kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

岩見隆夫死去

http://mainichi.jp/select/news/20140119k0000m040008000c.html

訃報:岩見隆夫さん死去=毎日新聞社特別顧問「近聞遠見」


 毎日新聞社特別顧問の岩見隆夫(いわみ・たかお)さんが18日、肺炎のため東京都新宿区の病院で死去した。78歳。葬儀は近親者のみで営む。後日、お別れの会を開く。自宅は静岡県熱海市網代549の19。喪主は妻雅子(まさこ)さん。

 旧満州生まれ。終戦で引き揚げ山口県に。1958年京都大法学部卒。同年毎日新聞社入社。政治部副部長、論説委員サンデー毎日編集長、編集局次長、特別編集委員などを歴任した。

 89年9月から昨年12月まで、朝刊コラム「近聞遠見」を執筆。同コラムと昭和天皇の政治との関わりを浮き彫りにした連載「新編・戦後政治」の努力が評価され、92年に日本記者クラブ賞を受賞した。政治ジャーナリストとしてテレビなどでも活躍した。

 昨年6月、週刊「サンデー毎日」のコラム「サンデー時評」で、肝臓がんであることを明らかにし、新宿区の病院で治療を続けていた。サンデー時評は死去の直前まで続けた。主な著書に「昭和の妖怪 岸信介」「総理の娘」「陛下の御質問」「角さんの鼻歌が聞こえる」など。

毎日新聞 2014年01月18日 18時06分(最終更新 01月18日 21時46分)


私の子ども時代(小学生4年生〜高校1年生の頃)、家で毎日新聞をとっていたが、当時の岩見隆夫はスタンスがやや曖昧ながらもリベラル寄りの記者だった。その後毎日新聞とはご無沙汰していたが、2006年にブログを開設した後のある日、ふと気付いたら岩見は頑迷固陋な保守オヤジになっていて、かつてからのあまりの変わりように驚いたものだ。

昨年だったか一昨年だったか、やはりかつてのリベラル系から今では保守派に転向した田原総一朗(元東京12チャンネル)の著書を立ち読みしていたら、岩見を改憲派に転向させたのは小沢一郎だったと書かれていた。ここにも早期の「小沢信者」がいたわけだ。

ただ、最晩年の岩見は少しだけ良いことをした。昨年、安倍政権が強行採決で可決させた特定秘密保護法に岩見は反対したと聞いている。毎日新聞が社を挙げて同法に反対した論陣に、岩見も加わっていたというのだ。岸井成格にも感じることだが、彼くらいの年代の記者になると、1972年の「西山事件」の印象が生涯忘れられなかったのだろうと想像する。その毎日にあって特定秘密保護法に賛成の論陣を張ったのが、現在話題沸騰中の「小泉純一郎の『脱原発』論」を「スクープ」したという山田孝男だそうだ。

訃報に接して、昨年暮れに聞いた上記の件を思い出した。故人の冥福を祈りたい。そうそう、一昨年に読んだ岩見の下記著書をリンクしておく。岩見が改憲派に転向する前の、1979年の著作である。岩見は当初岸信介に敵対的なスタンスで書き始めたのが、次第に岸に魅了されていったらしい。かぶれやすい人だったのかもしれない。