kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

元毎日新聞記者の西山太吉さん死去 91歳 沖縄返還密約追及(毎日)

 先程帰宅してブログのアクセス解析を見たら夜になってアクセス数が増えていた。しかしどっかのツイートからリンクされているわけでも記事に多数のはてなブックマークがついているわけでもないし何故だろうと思ってYahoo! JAPANを開いたら、毎日新聞西山太吉元記者の訃報に接した。ああ、それでアクセス数が増えたのかもしれないと思って再度アクセス解析をよく見てみると、11年前の2012年2月12日に公開した下記記事が多く参照されていた。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 はてなブックマークどころかはてなスターさえ1件ももらっていない上記リンクの記事がよくネット検索に引っかかったもんだと驚いている。

 昨年(2022年)で「西山事件」こと外務省機密漏洩事件が起きてまる半世紀が経った。そして弊ブログが上記記事を公開した2012年2月には、TBSで日曜夜に西山事件をモデルにした山崎豊子の小説『運命の人』を原作とした同名のテレビドラマが放送されていた。当時の記憶で鮮烈なのは、ドラマが放送されている時間帯になるとブログのアクセス数が跳ね上がったことで、1時間で2000件とかそんな日もあったように記憶する。だから図に乗って日曜日夜になる度にドラマに合わせてブログ記事を公開したものだ。

 当時『サンデー毎日』にドラマでナベツネ渡邉恒雄)が悪役として描かれているばかりか内容も事実無根のことばかりだと抗議した寄稿が載った。当該の週刊誌をスキャナーで「自炊」したので、私のPCでは今でも現物の画像データを見ることができる。

 ドラマが放送された翌年の2013年に山崎豊子は死去した。そしてその10年後の今年、西山元記者も世を去った。ナベツネはまだ生きているが。

 訃報記事は当然ながら毎日新聞記事を引用する。

 

mainichi.jp

 

毎日新聞記者の西山太吉さん死去 91歳 沖縄返還密約追及

毎日新聞 2023/2/25 20:16(最終更新 2/25 20:17) 

 

 沖縄返還交渉に伴う密約文書を入手、報道し国家公務員法違反に問われながらも、情報公開請求訴訟などを通じて密約問題の追及を続けた元毎日新聞政治部記者、西山太吉(にしやま・たきち)さんが24日、心不全のため死去した。91歳。葬儀は近親者のみで営む。喪主は長男正人(まさと)さん。

 

 山口県下関市出身。慶応大大学院修了後の1956年、毎日新聞社に入社。外務省を担当していた71年、沖縄返還に伴い米国が支払うべき軍用地原状回復補償費400万ドルを、日本が肩代わりする密約を記した電信文を同省の女性事務官から入手、報道した。更に横路孝弘社会党衆院議員(故人)に懇願され、電信文を提供。横路氏が衆院予算委員会で電信文を暴露したことから72年4月、事務官と共に国家公務員法違反で逮捕、起訴された。

 

 74年の1審・東京地裁判決は無罪(事務官は懲役6月、執行猶予1年の判決を受け、控訴せず確定)だったが、76年の2審・東京高裁判決は懲役4月、執行猶予1年の逆転有罪となり、78年に最高裁で確定した。1審判決後に毎日新聞社を退社し、北九州市で実家の青果会社に勤務した。

 

 2000年前後から密約を裏付ける米公文書の公開が相次いだのを機に09年、密約文書の開示を国に求めて提訴。1審・東京地裁判決は訴えを全面的に認めたが、2審・東京高裁判決は「文書は不存在」との国側の主張を追認し、請求を棄却した。14年7月の最高裁の上告棄却で不開示が確定したが、密約の存在自体は1、2審とも認定した。

 

 晩年は裁判とともに情報公開制度の確立を求める執筆、講演活動に励んだ。著書に「沖縄密約」「西山太吉 最後の告白」など。

 

出典:https://mainichi.jp/articles/20230225/k00/00m/040/290000c

 

 記事についたはてなブックマークのコメントで呆れたのは、半世紀経っても「ひそかに情を通じ」かよ、と悪態をつきたくなるブコメが上位に並んでいることだ。半世紀経っても何の進歩もないとは開いた口が塞がらない。

 私が「はてなスター」を進呈したのは下記のブコメ

 

元毎日新聞記者の西山太吉さん死去 91歳 沖縄返還密約追及 | 毎日新聞

賛否両論があるので一面だけを見て西山太吉さんを貶める人達は本質が見えてないと馬鹿にされるから慎重に言葉を選んだ方が良いよね。それは毎日新聞社も同じ。

2023/02/25 21:45

b.hatena.ne.jp

 

 1972年に私の家でとっていた新聞は毎日新聞だった。その後極右化することになる亡父は毎日新聞が展開した「知る権利」キャンペーンに対して強く否定的だったが、私は子ども心に「取材方法に問題があったら沖縄密約がなかったことになるんだろうか」と不思議でならなかった。

 そんな私が新聞のデジタル版としては初めて毎日新聞のスタンダード・コースを契約したその月に西山元記者の訃報に接するとは、何かの因縁だろうか。

 なお弊ブログの過去の記事では、下記の2件も多く参照されている。

 

kojitaken.hatenablog.com

 

kojitaken.hatenablog.com

 

 テレビドラマでは松たか子が西山元記者の妻の役を好演していた。正直言ってこのドラマを見る前までは私はこの俳優さんに好感を持っていなかったが、その印象が一変したものだ。

 そのモデルになった西山啓子さんの死から今年でもう10年にもなるのだった。