kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

底なし沼? ドス黒い様相を呈し始めた「『STAP細胞』研究不正事件」

笹井芳樹の自殺の件、ネットに陰謀論があふれ返っている。リチャード・コシミズが煽動しているのはいつもの通り。

http://richardkoshimizu.at.webry.info/201408/article_23.html

笹井さんが亡くなれば、

1.STAP細胞の検証ができなくなる。

2.小保方さんに「危険」と思わせ、これ以上の追求を躊躇させる効果がある。

3.金融ユダヤ人は強欲で何もかも独り占めせんとし、手段を選ばない。

4.STAP細胞は、実現すれば、人類の福音となる偉大な技術である。

5.よって、金融ユダヤ人がなんとしても独占し、場合によっては封印したい技術である。

結論:金融ユダヤ人は人類の敵である。

これでまちがいないでしょうか?

だが、これに呼応する「小沢信者」のブログはほとんどない。かつてなら飛びついたであろうヘンリー・オーツは、現在若山照彦の本拠地・山梨に隠棲して、相変わらずロスチャイルドがどうだとかフリーエネルギーがどうだとかほざいているようだが、「『STAP細胞』研究不正事件」には首を突っ込んでいない。

また、「きっこ」のTwitterを久々に覗いてみたが、笹井芳樹の自殺が報じられた時に、マスコミのサイトにリンクを張ってコピペしたものが1件あるだけだった。

私は笹井芳樹の死が「自殺」だったことは疑っていないが、気になるのは、笹井氏が小保方晴子に宛てたとされる「遺書」の件をはじめ、なぜかマスコミが伝えていない(ように見える)いくつかの点だ。

まず、笹井芳樹の推定死亡時刻。前夜、笹井氏は帰宅して、深夜に首を吊ったのか。それとも、5日朝に出勤して早々の自殺だったのか。下記朝日新聞記事によると、それも「わからない」らしい。

http://www.asahi.com/articles/ASG853JY8G85PTIL00Q.html

笹井氏死亡、理研に再び衝撃 「毎日出勤していた」

 STAP細胞論文をめぐる問題の渦中にいた理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹・副センター長が5日、首をつっているのが見つかり、死亡が確認された。論文問題で揺れ続けた理研に、改めて大きな衝撃が走った。

 兵庫県警によると、午前8時40分、先端医療センターの関係者が、笹井氏が首をつっているのを発見し、午前9時2分に「男性が首をつっている」との110番通報があった。午前9時46分に神戸市立医療センター中央市民病院に搬送されたが、午前11時3分に死亡が確認された。

 5日正午ごろ、CDBの斎藤茂和・副センター長が神戸市中央区のCDB玄関ホールで集まった報道陣に対応した。

 斎藤氏は「笹井さんは毎日出勤していた。先週会ったとき、少し落ち込んでいる様子だった。このようなことになるとは予想もしなかった。残念で、残念で、たまらない」と沈痛な表情で語った。

 斎藤氏によると、5日午前9時前、CDBに隣接する先端医療センター研究棟の階段の踊り場で、自殺をはかったとみられる笹井氏を職員が見つけた。笹井氏の研究室はこの研究棟の2階にあり、職員約30人が働いていた。笹井氏が4日に帰宅したかについては「分からない」と述べた。5日朝に笹井氏と会った人がいるかどうかは確認されていないという。

 STAP細胞問題の中間報告への影響については、「理研としては淡々とやりたいが、すべてはこれからの問題です」と語った。

 かつて笹井氏の研究室に2年半在籍した研究者の一人は「実験から論文の執筆まで、研究室のメンバーに対してものすごく目が行き届いたこまやかな人だった」と振り返った。

 神戸市の久元喜造市長は「本日、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター副センター長の笹井芳樹様の訃報(ふほう)に接し、あまりに突然のことで驚きを禁じえません。これまで神戸医療産業都市の発展に多大な貢献を頂くとともに、著しい研究業績を上げられていただけに残念でなりません。今はただ笹井様に心より哀悼の意を表します」とのコメントを出した。

朝日新聞デジタル 2014年8月5日13時35分)

それならば、警察(兵庫県警)が笹井氏の死亡推定時刻を発表したのかとネット検索で調べようとしても、下記のような愚かしい陰謀論ブログ記事ばかりが引っかかって何もわからない。

http://1tamachan.blog31.fc2.com/blog-entry-10445.html(2014年8月8日)より

なんと、笹井氏が、変死体として警備員に見つかったのは8月5日火曜日の午前8時40分であったが、実は、WIKIPEDIAでは、その前日、8月4日(月曜日)の18時18分(午後6時18分)に、もう笹井氏が死亡したということで編集されている!
https://twitter.com/beni_beni/status/496465139533479936

