kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

安倍晋三とネトウヨほど日本に害を与えるものはない

イスラム国」(ISIS)の邦人人質事件について、安倍晋三は口では「人命優先」と言うのだが、いくら目を凝らしてニュースを見ても、安倍晋三や政府に「人命優先」の姿勢など全く感じられない。

安倍晋三は、今後人質が殺害された場合、これを「集団的自衛権」の行使第1号の口実にすべく、何らのアクションも起こさないと決めているようにしか見えない。安倍晋三や政府の冷酷非情さには背筋が凍る。

私のような年代だと、2004年のイラク人質事件もさることながら、1977年のダッカ日航機ハイジャック事件を思い出す。あの事件で、時の総理大臣・福田赳夫は「人命優先」の決断を下したが、右派の人士たちから激しい非難を浴びた。それは、今にして思えば、ネトウヨ的な言説のはしりだったといえるかもしれない。その後、2004年のイラク人質事件では、小泉内閣官房長官を務めていた福田赳夫の倅・福田康夫は「自己責任論」を口にした。

しかし、その福田康夫の対応と比較しても、今回の安倍晋三の冷血は恐ろしいと思う。というのは、10月末に後藤健二がISISに拘束された直後に、間違いなく安倍晋三はこの一報を知ったはずだが、それにもかかわらず安倍晋三はISISの身代金要求を誘発するような発言を繰り返してきたからだ。安倍晋三がシンパシーを感じている国として、ロシアや北朝鮮の他にイスラエルがあるらしいことも恐ろしい。ISISの身代金要求に先立って行われた安倍晋三の中東歴訪の直前には、保守派論客の青山繁晴ですら、ニッポン放送の『ザ・ボイス』(1月15日放送)で、「安倍首相はネタニヤフと仲良くし過ぎるな」と警告した。青山繁晴は、「トルコのエルドアンとかロシアのプーチンなどの「強面」の政治家の例に漏れず、ネタニヤフも安倍さんを好きだが、安倍さんはあまり仲の良さを強調すべきでない。日本には中東でアメリカにはできない信頼関係を築いてきた」と発言した。日本には過去の財産があるのだから、それを安倍晋三の軽率な発言でフイにすべきではないと言いたかったのだろう。アメリカですらイスラエルと距離を置くようになった現在、安倍晋三イスラエルに急接近している姿は異常だ。同じ岸信介の系譜でも、1977年の福田赳夫内閣と2015年の安倍晋三内閣の性質は全く異なる。

日本のネトウヨの反応もひどい。ネトウヨ仲間ともいえる湯川遥菜がISISに拘束された時には、「自己責任」の声はあまり上がらなかったが、ネトウヨにとって叩き甲斐がありそうな後藤健二も拘束され、ISISに身代金を要求されると、ここぞとばかり「自己責任論」の大合唱が沸き上がった。

気の毒なのは湯川遥菜である(後藤健二ももちろんだが)。湯川遥菜だけ拘束された時には「自己責任論」を遠慮したネトウヨも、後藤健二とセットでならいいやと言わんばかりに「自己責任論」を浴びせかけてくる。湯川遥菜が心酔していたらしい田母神俊雄も、黙して動かない。ひどいものだ。

安倍晋三ネトウヨほど日本に害を与えるものはないと思う今日この頃なのである。