kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

毎日新聞(小国綾子記者)よ、週刊誌か『日刊ゲンダイ』みたいな選挙予想記事載せるなよ

この毎日新聞記事はいただけない。まるで週刊誌か『日刊ゲンダイ』だ。

http://mainichi.jp/select/news/20141125k0000e010192000c.html

衆院選:「今のうち」なら勝てるのか自民 議席を予測

 安倍晋三首相の衆院解散でいよいよ選挙モードに突入した。長期政権を目指した「今のうち解散」なんて言われるが、野党の選挙準備が整わない「今のうち」なら、自民党は本当に大勝できるのか。5人の専門家に議席を予測してもらった。【小国綾子】

 ◇与党 懸念は国民感情 低投票率なら有利

 ◇野党 「時間ない」むしろ協力しやすく

 231−−。長年、議席予測に携わってきた政治学者で東海大名誉教授の白鳥令さんは、自民党議席をこう予測した。今回の衆院選1票の格差是正のための「0増5減」で定数が480から475に減る。自民党が60議席以上減らし、単独過半数の238をも割り込むなんてあり得るのか。

 「自民党が大勝した2012年衆院選でも、全有権者の中で自民の得票率は小選挙区で24.67%、比例代表で15.99%。比例で自民に入れたのは全有権者の6人に1人に過ぎない」と白鳥さん。「もしも今回、共産を除く野党が295小選挙区選挙協力し、比例代表の統一名簿まで作るなら、自民は176、野党は257となります。統一名簿を作らず小選挙区だけで共産党を除く野党が選挙協力をし、関係野党票の70%を野党統一候補に集められれば、比例と小選挙区合計で自民232、民主111、維新の党53。『自民231』という予測数字は、このようなシミュレーションを基礎にしています。投票率も上がるでしょうから、野党の票は前回より増えるでしょう」

 一方、元共同通信政治記者歴20年の政治ジャーナリスト、野上忠興さんは「各党の候補者が確定していない段階での正確な予測は難しい」と前置きしつつも、全選挙区の勝敗を予想した結果、絶対安定多数(委員長ポストを独占し委員も過半数を占める)の266とほぼ同じ「267」という数字にたどりついた。「党内では260をボーダーラインとする向きがあり、それを割れば安倍首相の責任問題に発展しかねません」

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫さんは「261」。「自民党幹部は『野党に風が吹こうと吹くまいと、うちは20議席は減らすだろう』と話している。野党協力が進まなければ276、逆に協力がさらに進めば252まで減らす可能性もあります」

 同じく「野党協力が進まなければ投票率が落ち、自民党は270台」とするのは、選挙コンサルティング会社ダイアログ代表で選挙プランナーの松田馨さん。「そもそも今回の解散総選挙に多くの国民はしらけている。野党協力が失敗すれば投票率は前回を下回り戦後最低を更新するでしょう。低投票率自民党に有利」と分析する。

 年内解散の可能性を早くから指摘していた政治評論家の有馬晴海さんは「272」。「野党協力はある程度実現するが、自民の減り幅は20〜30議席程度ではないか」

 いずれにせよ、野党協力と投票率がカギを握る。野党協力の現状はどうなっているのか。

 野上さんは「埼玉では維新候補が転区や不出馬を決め、調整はほぼ完了。北海道、岩手、栃木などでも進む」と語る。鈴木さんは野党協力の立役者として、馬淵澄夫民主党選対委員長を挙げる。「馬淵さんは今年初め、『公認は小選挙区約300の半分しか出さない。残りは選挙協力に回してもいい』という方針を出した。その結果、民主党が候補を立てなかった選挙区で、予想以上に選挙協力が進んだ。また党本部主導ではなく、現場に任せたため、今回は調整が早い」と指摘する。

 例えば法相を辞任した松島みどり氏のいる東京14区。「元職の木村剛司氏が生活の党を離れ、民主党の公認を受け、野党統一候補となることで決着がついた。木村氏は『将来の野党協力のモデルに』と昨年の東京都議選でも民主党議員を応援していましたから」と鈴木さん。

 白鳥さんは「安倍首相は『野党の選挙準備が整わぬ今なら勝てる』と見誤った。実は選挙準備の遅れで民主が小選挙区の半分しか候補を決めていない現在の方が、逆に野党の選挙協力はしやすい」と指摘する。

 実際、有馬さんは複数の民主党関係者から「急な選挙でかえってラッキー」という声を聞いた。「本来なら野党協力は党本部が仕切るべきだが、時間がないことを理由に『現場に任せる』と言えた。特に野党候補が最初から1人しか立っていない選挙区ではかなり有利」と見る。

 野党の予測で目を引くのは、野上さんの民主党「119」だ。党本部の目標と言われる「100」を超え、解散時の55から倍増以上となる。「前回衆院選惜敗率が80%以上の人は、努力次第で当選の可能性がある。12年の小選挙区でこれに当たるのは民主党で27人。このうち12人は惜敗率90%以上で、1人を除き比例で復活当選している。彼らは今回、自民党の実績のない1回生議員相手にそう簡単に負けない。自民党選対関係者ですら『維新や次世代やみんなから離れた票を、比例で民主党が相当食うだろう』と見ています」

 白鳥さんの予測は「113」。「民主党の落選候補は2年間、地元で地道に選挙運動をしてきました。野党が政策内容ではなく、政策決定のシステムで連立することに合意し、柔軟かつ大胆に選挙協力に向かえば、このくらいの数字になる」と語る。