笹井センター長が亡くなった…?ニュースは見つからなかったけどwikiがもう編集されてる
18:18 - 2014年8月4日


(小野寺注)このツイッターの書き込みは、死体発見前日の8月4日月曜日の午後6時18分である。この時点では、まだ、どこもニュースにはなっていないが
おそらく、笹井氏は、この時点で、死亡していたのではないか?
それを知っている連中がいて、その情報が、口コミかネットかで流出していたのではないか?それで「笹井センター長が亡くなった…?」と書かれて、検索してみたがどこにも
ニュースは見つからなかったが、すでにWIKIPEDIAでは、WIKIの更新担当がいち早く、笹井氏が死亡したことを書き込んでいたと思われる。
(あとで、WIKIは、編集されているが、編集履歴を見れる)

どうやら小野寺光一とかいう人間のメルマガを転載したものらしいが、Twitterのタイムスタンプは、私はやってないから詳しくないのだが、デフォルトがグリニッジ標準時だったりアメリカ西海岸時間だったりするらしく、人によってタイムスタンプがまちまちなのだ。私が見る限り、日本時間に設定している人の方が少ないように思われる。おそらく、beni_beniという人のTwitterアメリカ西海岸時間に設定されていたのではないか。そう仮定すると、上記は日本時間8月5日午前10時18分に発信されたことになる。フジテレビが「笹井氏死亡」と先走って報じたのは午前10時だったらしいから、辻褄が合う。つまり、小野寺光一だの「タマちゃん」だのの陰謀論はあっけなく破綻するのである。

この手の程度の低い陰謀論によって、求めている情報が得られないことには苛立つが、結局笹井芳樹が何時頃首を吊ったのかということもわからずじまいだった。どうやら5日朝に首を吊ったらしいようではあるが、裏付けはとれていない。

さらに、「遺書」のリークへの不信感はどうしても拭えないが、これも疑問に答えるマスコミ報道は何一つない。以下、「弁護士ドットコム トピックス」より。

「遺書」は誰のもの? 小保方さんにあてられた「笹井氏の言葉」は公表されるのか - 弁護士ドットコム

「遺書」は誰のもの? 小保方さんにあてられた「笹井氏の言葉」は公表されるのか

STAP細胞」論文の共同著者だった理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長が8月5日午前、神戸市内で死亡した。理研によると、研究メンバーらにあてた遺書が複数見つかっているという。

5日午後の理研広報室長の記者会見では、「遺書の内容は公表されるのか?」という質問が報道陣からあがった。理研広報は6日、弁護士ドットコムの取材に対して、「笹井氏の遺族の意向により、理研からは遺書を公表しないと決めた」と話した。

だが、そもそも遺書は、誰のものなのだろうか。笹井氏は、小保方晴子ユニットリーダーにあてた遺書を残したとされているが、それは小保方リーダーのものではないのだろうか。残された遺書を公表するかどうか、決める権利は誰にあるのだろうか。齋藤裕弁護士に聞いた。

●遺書を公表できるのは誰なのか?

「小保方リーダーあての遺書は、筋論としては、小保方リーダーが取得すべきものでしょう。しかし、法的にはご遺族(相続人)のものとなると思われます。まだ、発送されていない状態の手紙だからです」

齋藤弁護士はこう述べた。法的に遺族のものになるということは、遺書の中身を公表するかどうかも、遺族が決めることになるのだろうか。

「ご遺族にも、中身を公表するかどうか決定する権利までは、認められないと思います。情報を公表することは、原則として自由だからです」

●「敬愛追慕の情」は尊重される

では、他の人が勝手に公表しても良いということだろうか。

「他人が勝手に遺書を公表した場合、『敬愛追慕の情』が侵害されたことを理由に、損害賠償の問題になることがあります。笹井氏に対してご遺族が抱く『敬愛追慕の情』は、法律的に尊重されるからです」

たしかに、遺書を勝手に公表されたら、「故人に対する思いを傷つけられた」と感じる人もいるだろう。

「遺族の『敬愛追慕の情』が侵害されたとして、損害賠償を認めた裁判例は、東京高裁昭和54年3月14日判決など、多数あります」

すると、今回の理研の対応は・・・?

