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北方領土でロシアとの共同統治案 政府検討(10/17日経)

一昨日(17日)の話だが、日経が一面トップで下記の報道をした。

北方領土でロシアとの共同統治案 政府検討 :日本経済新聞

北方領土でロシアとの共同統治案 政府検討
ともに主権行使、12月首脳会談で協議探る
2016/10/17 2:01|日本経済新聞 電子版

 日本政府がロシアとの北方領土問題の打開策として日ロ両国による共同統治案を検討していることが16日、分かった。最終的な帰属の扱いで対立する国後・択捉両島などでともに主権を行使する手法で、双方が従来の主張を維持したまま歩み寄れる可能性があるとみている。北方四島のどの島を対象にするかや施政権をどちらの国にどの程度認めるかなど複数の案を用意し、ロシア側との本格協議に入りたい考えだ。

 複数の日ロ政府関係者…


同じ日、内閣官房長官菅義偉はこの報道を否定した。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016101700315&g=pol

北方領土、共同統治考えていない=菅長官

 菅義偉官房長官は17日午前の記者会見で、北方領土問題の打開策として日本政府が日ロ両国による共同統治案の検討に入ったとの一部報道について、「全く考えていない」と述べた。菅長官は「北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する従来の方針に全く変わりはない」と強調した。(2016/10/17-12:23)

時事通信より)


日経の報道を見た時、ロシアが北方四島の実効支配を強めている現在、こんな話にロシアが乗ってくるとは到底思われなかったし、万一乗ってくる場合は相当の見返り、たとえばクリミアの現状を認めろとかそういう話になることは目に見えていると思った。

かつて、総理大臣が海部俊樹自民党幹事長が小沢一郎だった1991年に、まるで日本が北方四島を「買おう」としているかのような交渉をして成果を挙げられなかったことがあるが、あの当時の日本に北方四島が返還されようものなら、国後島択捉島にゴルフ場ができかねないよなあと思った。そして、そうなるくらいなら四島を日本とソ連(当時。同年末にソ連は崩壊した)の共同統治にでもすれば良いのにと思った。

共同統治案など、1991年当時のように日本の経済力がソ連(ロシア)を圧倒していた時に初めてリアリティを持つ話なのではなかろうか。

周知のように、永田町では安倍晋三が来年の党大会を1月から3月に先送りしたことから「年初解散説」が流れている。これは特に公明党創価学会が積極的に流している話らしいが、日露交渉で挙げた成果を引っ提げての「北方領土解散」になるなどの話が取り沙汰されている。だが、安倍政権は日朝交渉の打開をもくろみながら全く糸口さえつかめなかったことがあることからもわかるように、外交には全く期待できない政権であると私は考えているから、次の衆院解散が「北方領土解散」になることはあるまいと確信している。

もっとも、「野党共闘」が先の新潟県知事選で、右翼にしてネオリベ保守系候補を担いでやっとこさ自公の原発推進派候補に勝てる程度の力しかない現状では、いかなる口実で安倍晋三が解散に踏み切ったところで、毎度おなじみの自公の圧勝にお悪、もとい終わるであるだろうことだけは確実だ。