 鈴木さんは「99」と予測。「民主は最大107まで伸ばす可能性がある。維新は橋下徹共同代表の不出馬で現状維持が微妙になった」

 一方、有馬さんは「93」。「ある民主党関係者は、今回の選挙の本質を『与党VS野党ではなく自民党VS無党派』と語った。自民党の最大の敵は野党ではなく『大義がない選挙』『700億円の税金を使って忙しい師走に』という国民感情です。野党が受け皿になりえなかった場合、棄権が増えるだけかもしれない」

 松田さんは「99」。「現場で選挙協力がある程度進んでも、それを束ねる統一野党の『顔』となる人物が見当たらないので有権者には分かりにくく、大きな風は吹かない。解散・総選挙を『すべきではない』と考える層は非自民候補に投票するよりは、投票へ行かない可能性が高い」

 維新の橋下氏が出馬を見送った影響について、野上さんは「維新は全国的に支持率を大きく下げている。不出馬を決めたところで、前回のように公明から選挙協力を得るのは難しいだろう。立候補を巡る“お騒がせぶり”は、有権者の維新離れをさらに誘うのでは」と予測する。

 ◇ハードル下げた安倍首相

 安倍首相本人は議席の行方をどう見ているのか。18日夜、解散を表明した際、自公で過半数を取れなければ辞任すると表明し、あまりに低い目標設定で周囲を驚かせた。

 鈴木さんは「実は官邸が10月下旬、独自に世論調査をし、自民党現有議席より増やし300議席に乗せ、民主党大物議員らも落選するという結果を得たようです。これが安倍首相の背中を解散へと押した。ところが最近、自民党で再調査したら相当悪い数字が出たらしい」と語る。

 同様の情報を得ている野上さんは「それで安倍首相が解散表明で『自公で過半数割れなら辞任』とハードルを下げたのではないか。安倍政権は『数は力』の政治が基本スタイル。集団的自衛権原発再稼働などを考えると、中央突破も可能な266議席絶対安定多数がほしいというのが本音でしょう」。

 5人の専門家に共通していたのは、投票率が結果を左右する点だ。鈴木さんは「大義がないからと棄権せず、民意を反映させる貴重なチャンスと考えて投票したほうがいい」。

 いずれにせよ、議席予測はあくまで現時点でのもの。「風」は一瞬で変わる。投開票は12月14日−−。

毎日新聞 2014年11月25日 13時00分(最終更新 11月25日 20時14分)


選挙予測に関しては素人としか言いようのない5人の人間による衆院選予想を、スポーツ紙の競馬予想よろしく載せて、しかも記者の署名入りの記事とは恐れ入った。

この記事を書いた小国綾子記者が、政治部の記者か社会部の記者かは知らないが、こんな記事を書くようでは「新聞記者失格」であろう。

競馬予想をした5人のうち1人は鈴木哲夫だが、この男が前回(2012年)の衆院選前にやらかした選挙結果の予想を、数日前に晒しておいた。


上記の記事に書いた通り、鈴木哲夫とは「小沢信者」にして、橋下徹もひいきにするトンデモ野郎である。なにしろ鈴木は、「第三極」(2012年当時は日本維新の会日本未来の党みんなの党など)の議席が合わせて200議席を超えるなどとホラを吹いていた。別のところでは、日本未来の党議席が100議席を超えるとも予想していたらしい。

そんなインチキ野郎の衆院選予想を全国紙の紙面に横流しする。これでも新聞記者といえるのか。まともな全国紙といえるのか。

他の4人の予想もひどい。次世代の党の議席を8〜13議席などと予想している。鈴木哲夫を含めた4人は、同党の二桁議席を予想している。

しかし、これは小選挙区制の性質を無視した「トンデモ予想」としか言いようがない。同党の解散時における選挙区選出議員は3人(平沼赳夫園田博之西野弘一)しかいない。他の多くは、前回衆院選の「維新バブル」に乗っかって比例代表で当選しただけの議員である。日本維新の会は維新の党と次世代の党に分裂したが、維新の党の政党支持率は1%程度で、次世代の党の政党支持率はそれよりもさらに低い0.1%程度である。従って、今回彼らが比例代表として選出される可能性はほとんどなく、選挙区で勝ち上がらない限り議席はおぼつかない。しかし現実には、同党候補者としては知名度の高い山田宏中田宏も、選挙区には当たり前だが自民党候補もいるため、落選の可能性が高いと見られている。

選挙制度についてある程度頭に入っている人間であれば、次世代の党の議席予想は多くとも4議席(不愉快だし可能性は低いと思うが、石原慎太郎を当選させるために頭の悪い東京都民が比例代表で次世代の党に投票する可能性を考慮した場合)、大まけにまけても最大5議席だ。これを上回る数を出している選挙予想屋は「素人」とみなして構わないと私は考えている。そして、この基準に当てはまれば、毎日新聞の小国綾子記者が紹介した5人は全員「素人」であって、小国記者自身も「プロの新聞記者」というにはあまりにお粗末としか言いようがないのである。

5人の予想屋の中で、鈴木哲夫をも上回るお粗末さをさらけ出しているのは、白鳥令・東海大名誉教授である。Wikipediaで調べると、『小選挙区制で政治はどうなるか』(リバティ書房, 1995年)という編著があるようだが、それにしては維新の党45議席、次世代の党11議席、生活の党12議席などというあり得ない数字が並ぶ。おおかた新聞記者に聞かれたから適当に答えておいた、程度の丼勘定の数字なのだろうが、それにしても選挙制度に対する意識がきわめて低いとしか言いようのないひどい予想である。

毎日新聞に対しても、こんな競馬予想同然の記事を平然と載せているようでは、新規に購読したいという気が全く起こらないと、強く批判しておきたい。