kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

やはりあとから次々出てくる情報。3月15日には既に「レベル7」だった

http://www.asahi.com/national/update/0423/TKY201104230477.html

3月15日にはレベル7相当 放射能放出量、安全委試算

2011年4月24日5時10分


 東京電力福島第一原発の事故で、大気への放射能放射性物質)の放出量が3月15日夜までに約19万テラベクレル(テラは1兆倍、放射性ヨウ素換算)で、国際的な事故評価尺度(INES)で最悪のレベル7に達していた。原子力安全委員会の試算でわかった。

 安全委などは4月12日にレベル7を発表、その夜に政府高官が「3月15〜17日の時点で、レベル7に相当する量が放出されていた」との見方を示していたが、数字上も裏付けられた。

 3月15日朝には、2号機の原子炉格納容器につながる圧力抑制室が爆発しており、この影響を受けている可能性がある。

 今回判明したのは、3月15日午後9時までの放出総量で、約19万テラベクレル。レベル7の判断基準となる5万テラベクレルを超えていた。14日までには5万テラベクレルに達していなかったとされる。安全委は3月11日の地震以降、4月5日までの放出量の総量は63万テラベクレルと試算していた。

 安全委はまた、4月5日時点での1日当たりの放射能放出量は154テラベクレルだったとの試算も明らかにした。ピーク時の1万分の1ほどで、安全委は現状も同様のレベルで推移している、との見方を示した。(佐藤久恵、桜井林太郎)


この記事は、朝日新聞では4面に、さほど大きくない見出しで掲載されているだけだ。これを書いている私の手元には、3月16日付の朝日新聞があり、当然ながら巨大な見出しが出ている。放射能さえ日常と化してしまうのが人間の営みというものなのか。

放射線量の数値は、理系の学部を出た人間なら誰しも、10の何乗という表記にしてくれた方がずっと頭に入れやすいのになあと思うのではないか。テラベクレルといわれても、テラが10の何乗かはすぐに思い出せず、キロ、メガ、ギガ、テラとくるから12乗だとやっとわかるが、それまで数秒ないし数十秒の時間がかかる。さらに15乗となると、これは名前(接頭語)を知らないからネット検索をかける羽目になり、ペタだと知る。なぜか18乗は知っていてエクサだが、これはブログに原発事故について書くために一度調べたから知っているだけの話で、それまでは知らなかった。21乗はゼタ、24乗はヨタであり、今後福島第一原発からの放射線放出量が10の24乗ベクレルになると言ったら、さすがにそれはヨタ話になるというわけだ。

この朝日新聞記事を読むと、4月5日までの総放出量が63万テラベクレルであるのに対し、4月15日の1日あたりの放出量は、154テラベクレルだと書いてある。「万」という文字を読み飛ばせば、放出量が増えているかのように見える。というか最初そう見えて、改めてよく読むと「万」という文字が書いてあった。これを、4月5日までの総放出量は6.3×10^17ベクレル、つまり10の17乗のオーダーだったが、4月15日時点の1日あたりの放出量は1.54×10^14ベクレル、つまり10の14乗のオーダーであると言われればすっきりわかるし、現在の放出量があと2か月続いたとした場合、総放出量は63万テラベクレルから64万テラベクレルまで増えるが、チェルノブイリ並みにはならないとすぐに計算できる。ただ、いうまでもなく圧力容器や格納容器の爆発などのイベントが起きた場合はこの限りではない。

3月15日に起きたイベントの中で、放出量が劇的に増える原因となったのは、3月16日付の朝日新聞記事を参照すると、2号機の水素爆発と見られる。以下3月16日付朝日新聞から引用する。

 15日朝には、爆発が起きて、格納容器に通じている圧力抑制室が壊れた。枝野幸男官房長官は「小規模な水素爆発が起こった」と述べた。格納容器そのものが破損したとなると、高濃度の放射性物質が外に漏れ出るおそれがある。

 内側から圧力容器や格納容器が壊れ、放射性物質が漏れ出て、制御ができなくなる。これが2号機で想定される最悪のシナリオだ。

(2011年3月16日付朝日新聞2面掲載記事「2号機 格納容器に不安」より)


つまり、15日朝に2号機で起きた水素爆発で格納容器が破損し、大量の放射性物質が漏出したことが、今回の福島第一原発事故を「レベル7」の大事故にしたと推定される。

だが、その頃のテレビでは、あたかも炉心の状態は安定しているかのような報道がなされていた。それが嘘であることを最初に示唆したのが、25日付朝日新聞による「レベル6」報道だったが、保安院はなかなかレベルの引き上げを認めようとしなかった。要するに、ずっとシラを切っていたわけだ。

なお、右翼の連中がその間何をやっていたかというと、朝日の報道に対しては、「なんで朝日なんかに勝手にレベルを決める資格があるのか」という批判であり、政府と保安院が「レベル7」を認めると、今度は「なんで今頃認めたんだ」と批判した。この右翼の厚顔無恥さは私には信じられなかった。

それで、今や右翼は、「菅は使い物にならないから総理大臣を変えろ」と絶叫している。テレビ朝日も、全国放送の番組ではまだ本音を抑えているが、テリー伊藤黒鉄ヒロシ長野智子がやっている、関西などには放送されない番組は本当にひどくて、必死になって「菅降ろし」をやっている。この番組は、大阪の読売テレビが制作している、首都圏にはネットしていないやしきたかじん司会の極右番組に対応する、関東の極右番組といえる。どうして大阪でも東京でも、読売でも朝日でも、テレビマンというのは全国放送でさえなければここまで恥知らずな番組が作れるのかと、両方の番組を知っている私は呆れ返るばかりだ。

そのテレビ朝日の番組には、あの石原慎太郎選挙参謀佐々淳行が出演し、菅抜きの民主党自民党の大連立を提案していた。佐々は、民主党内の松下政経塾出身者にかすかな期待をしているなどと勝手なことをほざいていたが、民主党の小沢一派もできることなら排除したいと佐々は考えているようで、こんな情勢で政局を仕掛けようとする小沢一派のKYぶりにも頭が痛い。