齋藤弁護士は「理研が笹井氏のご遺族の意向を尊重して、遺書を公表するかどうかを決定しているとしたら、それはご遺族の『敬愛追慕の情』を尊重した措置であり、妥当だと思います」と話していた。

(弁護士ドットコム トピックス 2014年08月07日 20時01分)

しかし、現実には小保方晴子に宛てたとされる笹井芳樹の「遺書」の内容が、全文ではなく報道各社がまちまちに「つまみ食い」した思わせぶりな形で公表されている。兵庫県警及びマスコミ各社は、笹井氏の「遺族の『敬愛追慕の情』を尊重した措置」を全くとっていないのである。

この件に関しては、金子勝Twitterで憤っている。
https://twitter.com/masaru_kaneko/status/497455998617915392

笹井氏の遺書が公開もされず、また笹井氏がなぜ自殺に追い込まれたかの深い追及もないまま、小保方さんに「あなたが悪いのではない」と書かれていたというメディア報道だけが1人歩き。メディアとつるんだ下村・山本両大臣と文科省の責任逃れが進む。 http://goo.gl/7N7Cwr

小保方晴子にとってあまりにも都合の良い笹井氏の「遺書」を、当の小保方に届く前にマスコミが報じるさまは、どう考えても異常だ。メディアは安倍政権と癒着していると批判されても仕方あるまい。

ところで遺族といえば、笹井芳樹には妻子がいると聞いているが、おそらく単身赴任だったと想像される。しかし、個人情報保護法の関係からだろうと思うが、笹井芳樹が死の直前まで住んでいた家や妻子についての情報は報じられていない。

それで思い出されるのは、2006年のライブドア事件に絡んで沖縄で自殺した故野口英昭氏の妻と、前述の「きっこ」がメールのやりとりを行い、それをウェブ日記(当時存在した「さるさる日記」)に公開したことだ。野口氏の妻は、夫の「自殺」に納得せず、きっこや他の有名ブロガーが「他殺説」をブチ上げたが、きっこと野口氏の妻とのやりとりは、どうやら尻すぼみで終わったようだ。のちにこの件を取材した佐野眞一によると、他殺説を裏付けるような材料は何も見つからず、野口氏はおそらく自殺であり、何かがあったとしてもせいぜい「自殺教唆」くらいだっただろうと書いている。

ライブドア事件が騒がれていた当時、ライブドア投資事業組合にからんで、当時小泉内閣官房長官だった安倍晋三ベンチャー企業の起業家とのつながりがいろいろと取り沙汰されたものである。当時投資事業組合に関係した政治家として、安倍晋三の名前が挙げられた(2006年2月12日放送のNHKの『日曜討論』で、当時民主党幹事長だった鳩山由紀夫は、ライブドア投資事業組合に関係した自民党の政治家として「安倍官房長官」の名前を挙げた)が、その直後に起きた永田寿康の「偽メール事件」によって、民主党ライブドア事件追及はあっけなく頓挫してしまったのである*1

今回の件にもベンチャー企業に絡んだ疑惑がある。それについて金子勝がつぶやいている。
https://twitter.com/masaru_kaneko/status/496644662556254210

【闇の中へ2】STAP細胞事件の背後にあったのは、理研のiPS細胞への嫉妬、早稲田の「セルシードストックオプション4億円疑惑、そして、何より下村文科大臣、山本一太科学技術担当大臣の「特定研究法人」のためのキャンペーンであった。 http://goo.gl/ISrKDd

こんなのもあった。

http://matome.naver.jp/odai/2140729669493624701

何やら、大学発ベンチャーに絡む話らしく、それには大和雅之と岡野光夫が関与しているらしい。しかし、大和雅之は「STAP細胞」の捏造疑惑が最初に報じられた今年2月に脳梗塞で入院し、以後の消息は何もわからない。2月5日にTwitter

博多行きの電車乗ったなう。

と書いた後消息を絶ち、脳梗塞で入院と伝えられたあと、Twitterがいったん復活したあと削除されたりして、どうやら生きているらしいとは言われている。

小保方晴子がこの「セルシード」を使った実験の論文を2011年に書いているとのこと。

この件は、いかにも「ベンチャー企業とコネクションを持つ」安倍晋三とつながりそうな話であって、2006年の「きっこ」であれば、真っ先に飛びついたであろうと思われるが、今の「きっこ」はかつての「きっこ」ではない。

「『STAP細胞』研究不正事件」は、笹井芳樹の死をきっかけに、何やら、底なし沼の陰惨な様相を示してきた。何度も書くが、2006年のライブドア事件当時とは比べものにならないマスコミ報道の歯切れの悪さに歯噛みする今日この頃なのである。

*1:3年後に永田寿康は自殺したが、そのことも今回の笹井芳樹の自殺を連想させる。