放射線の被曝に関する児玉龍彦氏の主張が話題になっているらしい*1。
この人と金子勝氏の共著は、2004年に出た岩波新書は未読だが、昨年出出版された下記の本を読んだ。

- 作者: 金子勝,児玉龍彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/06/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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当ブログでは、この本に触れた金子勝氏のブログ記事を引用して、昨年夏に下記記事を書いていた。
小泉・竹中「構造改革」を呼び込んでしまった小沢・鳩山・菅「民主党トロイカ」の「政治改革」 - kojitakenの日記
「構造改革」論が問題なのは、「風が吹けば桶屋がもうかる」式の「論理」に基づいています。たとえば、規制緩和を行えば、イノベーション(技術革新)が起きたり、新しい成長産業が生まれたりするというのは本当でしょうか。
たしかに古い規制が邪魔をしてイノベーションが起こりにくくなっている分野もあります。電力(とくに発電)がその典型です。しかし、おおむね日本の安っぽい規制緩和論者はそういうことは触れたがりません。だって電力は財界の中枢ですからね。こういう連中は「日本の環境技術は世界一だ」とか「乾いた雑巾だ」とか言って、自ら「抵抗勢力」となっているのですね。
金子勝氏の主張には概ね同意だが、金子氏が後半で触れている環境・エネルギー問題は、政治について語るブログで扱っても特に読者からの反応が鈍く、不人気を極めるエントリになる。電力会社や電機会社の経営者や労組は、日本経済のガンと言っても過言ではない。自民党政権には経団連から圧力がかかり、民主党政権には御用労組から圧力がかかる。だから、民主党は「第二自民党」になるのだ。
真に政治を変えるのであれば、自民党は経団連、民主党は御用労組の影響をそれぞれ脱さなければならないが、彼らにはそれができない。
上記の意味で、環境・エネルギー問題は、日本の政治を語る上で特に重要な論点だと思うのだが、この問題に対する人々の関心が低いことは、本当に頭が痛い。その一方で、小沢一郎を取り上げるとブログのアクセス数が急増する。
またまた小沢信者批判になるが、大多数の小沢信者は「環境・エネルギー政策」の議論には何の関心も持っていなかったのだった。それが、東電原発事故が起きると、にわか「脱原発」論者と化し、今では、「即時全原発停止を唱えない論者は原発容認派だ」などと暴言を吐いている。
いい加減にしてほしいものだ。