kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

おおさか維新 改憲案に緊急事態条項も(毎日)

少し前、というか今年初めの1月5日に、おおさか維新の会の松井一郎がこんなことを言っていたらしい。時事通信が報じていた(URL及び記事のタイトル不明)。

 おおさか維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)は5日、安倍晋三首相が憲法改正の優先課題と位置付ける「緊急事態条項」の創設に関し、「憲法ではなく、法律でもやれるのではないか」と述べ、否定的な考えを示した。府庁で記者団の質問に答えた。
 松井氏は同条項について「個人の権利を排除し、権力者側に力を持たせる話だ」と指摘。「個人の権利をあまりにも阻害してしまう危険性がある」と懸念を示した。

時事通信 2016年1月5日)

この報道を受けて、この松井一郎の発言は安倍晋三自民党のアブナイ改憲に反対する「橋下くん」の意向を反映したものに違いない、とばかりに橋下びいきの某保守派反安倍ブログが飛びついていた。実は上記の報道はそれを通じて知ったのだが、実は上記のコメントを発した舌の根も乾かぬ2日後に、松井一郎は前言を撤回していたのだった。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201601/2016010700657

緊急事態条項で発言修正=おおさか・松井氏

 おおさか維新の会の松井一郎代表(大阪府知事)は7日、安倍晋三首相が憲法改正の優先課題とする「緊急事態条項」創設で、国会議員の任期延長について「憲法でないと改正できない」と述べ、改憲議論に応じる考えを明らかにした。同条項をめぐり松井氏は、「憲法ではなく、法律でもやれるのではないか」と否定的な見解を示していたが、これを修正した。
 府庁で記者団の取材に答えた。松井氏は大災害の発生を想定し、「(衆院)解散が決まっているとき、誰が司令塔になって緊急事態を乗り切るのか備えるべきだ」などと語った。

時事通信 2016/01/07-16:42)

周知のように、典型的な「人治主義」に基づいて党運営がなされる橋下一派(地方政党・大阪維新の会及び国政政党・おおさか維新の会)においては橋下徹の意向が絶対だ。そのお維で松井一郎が前言を翻したことは、最初の「緊急事態条項は不要」とするコメントの方が本来の松井一郎の意見で、それを改憲議論の対象にすべきだという修正したコメントの方が橋下徹の意向の反映だと解釈する方が常識的な考え方だろう。アブナイ保守派のブロガー氏にはこの現実がどうしても受け入れられないように見受けられるけれども。

さて、以上は前振りでここからが新しい、といっても3日前のニュース。「きまぐれな日々」の鍵コメで教えてもらったが、おおさか維新の会は緊急事態条項を含む改憲へとさらに一歩を踏み出した。毎日新聞が報じた。

http://mainichi.jp/articles/20160121/k00/00m/010/047000c

おおさか維新
改憲案に緊急事態条項も
毎日新聞 2016年1月20日 19時32分(最終更新 1月20日 19時32分)

 おおさか維新の会の馬場伸幸幹事長は20日の記者会見で、夏の参院選に向けて策定する党の憲法改正案に、「緊急事態条項」の創設を盛り込む考えを示した。同党の改憲項目は統治機構改革と緊急事態条項が大きな柱となる見通し。

 緊急事態条項は与党内で有力な改憲項目とされる。馬場氏は同条項について「独自案を出していく」と述べた。統治機構改革では道州制と大阪を副首都にする構想などを検討する。

 また、同党は20日の両院議員懇談会で、参院選の公約の重点項目として、「憲法」▽議員定数の削減など「経済・財政」▽集団的自衛権を含む安全保障法制などの「外交・安保・沖縄」−−の三つのプロジェクトチーム(PT)設置を決めた。夏までに計8回程度会合を開き、公約作りにつなげる考え。【松本晃】

おおさか維新の会は安倍晋三との連携を強めてアブナさを増す一方だ。トンデモ改憲に向けた橋下徹の意志は相当に堅いと見受けられる。