kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

読売、お前が言うな「朝日への『攻撃』ネット上でも激化…家族も対象」

マッチポンプとはこのことか。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20141003-OYT1T50010.html

朝日への「攻撃」ネット上でも激化…家族も対象

 いわゆる従軍慰安婦問題を巡り、今年8月に取り消された記事を執筆した元朝日新聞記者の勤務先の大学が脅迫を受けていたことが発覚したが、インターネット上でも朝日への「攻撃」が激しさを増している。

 元記者個人だけでなく、家族への書き込みもみられ、専門家らは「朝日への批判があっても、元記者個人やその周辺に対する脅迫的行為は決して許されない」と警鐘を鳴らす。

 <すべての日本人に汚名を着せた>

 <一家皆殺しでいい>

 <追いつめる>

 「2ちゃんねる」などのネット掲示板ツイッターなどには、過激な文言が次々と書き込まれている。慰安婦報道にかかわった朝日の元記者の個人名や顔写真などに加え、家族とされる情報まで掲載されている。

 ネット問題に詳しい岡村久道弁護士は「今回は、慰安婦報道に関する朝日の謝罪が遅れたことが騒ぎを大きくした」とした上で、「ネットの一部の人は極論で注目を集め、匿名で『炎上』させている。写真や経歴、家族などの情報をさらすことは、プライバシーの観点から行き過ぎだ」と指摘する。

 ジャーナリストの武田徹氏は「ネット住民にとって朝日は『仮想敵』で、不祥事があればたたかれるのは当たり前。しかし主義主張の気に入らない問題があれば冷静に反論すべきであって、記者の家族らに対する攻撃は間違っている」と話している。

 警察では「殺す」といった身体に危害を加える文言があれば脅迫容疑、「学校に爆弾を仕掛けた」などの文言であれば業務妨害容疑で捜査する。警察幹部によると、手紙による脅迫文と同様に、ネット上の書き込みも脅迫罪などにあたる可能性があるという。

 ただ今回の朝日に対する書き込みでは、脅迫を示唆する文言はあるものの、脅迫行為の実行を明言したり、呼び掛けたりする直接的な文言はほとんど見られない。

 過去のサイバー捜査では、発信者を匿名化するツールが使われ、特定に時間がかかったケースがある。国内にはプロバイダーに通信履歴(ログ)の保存を義務づける法律や制度がないため、通信相手や日時といった発信者を特定する情報が消滅し、捜査が手詰まりになったケースもある。

 ネット以外でも、9月13日には、「強制連行した」とする記事を執筆した朝日の元記者が教授を務める帝塚山学院大(大阪府大阪狭山市)に脅迫文が届いた。北星学園大(札幌市厚別区)でも、従軍慰安婦報道に関わった別の元朝日記者の非常勤講師を辞めさせないと学生に危害を加える、といった内容の脅迫文書が届けられた。警察は威力業務妨害容疑で捜査を進めている。

 メディア論が専門の碓井広義・上智大教授は「過ちを犯したことに対する正当な批判はすべきだが、個人を特定し、職場に圧力をかけるなどして本人を窮地に追い込むような卑劣な行為は許されない」と話している。

(読売新聞 2014年10月03日 07時12分)


この読売の記事はネトウヨを批判しているかのように見えるが、自分たちの書いた記事がネトウヨの朝日批判の火に油を注いだ責任を頬被りしている。

昨今の朝日批判で思い出すのは、東電原発事故発生直後に、東電の社員やその家族(たとえば学校の生徒など)が嫌がらせを受けた件を思い出させる。朝日の「吉田調書」報道は、それを3年も遅れて繰り返したような代物であって、それが誤報か否かという問題より、当然自分の命を守るために逃げる権利を有していた、東電福島第一原発(1F=イチエフ。間違っても「フクイチ」ではない)で原発事故対応に従事していた東電社員を「命令違反」していたとして責めた記事のコンセプトこそ真に批判されるべきであった。

その朝日の記者が、3年前に東電の社員が不当に受けたような被害を受けているわけだが、朝日の件に関しては、加害者にはネトウヨだけでなく、安倍晋三一味、産経、それに読売も含まれるのである。彼らが繰り出した「命令違反はなかった」という視点からの朝日批判は、「東電社員は自らの命を犠牲にして原発事故対応に当たるのが当然」という主張を暗に含んでいるのであって、甘く見積もっても朝日と同罪である。

いずれ、読売の記者も「因果応報」で朝日の記者と同じような目に遭うのではないかと思う今日この頃である。

なお、記事の後半で、慰安婦問題の記事を書いた元朝日記者を帝塚山学院大学教授に雇ったことを理由として脅迫された帝塚山学院大が、元朝日記者に「辞職」してもらった(実質的には解雇にほかならない)件については、下記Twitterが核心を突いているといえるだろう。

https://twitter.com/apj/status/516862943200165888

apj
@apj

帝塚山学院大が二重の意味で愚か。アカデミックとはそのままでは無関係の新聞記者を教授採用していたというのがおかしい上に、強迫のタイミングで退職届を受理して、強迫が有効であることを世間に知らしめた。


上記Tweetで「強迫」とあるのは「脅迫」と打とうとして誤って変換したものだそうだ。

この元記者にして元帝塚山学院大学教授は清田治史だが、帝塚山学院大学は朝日の「天下り」枠だったそうだ。これは官僚が大学に天下りするのに準じたもので、朝日がエスタブリッシュメントの階級に属していることを誇示する悪しき慣例であった。だから、清田治史が記者時代にいかなる記事を書いたかに関係なく、清田の教授採用自体おかしいのだが、それ以上にもっと、そしてずっとおかしいのは、帝塚山学院大学が脅迫に易々と屈したことだ。それは、朝日の天下りを請け負っていたことよりもずっと重い罪である。