kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「やしきたかじんさんの長女、出版差し止め求め提訴 晩年を百田尚樹が描いた『殉愛』」(産経)

大阪は実は私の出身地なのだが、育ちは兵庫県である。大阪は近かったのでよく行ったが、ちょっとしか距離が離れていないのに「異界」という印象だった。子ども時代に印象深かったのは、大阪独自の夕刊紙が何紙も発行されていたことだ。前世紀末のNHKテレビ小説『やんちゃくれ』は大阪の夕刊新聞社が舞台だった。しかし大阪の夕刊新聞を神戸や阪神間武庫川よりも西の地域しか知らないが)で見かけたことはなかった。また、昔も今も私が大嫌いな『日刊ゲンダイ』は大阪では発行されていなかった。

その大阪の夕刊新聞は全部なくなり、『日刊ゲンダイ』が大阪でも発刊され、阪神タイガースはいつの間にか読売と同じような金権球団になってしまったが*1、それでも大阪の独自性は保たれていた。その後ある時期に住んだ中国・四国地方では、例の故やしきたかじんの名前を冠した読売テレビの極右番組は見られたが(というか、首都圏を除く全国のほとんどのエリアであの極右番組は見られるはずだ)、それでも大阪の放送局が夕方にやっている、ニュース報道も絡めたワイド番組は関西以外の地域では見られないので、いつの間にか極右化した大阪は、広域エリアとしては隣接している中国・四国から見ても「異界」だった。ましてや、大阪に次ぐ全国二番目の右翼都市である東京に移ると、大阪とは距離が遠いこともあって、ますます大阪で話題になっていることから疎遠になってしまっている。

だから、このニュースに接した時も、何が起きているのかさっぱりわからなかった。

やしきたかじんさんの長女、出版差し止め求め提訴 晩年を百田尚樹氏が描いた「殉愛」 - 産経ニュース

やしきたかじんさんの長女、出版差し止め求め提訴 晩年を百田尚樹氏が描いた「殉愛」

 今年1月に64歳で死去した歌手、やしきたかじんさんの晩年を作家の百田尚樹氏(58)が書いたノンフィクション本「殉愛」によって名誉毀損(きそん)やプライバシー侵害をされたとして、たかじんさんの長女(41)が21日、出版元の幻冬舎に、出版差し止めと1100万円の損害賠償などを求める訴えを東京地裁に起こした。

 訴状では、複数の虚偽の記述があり、「原告の私生活に関して誤った認識を与える」と指摘。さらに、「百田氏は原告をはじめとした親族などに取材をして事実確認しようとしなかった」と主張している。

 「殉愛」は今月7日に発売された。

(産経ニュース 2014.11.21 18:09更新)


最初、あの安倍晋三のお仲間として悪名高いNHK経営委員・百田尚樹が、橋下徹を政治の世界に送り出した故やしきたかじんの身内に訴えられるって、いったいどういうことだと思ったのだった。

どうやらそれは、たかじんが死ぬ3か月前に入籍した32歳年下の嫁が、イタリア人の夫との結婚状態を解消していない「重婚」だった疑惑があることなど問題含みの人物で、その人物が作ったストーリーを百田が「美談」仕立てにして、売らんかなの本を出したために起きた騒動だったようだ。それがたかじんの熱狂的なファンを怒らせた模様。なにしろたかじんの親族が名誉毀損で訴えを起こすくらいだから、相当ひどいことが書いてあるのだろう。

アマゾンのサイトを見ると、700件近いカスタマーレビューの実に3分の2以上が「星1つ」であり、しかも「星5つ」のレビューの中にも百田の本をこき下ろしたものが多く混ざっている。アマゾンのサイトが「炎上」した形だ。

百田の『殉愛』を、「捏造本」と評する向きも少なくなく、朝日新聞の廃刊を求めている百田は、自らも捏造をやったのだから作家を廃業すべきだと、百田と同じ右翼から叩かれる始末である。

こんなのが日本の総理大臣・安倍晋三の大のお気に入りで、NHKの経営委員にまで送り込まれているのが今の日本の現実だ。

ちょっと想像を絶する事実である。

*1:そういや千葉ロッテの成瀬はヤクルト入りだってな。阪神との競合に勝ったのは良いけど、その土俵が読売や阪神と同じ金の争いだから、その点では喜べないよな。