kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

『三丁目の夕日』に心酔する「野ダメ」は安倍晋三を思い出させるが

またかよ。


http://www.asahi.com/politics/update/0727/TKY201207270549.html

消費増税で「三丁目の夕日」再来? 首相、理想を力説


 「『三丁目の夕日』の時代は、今日より明日がよくなると皆思っていた。そういう時代をつくりたい」。野田佳彦首相は27日の参院消費増税関連特別委員会で、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」を引き合いに、自らが理想とする時代について力説した。

 首相が国会答弁や講演でたびたび持ち出す「三丁目の夕日」の舞台は、1957年生まれの首相の幼少期と同じころ。講演では「私は(映画に出演している)薬師丸ひろ子から堀北真希までストライクゾーンが広い」と笑わせ、「ツケを将来に残しておいて、今日より明日がよくなるとは思えない」と、消費増税の必要性をさりげなく説く。

 ただ、こうした首相の発言については「美化された思い出で情緒的にしか語らない。政治家のビジョンとしては具体性がない」(エコノミスト飯田泰之・駒沢大准教授)という指摘もある。(三輪さち子)


朝日新聞デジタル 2012年7月28日6時50分)


ALWAYS 三丁目の夕日 - Wikipedia より。

安倍晋三(第90代内閣総理大臣)著『美しい国へ』(文藝春秋)の中で、「映画『三丁目の夕日』が描いたもの」として、本作品が書かれている。


どうして安倍晋三だの「野ダメ」だのといった保守反動政治家が『三丁目の夕日』を持ち上げるのか、そこには何らかのイデオロギー的契機があるのではないかと思ってネット検索をかけてみたところ、右翼の人が書いたと思われるこんな記事が見つかった。


エセ保守 捏造ノスタルジーの映画『ALWAYS 三丁目の夕日』について | 日本の面影

エセ保守 捏造ノスタルジーの映画『ALWAYS 三丁目の夕日』について


昭和ノスタルジーがテーマの『ALWAYS 三丁目の夕日』という映画、名前ぐらい聞いたことある方多いでしょう。
一作目がまあまあいいなと思って、2作目も私は見ましたが、2作目は殆ど内容すら覚えていない。二つともDVD。
そして、およそ10年ぶりくらいの映画館になったと思いますが、『ALWAYS 三丁目の夕日'64』というのを見てきました。


1作目は昭和32年頃の設定、この“64”の方は昭和39年の設定。
完璧と思える当時の街・家屋の風景をCGで再現し、初公開時は大変な話題となり大ヒットしてます。
しかし、その内容、今回の“64”を見てハッキリわかったが、日の丸とかいっぱい出てきて一見、保守層が喜びそうな風に作られているが、巧妙な偽装保守・エセ保守的な映画だと思えばいい。


この映画は主に、小説家崩れで駄菓子屋を営む東大卒の男(吉岡秀隆)と、自動車修理業を営む男(堤真一)一家のお話。
街の様子、テレビの登場やオリンピック開催が出てくる場面など、一見、ノスタルジックで「昔はよかった」的なイメージを醸し出そうとしてるかに見えますが、自動車修理工場に入ってくる従業員が何と女(堀北真希)。
町の自動車修理工場に技術者として若い女が就職してくること自体、冷静に考えれば大変な違和感あるし、さらに今回の“64”でその女は自らアプローチした医者の男と結婚するわけですが、結婚しても女は自動車修理工場を辞めず、工場社長 堤の妻(薬師丸ひろ子)が「これからはそういう時代よ」なんて言っていて、これって完全にフェミ推進のプロパガンダ映画じゃん、ってことがハッキリわかりました。昭和39年にそんなこと普通の人は絶対言わねえよ。


それ以外にも、駄菓子屋の男(吉岡)とくっつくのが子持ち女(小雪)で、しかもその子も実は小雪の子ではない。そして実の子でもないのに吉岡のその子への入れ込みようが半端でなく、不自然極まりないです。
同じく、自動車修理工場の堤へ、女子従業員にすぎない堀北との結婚を医者が申し込むわけですが、父親でもないのに堤の堀北への入れ込みよう、これもオーバーすぎて極めて滑稽。


大家族はもちろん、血のつながった正常な家族があまり出てこず、いわばゴチャ混ぜ友愛の“家族ゴッコ”に近いものばかり。
加えて堀北の結婚相手の医者が貧しい人を救うため無料診療やっていて、そのせいで何度か病院をクビにされたことあるとか、さりげなく「弱者を救え」の左翼イデオロギーを織り込んでたり、いやらしいところも感じられます。


何かとオーバーアクションで大げさなストーリー展開が私には見るに耐えません。こういうオーバーでちょっと喜劇的でもある展開って、恐らく“寅さん”辺りから目立って持ち込まれだしたのではないかと思うのですが、“寅さん”も最近改めて見てみたのですが、街の風景は確かにあの当時のままで懐かしいけど、あんなオーバーな展開、あたかも“寅さん”を中心に世界が回ってるかのような演出は現実感が全くなく、こんなの見てたらきっとバカになってしまうだろうなってことで、きっとオモテ向きには保守風な人情を打ち出してる“寅さん”シリーズ、あの当時の年配層をバカにするためのものだったんだろうって、最近は思ってます。“寅さん”映画も、“結婚”とかでなく、地に足つかない中年オヤジのバカバカしい恋がテーマでしたよね。


三丁目の夕日』、原作は保守崩れの腐れ出版社 小学館の『ビッグコミックオリジナル』に掲載されている漫画。制作には赤い保守 読売の他、もちろん反日左翼マスコミの司令塔 電通だって強力に入り込んでいる。
監督は『宇宙戦艦ヤマト』を“女”を前面に打ち出して実写再現・演出した山崎貴
この『ALWAYS 三丁目の夕日』もフェミの影が強くチラついてるし、プロデューサーも監督も知ってか知らずか、奴ら左翼に翻弄されて作ってるんでしょう。


こんな映画を見たら、町の風景は確かにあの通りだけど、何も知らない若い人だと、当時の人々がああだったのかって勘違いするし、完全にダマされますよ! 要するに巧妙に捏造された昭和ノスタルジーの左翼プロパガンダ工作映画と思えばいい。あるいは保守やノスタルジーを食い物にしてるだけの単なる商業主義映画とも言える。


これを見たことで、もう今の映画は変なイデオロギーのスリ込みばっかりで完全にダメなんだということがハッキリわかりました。私はもはや新作の映画館とは決別宣言します。やっぱり古い映画と昔のテレビ番組だけDVDで見てれば、もうあとは要りませんね。


こんな映画を見て、「すごくイー、イー」って言ってる人たちって、もう完全に奴らに操られてるって感じ。こんなのじゃなく、ぜひ本当に当時作られた古い映画を見てみてくださいね。古い映画を見てない、知らない、だからこんな風にみんなバカになって奴ら腐れマスコミにやられっぱなしなんですよ。


この“三丁目の夕日”シリーズを見るくらいなら、まだ、お台場にある昭和期の商店街を再現した「台場一丁目商店街」にでも行った方がずっといいし、映画なら本当に昭和20〜30年代にでも作られたファミリーもので未来を予見させるところが散見できる、商業主義に毒されておらずオーバーアクションもない小津安二郎 映画とか見た方が断然いいですからね。


笑ってしまった。内容にはもちろん賛成できない部分が多いが、このくらい気のきいた文章ならストレス解消にもなるし、安倍晋三だの「野ダメ」だのをdisってるようなものだと思えば、痛快さも増そうというものだ。