kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

原発批判番組制作者が干された広島テレビは日本テレビ系列

昨日、朝日新聞の大熊由紀子と岸田純之助の件で取り上げた下記記事を再び取り上げる。


http://www.asahi.com/digital/mediareport/TKY201106090286.html

 広島テレビの岡原武氏のドキュメンタリー「プルトニウム元年」3部作は、地方の時代映像祭で大賞を受賞するなどきわめて評価の高い作品だ。被爆地・広島の視点から原発問題を直視した鋭角的な視点がきわだつ。

 放送前の社内プレビューで社長が「内容が一方的だ。君らこれを放送するんか」と言い放ったという。放映から1年後、岡原氏と上司の報道局長、プロデューサーら4名がそろって営業局に配転された。電力会社はCM出稿をストップした。電力会社の第二労働組合がかなり露骨に局に抗議を申し入れてきたという。岡原氏の件はあまりにも露骨なケースだ。岡原氏はそれから丸10年間、報道現場から外された。以降、広島の地から原発問題を正面から扱う番組はほぼ消滅した。原爆はOKだが原発はNOとされたのである。


調べてみると、「プルトニウム元年」3部作は、1992年から翌93年にかけて放送され、第4弾の制作企画もあったが、中国電力の圧力によって潰された。

 毎日放送の深夜ドキュメンタリー「映像.08」で、小出裕章さんら原発に異議申し立てをしている京都大学の学者たちの生活や活動を扱った作品「なぜ警告を続けるのか」は08年10月に放送された。放映後、同局内ではちょっとした騒動が起きたが、広島テレビのような露骨な事態には至らなかった。電力会社からCM出稿1カ月差し止めもあったという。この作品を実際に見る機会があったが、一体何が問題なのか。むしろ誠実なつくりの作品である。


こちらは関西電力が横槍を入れた。この件は、東電原発事故のあと、毎日新聞大阪本社社会部の記者が取り上げ、毎日の『記者の目』に掲載された。当ブログでも取り上げたことがあったと思う。毎日放送の幹部社員が関電の原発で研修を受けさせられたとかそんな話があった。昔なら、大熊由紀子の『核燃料』をテキストにした講義が行われたところだったかもしれない。

広島テレビ毎日放送で処分の厳しさが違ったのは、一つには広島テレビ日本テレビ系列(つまり読売系)であることと関係しているかもしれない。ついでにいうと、大阪市の平松市長は毎日放送のアナウンサー出身で、橋下徹と組んで政界進出の噂が絶えない辛坊治郎は昨年までよみうりテレビに在籍していた。


この文章を書いた金平茂紀はTBSの執行役員であり、かつて『NEWS23』を手がけた。在京キー局の幹部がこんな文章を書くようになって、時代は大きく変わったものだと思うが、金平氏にはTBS自体の原発報道についても厳しい検証を求めたい。

少なくとも、『サンデーモーニング』のレギュラーから寺島実郎を降ろすくらいのことはやってもらわなければ困ると思うのだが...