kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

辛坊治郎という「巨悪」

『百田尚樹『殉愛』の真実』(宝島社)を読む(4) - kojitakenの日記(2015年2月25日)のコメント欄より

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20150225/1424822924#c1424899214

id:kemou 2015/02/26 06:20
たしかにたかじんが右翼番組の司会者として目立ち始める前後からの流れはいろいろと奇妙ですね。かつては政治色など特になく芸能関連の話題を語る印象しかなく、しかも極右だった父親との深い確執があり、なおかつ韓国系の血も流れているたかじんが、韓国人差別と密接に結びついた昨今の日本の右翼思想と結びついたというのは、何らかのきっかけがないと不自然ではあります。たかじん自身が右翼系の司会者やコメンテーターを集めて政治番組を始動させようとして始まったというよりは、管理人さんの言うように辛坊あたりがたかじんのパーソナリティを利用して煽動することを狙って右翼人脈をそろえ、親しい人間やヨイショする人間に流されやすいたかじんを上手く引き込んだ背景があったとするほうが可能性としては高そうです。

たかじんという人物は右翼界隈にとって、利用しやすいというか、おだてて本人がイニシアチブを取ってるかのように思わせるような環境を作れば勝手に踊ってくれる、そんなおいしい存在になってたのかもしれませんね。たかじんの曲の作詞を多く手がけた及川眠子のことすら知らなかったような百田のような輩がのこのこと寄って来たあたりからも、右翼界隈の内部の人間にとってのたかじん像が透けて見える感じもします。


私は『たかじんのそこまで言って委員会』の悪口を、特に西日本在住時代にずいぶん書いたが、あの番組でたかじんの印象は不思議とない。橋下徹だの三宅久之だの勝谷誠彦だの原口一博だのといった右翼のコメンテーターと副司会の辛坊治郎の悪印象は強いけれど。

特に辛坊治郎は、全国放送されている読売テレビ土曜朝の番組でもろくでもない発言を繰り返しているが、状況証拠から言ってたかじんを右翼の道に引きずり込んだ張本人の一人であるとしか思われない。

角岡伸彦の『ゆめいらんかね やしきたかじん伝』(小学館,2014)を参照すると、たかじんと政治とのかかわりは、本の終わりの方の「第七章 司会者と政治家」で唐突に出てくる。そして、この章で取り上げられる番組こそ『たかじんのそこまで言って委員会』である。


ゆめいらんかね やしきたかじん伝

ゆめいらんかね やしきたかじん伝


『〜委員会』がレギュラー番組として始まったのは2003年である(前年に特別番組が3回組まれた)。イラク戦争の年だ。調べてみると、レギュラー番組開始の時から、辛坊治郎が副司会者を務めている。いうまでもなく辛坊は、2004年のイラク人質事件で「自己責任論」を声高にぶった右翼人士である。

やしきたかじんはどうだったか。『ゆめいらんかね』によると、番組常連出演者の朴一は、たかじんの政治姿勢について「政治的な立場はまったくない。話を面白おかしくしていくのが彼のスタンス」と断言しているという(本書213頁)。辛坊治郎たかじんを「政治的には無色透明、ニュートラル」と言っているらしい(同)が、これは辛坊自身が右翼であることを割り引いて考える必要があろう。

注目すべきは、たかじん西川きよし批判だ。以下、『ゆめいらんかね』から引用する。

 漫才師の西川きよし参議院選挙でトップ当選したことに触れ、国会議員はタレント活動をしながら務まるのかと批判した上で、笑いについて以下のように述べている。
〈そもそも庶民の“笑い”とは、ある意味で権力に対峙したところにあるのではないだろうか? ……立場の弱い者が強い者に抵抗できるのは、揶揄であったり批判であったりする。手も出せない、カネでも勝負できない。そんな庶民に残っているのは、カネと権力を持った人間を、口でコテンパンにやりこめる、パフォーマンスのなかでの“笑い”しかないのだ〉

角岡伸彦『ゆめいらんかね やしきたかじん伝』(小学館,2014)215頁)


しかしそんなたかじんが、橋下徹を政界に送り出し、安倍晋三を総理大臣に復帰されるのに一役買った。角岡伸彦は上記の文章に続けて書く。

 たかじんの立ち位置は、あくまで庶民である。その彼が、仲良く元総理大臣と温泉につかって政治談義をする。そこにはたかじん得意の揶揄や批判はない。安倍はたかじんの番組に出れば、気持ちよく自分の主張ができ、多くの視聴者に伝わると考えただろう。
たかじんのファンは、自分たち庶民の言葉を代弁してくれてるっていう人が多かったですね。だから一切、政治にはかかわらない、芸能人と政治家はめざすものが違うから、俺はいっさいそんなことには興味ないって常々言ってました」
 たかじんのマネージャーを四半世紀務めた野田がそう述懐する。
 庶民の代弁者は、いつの間にか権力者のそれに代わっていた。
(前掲書216頁)


たかじんのそこまで言って委員会』は、やしきたかじん(家鋪隆仁)という人間の「晩節を汚した」番組であるとしか言いようがない。

たかじんは巨額の遺産を残して世を去ったが、その遺産は「たかじん利権」と言うべきものだろう。たかじんの生前からそれに狙いをつけたのが家鋪さくらであり、そのさくらに騙されて協力者となったのが百田尚樹だった。そして、たかじんの死後「たかじん利権」に目をつけたのは関西のテレビ局も同じである。この構図からは、さくら、百田、在阪テレビ局が利害をともにすることは容易に理解できる。

