kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

安倍晋三に「大日本帝国」をトリモロさせるな

最近、やっぱり文系の人には勝てないなあと思うことが多い。安倍晋三やその一派が「自分(たち)に楯突く文系の野郎どもを弾圧してやる」とばかりに妄動を企んでいるようだが、そんなものを許してはならないだろう。

下記記事も、高校時代に世界史が苦手だった私にはとても面白かった。

【「オスマン帝国をトリモロス」トルコ・エルドアンvs「東ローマ帝国をトリモロス」プーチンvs「西ローマ帝国をトリモロス」キャメロン・オランド】 : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)

【「オスマン帝国をトリモロス」トルコ・エルドアンvs「東ローマ帝国をトリモロス」プーチンvs「西ローマ帝国をトリモロス」キャメロン・オランド】

1453年、東ローマ帝国の首都、コンスタンチノープルは陥落。一部の東ローマ帝国の人は、ロシアに逃れたとされています。宗教でいえば、東ローマ帝国ギリシャ正教の本拠で、ロシアにとっては本家です。

その後、ロシアとトルコは戦争を繰り返しますが、段々には、ロシアが押し気味になります。

しかし、途中、1853年から1856年のクリミア戦争では、当時の帝国主義の「横綱」であるイギリスとフランスがトルコを支援。ロシアは一敗地にまみれます。

第一次世界大戦は英仏露伊vs独墺勃土の闘いとなり、オスマン帝国は同盟国側につきました。
戦前はオスマン帝国イラクやシリア、レバノンイスラエル、ヨルダンなど、イランを除く中東を支配していました。
しかし、英仏がアラブ人をたきつけて反乱を起こさせ(アラビアのロレンス)、シリアとレバノンはフランスが、イラクイスラエル、ヨルダンはイギリスが奪ったのです。
さらに、休戦協定が発効すると、英仏は、まだオスマン軍が保持していたモースルやシリア北部まで奪い、さらに、アルメニア人やクルド人ギリシャ人まで独立をたきつけられ、トルコという国があわやなくなるところまで追い詰められたのです。

そこで、トルコを救ったのがケマル・パシャ
ギリシャ軍やフランス軍を撃退し、アルメニア軍も撃退。
独立を回復し、返す刀でオスマン帝国のスルタンを追放しました。それにより、トルコは、イスラム色を消した近代国家として生まれ変わったのです。

時は流れて2000年代。イスラム原理主義者(スンニ派過激派)に近いスタンスのエルドアンさんが「バカ受け」し、総理に就任。当初は経済発展で強い支持を得つつ、イスラム色を復活させる政策を打ちました。

イスラエルと大喧嘩をして喝さいを浴び、イラク戦争では、アメリカの領土通過を許さないなど、独自色を強めていました。
他方、シーア派の強いシリア、イラク、イランとの関係は悪化しました。

シリアの内戦では、国境を開放し、反アサド政権派を支援。
イスラム原理主義者も大量にトルコ経由でシリアに流れ込みました。一方、イスラム国で採掘された石油はトルコ経由で輸出されているとされています。

トルコは一応、イスラム国への空爆に参加はしますが、イスラム国がクルド人へのテロを行う分には甘い顔をする傾向があります。トルコ内部でもクルド人や左派がエルドアンの治安対策の甘さへの批判を強めています。

エルドアン大統領の本音は「オスマン帝国をトリモロス」というあたりではないでしょうか。そのために、イスラム国もシリア反体制派も利用する。

もともとオスマン帝国の領土だったシリア北部や、イラク北部などは「我々が第一次大戦休戦後に英仏にだまし討ちで取られた」くらいに考えていてもおかしくはありません。

トルコにとって、ロシア軍がこのあたりで行動されるのは目障りで仕方がないのでしょう。

一方、ロシア帝国は、東ローマ帝国を本家と仰いでいました。プーチン大統領ロシア帝国的なものを受け継いでいます。旧東ローマ帝国の領土でもあったシリアに基地を維持し続けることは彼にとっては譲れないでしょう。

イギリス、フランスは、帝国主義時代から、中東を植民地としていました。平気で空爆できるのは、中東の人間を対等な市民とはみなしていないからです。

強引に例えるなら、英仏は、西ローマ帝国(首都・ローマ)→フランク王国カール大帝)の系譜を継いでいます。(イギリスの王室も大本はフランスやドイツから来ている)。

ローマを首都としたローマ帝国は一時は、中東も支配していました。それを事実上トリモロス、という衝動はどこかにあるのでしょうか。

イスラム帝国vs西ローマ帝国vs東ローマ帝国の因縁の「三国志」。

それに、イスラム内部のスンニ派vsシーア派の対立が絡み、東ローマの系譜を継ぐロシアがイスラム内部では少数派のシーア派のイラン、イラク、シリアと組むという構図があります。

ここまで来ると、誰がいつ、どこでどう敵になったり味方になったりするかわからないのです。

 大日本帝国をトリモロス」ため、自衛隊を他の帝国主義国並みに派兵したい安倍総理

 こんなところに、自衛隊を派兵、というより「放り込んで」大丈夫なのでしょうか?

そのことが、いま、問われています。

いずれにせよ、各国の指導者が「過去の最大の領域をトリモロス」ことから逃れられなければ、戦争は避けられないのです。
そのことは事実です。


安倍晋三といえばプーチンともエルドアンとも(タカ派政治家同士として)「ウマが合う」と自分では思い込んでいるらしく、「そんなにケンカしてないで『テロとの戦い』の仲間なんだから仲良くしようよ」とばかりにロシアとトルコの仲裁役を買って出ようとして恥をかいたとのことだが、百戦錬磨のプーチンエルドアンと、第1次政権発足当時、週刊誌に「銀の匙をくわえて生まれてきただけの政治家」と酷評された安倍晋三では格が違うのは誰の目にも明らかで、それを認識していないのは安倍晋三本人だけだろう。

そんな「坊っちゃん宰相」のわがままで、この3年、日本の崩壊はずいぶん進んだ。安倍晋三は、これまで曲がりなりにも憲法学の専門知を尊重してきた日本の保守政治に、「なんでそんなものを受け入れなきゃなんないの? 『立憲主義』なんてボク知らないよ」と言って集団的自衛権の政府解釈を変更させ、安保法を成立させた。これはどう考えても「クーデター」以外の何物でもないのだが、ひとたび力が加えられて物事が決まったらそれに従って動いていく惰性の法則に従って、一度は大きく低下した安倍内閣支持率がV字回復しているていたらくだ。日本国民に対しても絶望しないではいられない。

ところで、最後の赤字ボールドにした引用部分に関していえば、仮に共産党を含む「国民連合政府」が生まれたとしても、共産党が今の「領土タカ派」路線をとり続ける限り、それがいつ「愛国連合政府」に変質しても不思議はないのではないか。

この間も書いたが、せっかく「立憲主義」という保守思想を認めるという大きな路線転換を行った日本共産党なのだから、ここは一つ、かつての自民党のリベラル派宰相・石橋湛山に倣って、従来の「領土タカ派」路線を捨て、湛山の「小日本主義」に路線を転換してはいかがかと思う今日この頃なのである。