kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

スーがリードボーカルを務めたキャンディーズ「なみだの季節」

昨日書いた元キャンディーズ・スー(田中好子)の訃報の記事に、23時台の1時間だけで2千件以上のアクセスがあったことに驚いた。

キャンディーズといえば、シングル盤のデビューは1973年だった。石油ショックの直前であり、石油ショックを契機に時の総理大臣・田中角栄は日本のエネルギー政策を転換し、原発推進へと舵を切ったのだった。石油ショック直前にデビューしたキャンディーズリードボーカルは、当初スーが務めていて、そこそこの人気は得ていたが、5枚目のシングル「年下の男の子」からリードボーカルをランに切り替えて、キャンディーズはブレイクした。

その直前の「なみだの季節」は、スーがリードボーカルを務めた時代の最後のシングルで、オリコンの順位は最高40位であり、前の曲よりランキングを上げているが、よく売れたとはいえなかった。それが、「年下の男の子」以後は一桁の順位を記録することが増え、最後の「微笑がえし」で最初で最後の1位を獲得した。キャンディーズのヒット曲はどういうわけか春に出ることが多く、「春一番」がその代表だが、引退も春だった。そして、その33年後の春、スーはあの世へと旅立って行った。

キャンディーズの歌は、どういうわけか長調の歌ではヨナ抜き、短調の歌では二六抜き音階の歌が多いが、これは「年下の男の子」以降の話だ。「なみだの季節」はそうではなくて、全音音階を使った、短調のセンチメンタルな曲。のちにランがリードボーカルを務めた頃の「哀愁のシンフォニー」や、唯一ミキがリードボーカルを務めた「わな」もこの範疇に属する歌なので、3人のリードボーカルの比較ができて面白いのだが、「なみだの季節」は他の2曲との違いが際立っている。

まず、どういうわけかキーが高い。他の2曲は、歌い出しは結構ドスが利いているが、「なみだの季節」は最初からキーの高さが耳に残る。それと、リードボーカルのスーが、失礼ながらやや不安定だ。

だが、「年下の男の子」以降のキャンディーズの歌とは明らかに印象の違う、この「なみだの季節」は、実は私のひそかなお気に入りの歌だったのである。

蛇足ながら、私はピンクレディーキャンディーズより高く買っていたが、かつてはキャンディーズのシングルのタイトルもすべて空で言えた。しかし、今日久しぶりに試してみたら、もう半分も覚えていなかった。「なみだの季節」も実はメロディーは覚えていたがタイトルは忘れていた。スーがリードボーカルだった時代の歌でタイトルを覚えていたのは、デビュー曲の「あなたに夢中」だけだった。

キャンディーズの歌の中で、個人的にもっとも印象の薄い歌は、11枚目のシングル「ハート泥棒」であり、この歌は、この記事を書いている今もメロディーを思い出せないほどだが、作曲したのはなんとあのすぎやまこういちだということを知った。道理で...