興味深いツイートにお目にかかった。
北方領土をめぐる本邦与党の及び腰な態度は、ナショナリズムを相手によって使い分けるご都合主義だけから説明できるものではなく、むしろ世界的に右派が親プーチン、親ロシアで再編成されつつある一環なのではなかろうか。この点についても拙訳書(https://t.co/8ag1E6Eq2F)を参照されたい(宣伝)。
— hhasegawa (@hhasegawa) February 7, 2019
上記を承けたツイートも。
プーチンは右翼的権威主義傾向の強い人間には、ものすごくアピールするキャラを作り上げてるからね。 https://t.co/qrVw7luMuR
— 能川元一 (@nogawam) February 8, 2019
私自身、さっき公開した読書ブログの記事にプーチン批判を書いたばかりだった。
kj-books-and-music.hatenablog.com
(前略)現在は、日本経済が力を失った一方、世界的な独裁権力の一つと評するべきプーチンが択捉島などに軍事施設を建設する暴挙に出ており、それを追認するかのような二島返還論は絶対に認めてはならないと思います。現在の日本はロシアと緊張関係があるわけでもなく、平和条約を結ぶ必要に迫られているわけでも何でもないので、千島列島全体を日露の緩衝地域にすることを最終目標にして粘り強く交渉を続けるしかないというのが私の意見です。
なお、全千島を領有していた頃の日本も、民間人の移住を認めるのは択捉島までで、それより北のウルップ島からシュムシュ島までへの民間人の移住を禁止していたことを今回『エトロフ島発緊急電』を読んで知りました。それは良いのですが、一方でシュムシュ島などに住んでロシア化が進んでいた千島アイヌの住民を色丹島に強制移住させたのは暴挙以外の何物でもなく(その悲劇から小説に登場する宣造が造形されたんですよね)、それは厳しく批判されるべきですし、同様にプーチンによる北方四島への軍事施設建設やロシア人移住奨励などの政策も(これはもともとソ連時代からやっていたものの遅々として進まなかったようですが)、戦前の軍国主義日本やスターリンのソ連にも匹敵する恐るべき強権主義的な妄動として厳しく批判されなければなりません。そういえば日本の「リベラル・左派」にはプーチンに対して甘過ぎる悪弊もあるように思います。(後略)
今や「『右』も『左』もないプーチン礼賛」の時代かよ、ケッ、とプーチン及び彼を礼賛する「右」や「左」の人たちに唾を吐きかけたくなる今日この頃なのだった。