kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

電源三法交付金の電気料金負担の方が再生エネ買い取りの負担より重い

朝日(7/26)の政局面を見ていると、岡田克也マニフェスト未達成謝罪に小鳩派が噛みつく「民主党内プロレス」を面白おかしく取り上げた記事が出ているが、そんなものを読まされてもイライラするばかりだ。

「記者有論」では、朝日きっての脱原発再生可能エネルギー自然エネルギー)推進派の経済記者である小森敦司氏が、「再生可能エネルギー 負担ばかり見えるわけ」と題したコラムを書いている。経団連会長の米倉弘昌が再生エネ買取法案で電気料金が上がることを「地域経済の弱体化や国民生活への影響は計り知れない」などと批判していることを批判した記事だ。

経産省の想定では、標準家庭で10年目に月150〜200円の値上げになるが、この負担は電気料金の明細に記載されるという。なぜ記載されるかというと、事業コストに一定の利潤を加えた「総括原価」の枠外になるからだが、原発関連のコストはすべて原価に組み込まれるので、電気料金の明細書には負担額は記載されない。立命館大の大島堅一教授によると、その額は地域への交付金などで月300円はあるとのことだ。東電管内の場合、東電原発事故の賠償費用も料金明細書には記載されないままに上乗せされることになる可能性が高い。

日本の電気料金は、2010年版エネルギー白書によれば「産業用」でフランスや米国、韓国の2倍前後なのに、これまで産業界は電力業界に真剣にコスト削減を迫ったのかと小森記者は書く。小森記者が引き合いに出しているのは原発推進国家ばかりだし、電力会社は原発関連の安全対策のコストを削りまくって東電原発事故を招いたのだから、コスト削減圧力は必ずしも良い結果をもたらさないなど、小森記者の立論には突っ込みどころがあるとはいえ、基本的には正論だろう。

話はそれるが、中国版新幹線の事故を産経新聞が大喜びしているようだが、あの事故とそのひどい処理方法を報じるニュースを見て私が直ちに思い出したのは、東電原発事故の原因究明も停止中の原発の安全性確認もろくろく行われない状況で「安全宣言」を出して玄海原発再稼働を認めようとした海江田万里だった。また、2005年のJR西日本福知山線の事故も思い出した。

小森記者は、制度を骨抜きにしてはならない、たばこ一箱代ほどの「小」負担を覚悟しよう、と記事を結んでいるが、小森記者は喫煙者なんだろうなとふと思った。

ところで、再生エネ買取法案の骨抜き作業は現に行われている。飯田哲也氏のTwitterより。


http://twitter.com/#!/iidatetsunari/status/94230335423909889

再生可能エネルギー法案で進むトンデモ野合の噂】海江田大臣が7/7に参議院予算委員会で「電気料金への負課金の上限は0.5円/kWhとする」と回答。この線で経産委員会の後藤齊主筆頭理事と西村康稔自民筆頭理事(@nishy03)が修正協議との噂を某官僚から聞きました。本当ですか?
7月22日 TweetDeckから

また海江田万里か。また西村康稔通産省OBにして安倍晋三の側近)か。


http://twitter.com/#!/iidatetsunari/status/94230528793903104

再生可能エネルギー法案で進むトンデモ野合の噂】(続き)しかし化石燃料は、現状の燃料調整費制度で1.5倍の高騰まで消費者が負担(=7円/kWh)が認められ、すでにこの春から4ヶ月で1円/kW時以上も上がっています。これは国富の海外流出ですよね?西村さん(@nishy03)
7月22日 TweetDeckから


http://twitter.com/#!/iidatetsunari/status/95313623504793600

民主・安住氏、再生エネ法修正に前向き 企業支援を示唆(朝日新聞7月24日)上乗せ価格に上限を設ける「再エネ潰し」に動いた政治家はしっかり覚えておこう http://t.co/PyrePLQ #genpatsu
22時間前 Tweet Buttonから


リンクされている朝日新聞記事は下記。
http://www.asahi.com/politics/update/0724/TKY201107240385.html

民主・安住氏、再生エネ法修正に前向き 企業支援を示唆


 民主党安住淳国会対策委員長は24日のNHKの番組で、太陽光や風力などで発電した電気の買い取りを電力会社に義務づける再生可能エネルギー特別措置法案について「価格面で高い負担をさせない仕組みにすれば方向性が見えてくるのでは」と、法案修正に前向きな考えを示した。

 安住氏は第三者機関による買い取り価格決定や、電気使用量が多い企業などへの財政支援を盛り込む方針を示唆。買い取り制度導入に伴い電気料金が上がれば、国民生活や企業活動に悪影響を与えると主張している自民党などに配慮したものだ。そのうえで安住氏は8月上旬にも衆院を通過させ、参院に送りたい意向を示した。同法案成立は菅直人首相の辞任3条件の一つ。

asahi.com 2011年7月24日20時34分)

また安住淳か。


民主党自民党の政治家たちは、総力を挙げて原発を守りたいらしい。全員で甘利明が作った「原発を守る議連」(正式名称は忘れた)に参加したらどうだ。