kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

吉田秀和死去

http://www.asahi.com/obituaries/update/0527/TKY201205270083.html

音楽評論家の吉田秀和さん死去 98歳


 音楽評論家で文化勲章受章者の吉田秀和さんが22日、死去した。98歳だった。

朝日新聞デジタル 2012年5月27日11時29分)


あるきっかけで吉田秀和のことを思い出し、ネット検索をかけたところ思いがけず訃報に接した。22日死去とのことだから、あれっ、ニュースを見落としていたのかと思ったが、「朝日新聞デジタル」のタイムスタンプを見ると、今日(27日)の11時29分となっている。

加藤周一と親しかったことでも知られる吉田氏は、加藤氏同様、亡くなるまで現役を続けた人だった。これぞ「大往生」と言うべきだろう。故人のご冥福をお祈りする。

蛇足だが、かつて「朝日新聞に残された良いところは、加藤周一吉田秀和の文章を読めることだけだ」と言った人がいた。ご両人とも世を去られた今、朝日新聞にはいったい何が残っているだろうか。


[追記]
江川紹子氏のTwitter経由で知ったが、「すばる」編集部のTwitterによると、吉田氏死去の数日前に原稿を受け取ったそうだ。
https://twitter.com/#!/subaru_henshubu/status/206614861118050305

吉田秀和さんの訃報が。亡くなる数日前にいただいた原稿が手元に。きちんとした形で最後の原稿を掲載したいと思います。吉田先生、本当にありがとうございました。ご冥福をお祈りします。先生が大好きでした。


私が吉田氏の生前最後に強い印象を受けた氏の文章は、図書館で読んだ、『レコード芸術』2011年12月号掲載の、東日本大震災を踏まえてマーラーの『復活』のDVD(リッカルド・シャイー指揮)について書かれた評論だった。下記「はてなダイアリー」記事に、

吉田秀和さんの『レコード芸術』12月号のシャイー/ゲヴァントハウスのマーラー《復活》のDVD評はとても迫力があった。

と書かれているが、私も同感だった。
ちゃんこ鍋 - Weisse falsche Bewegung


個人的に、東日本大震災から半年が経由した昨年9月11日に、マーラーの『復活』を再発見したいきさつがあったので(下記記事に書いた)、余計に印象に残り、98歳にしてここまで気力と感性を保っていられるとはと舌を巻いたものだ。私自身はもうこの長大な音楽を通して聴く気力も失いつつあったというのに!
マーラー作曲・交響曲第2番『復活』より第4楽章『原光』(「巡音ルカ」版) - kojitakenの日記