たかじん利権」にたかる者の中には、当然ながら辛坊治郎もいる。辛坊は、ラジオ番組でたかじんの遺族をバカにしたとして批判されているらしい。「ソースは2ちゃんねる」だが。

http://www.buzznews.jp/?p=936137

辛坊治郎やしきたかじんの親族をラジオで笑ってバカにしていたとネットで多数の批判を浴びる

キャスターの辛坊治郎氏が2月7日のラジオでやしきたかじんさんの親族をせせら笑うかのような発言をしていたとしてネットで多数の批判が寄せられています。

辛坊治郎氏は2月3日に分裂開催されたやしきたかじんさんの一周忌において未亡人のさくらさん側が開いた会の司会を務めましたが、「殉愛」における対立問題について2月7日のラジオで未亡人と対立しているたかじんさんの親族をせせら笑うかのような発言をしていたとしてネットで多数の批判を浴びています。

問題のラジオで辛坊治郎氏はやしきたかじんさんが両親の入院費や葬儀の費用を全て負担していたと聞き「へーそういうのって皆で割るもんじゃないんですか?(笑)」などと語りやしきたかじんさんの親族をバカにしたような発言をしていました。

辛坊治郎氏が出席しなかった親族側の「偲ぶ会」で語られた話として、やしきたかじんさんが「これくらいしかしてやれへんから」ということで負担していたという美談が取り上げられたという流れもあり、辛坊治郎氏の発言には批判が寄せられています。

問題のシーンは動画の3分15秒から6分20秒までネット民の方が書き起こしておりその中に含まれています。


そこまで言って委員会という最近ちょっと曰くつきの番組で、何が曰くつきかというとですね、私と長年一緒にやっていたたかじんさんが亡くなった後なんか結構今月2月3日に同じ日に一周年のメモリアルをやったということで、結構な話題になってますね、これ。私もびっくりしまして。
私実はね新聞に載ってるご親族の偲ぶ会って音楽関係の偲ぶ会って全く一言も連絡なかったから知らないんですよ。
翌日あのースポーツ紙を見てそうだったんだとぁと思ってびっくりしたぐらいで。驚きましたね、これ。
僕は奥様側っていうか番組サイドの読売テレビの番組関係者、当然ながら番組プロデューサー、制作局長なんか行ってますからね、「辛抱さん、その日来られます?」って聞くから「うーん、ぎりぎりだけど間に合うかな?」って言ったら「じゃ、司会お願いできます?」って言うから「あぁ、良いよ」って言って。

だからさくらさんに頼まれたわけじゃないんですけど。
さくらさんに頼まれたわけじゃないから、行ったらですね、さくらさんに「あの、司会を受けていただいてご迷惑かかってませんか?」って。
え、あのそういうことなの?なんかよくわからない。え?あれ?あれ?そういうことなの?そういうことなんだって、逆にびっくりして。
翌日スポーツ紙を読んでよくわかりました。あ、こういうことだったんだって思って。
いやぁ知りませんでしたね。まぁ、一言で言うならばケンカすんなよー、仲良くしようよ。
仲良くね。仲良きことは美しきかなと。ほら武者小路実篤先生も言ってるじゃないですか。
きゅうりとなすびが書いてある額があのーほら温泉宿のトイレとかによく掛けてありましたよね?わたしはそれだと思います。はい。

聞かれたら何でも答えます。そうですよ別に隠すこと何もありませんから。
アシスタント「じゃぁ、向こう側の親族のお一人がたかじんさんの生前にこれぐらいしかしてやれへんからとお父様とお母様の入院費ですとか葬儀の費用をたかじんさんが全部出してあげたなんていうエピソードを」
辛抱「向こう側、親族側の偲ぶ会ってことですか?へえー、たかじんさんあれですね、ご親族のなに、お父様お母様の入院費から葬儀の費用まで全部出してたんですか?そういうのって皆で割るもんじゃないんですか?(笑い)え、そういう話じゃないんだ?(笑い)
そういう話じゃない、えーわかりました。仲良くしようよ、ね!そう思います」

アシスタント「百田さんは?百田さんはどうでした?」
辛抱「百田さんね、久しぶりに至近距離で見たんですよ。
そうしたら百田尚樹さんって頭つるつるなのに眉毛がもじゃもじゃでこの眉毛が真っ黒なの。
で、思わず私百田さんに、百田さん、その眉毛本物?って聞いたら『本物です!』って怒られちゃったよ」
アシスタント「あとはー」
辛抱「あとは?!
アシスタント「あ、これくらいにしときましょ」
辛抱「あ、そう」


辛坊氏はラジオとは別のメールマガジンで「私は誰の味方もしません。静かに故人の遺影に手を合わせるのみです」と書いていたと伝えられていますが、ラジオでの発言を聞く限り中立とは思えず、ネットでは急速に批判の的になっているようです。やしきたかじんさんの親族に対する今回のラジオ発言は「殉愛」騒動の展開如何によっては辛坊治郎氏に大きな影響を与えることにもなりかねないものとしてネット民は重視しています。

参考URL:http://ikura.2ch.sc/test/read.cgi/ms/1423230753/

(B.N.J. 2015.2.7 22:31)


百田尚樹『殉愛』騒動」によって、巨悪・辛坊治郎百田尚樹の道連れとなって没落していくことを願わずにはいられない(笑)。