレル放出したというチェルノブイリ原発事故に比べ、福島第一原発の放出量は少ないとされています。原子力安全・保安院は、12日、原子力安全委員会とともに記者会見し、評価の内容を公表することにしています。


いや、だからそんなこと先月からわかり切ってただろ。新聞記事をまともに読める人間だったら誰にでもわかったことだ。そのことは、私が開設しているブログにも書いた。


きまぐれな日々 いまや「チェルノブイリ」と比較される福島原発事故の深刻さ


以下引用する。

今朝(25日)の朝日新聞一面のトップは、「福島第一、レベル6相当」という見出しの記事だ。そんなことはアメリカやフランスの機関がとっくの前に言っていたし、朝日新聞でも竹内敬二編集委員が「今後チェルノブイリと比較して語られることになる」と書いていたのはずいぶん前のことだったが、23日にようやく原子力安全委員会がデータを出して、それに基づいて朝日新聞が「レベル6相当」とみなしたものだ。


asahi.comにも公開されたこの記事の「はてなブックマーク」を見ると、

むう、朝日ってのがなぁ。仮に真実だとしても信憑性を損ねかねない。レベルの話は国内と海外の評価が違うらしいし。

などと書く、往生際の悪い人間がいる。


確かに朝日の記事は怪しい。ただ、それはブコメ主とは正反対の意味においてだ。以下asahi.comより引用する。

 原子力安全委員会は、SPEEDI(スピーディ)(緊急時迅速放射能影響予測)システムで放射能の広がりを計算するため、各地での放射線測定値をもとに、同原発からの1時間あたりの放射性ヨウ素の放出率を推定した。事故発生直後の12日午前6時から24日午前0時までの放出量を単純計算すると、3万〜11万テラベクレル(テラは1兆倍)になる。


 国際原子力事象評価尺度(INES)は、1986年のチェルノブイリ原発事故のような最悪の「レベル7=深刻な事故」を数万テラベクレル以上の放出と定義する。実際の放出量は約180万テラベクレルだったとされる。今回は少なくともそれに次ぐ「レベル6」(数千〜数万テラベクレル)に相当する。

asahi.com 2011年3月25日3時0分)


朝日新聞記事の引用部分をよく読んでほしい。「事故発生直後の12日午前6時から24日午前0時までの放出量を単純計算すると、3万〜11万テラベクレルになる」のに対し、「国際原子力事象評価尺度(INES)は、1986年のチェルノブイリ原発事故のような最悪の『レベル7=深刻な事故』数万テラベクレル以上の放出と定義」している。つまり、INESの定義に基づくと、「3万〜11万テラベクレル」という福島原発の放出量は「レベル7」になるのである。それを、朝日新聞記事はチェルノブイリ原発事故の放出量は約180万テラベクレルだったことを理由にして、勝手に「福島原発事故はレベル6」と過小に認定している。「レベル6」の事故の放出量は数千〜数万テラベクレルとのことだから、最大限甘く見積もっても、「レベル6とレベル7の境界領域だが、レベル7により近い」としかいいようがないと私は単純に思うのだが、間違いだろうか。


どうしてもチェルノブイリと福島に差をつけたいというのなら、100万テラベクレル(=1エクサベクレル、10の18乗ベクレル)以上の「レベル8」を新設して、チェルノブイリをそこにランク付けすべきなのではないか。要するに、福島原発事故とはそれほどまでにもひどい原発事故だったということだ。上記のように再定義したところで、福島原発からは今なお放射性物質の放出が続いているから、いずれ福島も1エクサベクレル級の事故ということになってしまうかもしれない。


福島第一原発からは、この記事を書いたあともずっと放射性物質が放出され続けているから、正真正銘の「レベル7」になった。それだけの話だ。


この原発事故に関して、発生直後からずっと思うのだが、この国には明らかに見える事実をなぜか直視せずに目をそらせる人間が多すぎる。


東京知事選についてもそうで、石原慎太郎が「震災は天罰」と語ったことや、わざわざ福島にまで出向いて「私は原発推進論者」だと語ったことは、石原に投票した人間のうち半数以上は知っているはずだ。要するに、見て見ぬふりをしているのである。


そういう卑怯きわまりない人たちが石原を、ひいてはこれまでの原子力行政を支えてきたし、今後また4年間石原を支え続けると意思表示を行うと同時にこれまでの国の原子力行政を白紙委任したのだ。


石原慎太郎を当選させるとは、そういうことだ。