kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「民進党信者」と「オザシン」とのバカバカしい「近親憎悪」

TPPの採決をめぐる自民党民進党との取引は、その後、農水相山本有二の暴言があって与野党の「駆け引き」とやらが再開されているものの(私は茶番だと思っているけれども)、民進党という政党の本性を現した醜態だった。

その民進党の政治家としては、代表の蓮舫と幹事長の野田佳彦の両方を批判する必要があると思うが、蓮舫は風向きの影響を受ける政治家だから、蓮舫を操る野田佳彦をより強く批判すべきだろう。

この日記のコメント欄にも、下記のようなご意見をいただいている。

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20161031/1477868367#c1477874705

id:axfxzo 2016/10/31 09:45

(前略)私は別に穴でも掘りまくれ、なんでもよいから公共事業やれ、借金なんてケセラケラと煽るつもりもないし、寧ろ昔のように累進課税強化して『取れるところから分相応に』取り立て、それでも厳しいだろうから欧州型付加価値税にして、菓子だろうが食パンだろうがキッチリ課税して『その分を』庶民生活に還元しろという立場に近いのだが(笑)、明らかに格差も進み(進ませて!)これだけ不景気感バリバリな状態で、なに綺麗事を野党がほざくのか?という怒りを持っている。
子供手当てひとつ、平等に割り当てようともしない民主党に怒り爆発だったしね。あんなものは平等に割り当てて『後から』所得税などでビシバシ金持ちから巻き上げればよいだけだろ?それが元来の民主的な税制じゃないのか?
これだけみても、テレビなどのマスコミがいかにインチキ、害悪かと言いたくもなる。
さらに言えばそうしたメディアの圧力に野党(とりわけ民主党!)が屈していたことだろう。
これが大まかな背景だろう。
現在、処方すべきは緊縮財政路線ではないのに変な価値観をメディアが押し付ける。すぐに無知蒙昧な輩を
ギリシャになるかもなんて煽ったりする。
野田というバカがあの党派で妙な力みたいなものを持てるのは、実はマスコミのせいなのではないか?
ここに…見た目をはじめとして…世間一般が彼に抱く嫌な印象との鋭いギャップが発生してしまう。
野田などが累進課税強化してとかって奴だったか?あれがいわゆる社民系の経済路線に与するか?否だろ。
要するに彼らの路線は俺たちは現実路線なんだ、無責任ではないとアピールしたいだけ。自民党にクリンチしているつもりなだけ。亜流は亜流であり、ならば自民党でいいじゃんかに落ち着くだけ。
蓮舫には当面の安倍晋三たちの暴政に反対するためのメガホンとしての期待は十二分に『あった』。
そのキャリアから野田を邪険にできないとしても、よりによってジジババ層が拝みそうな日曜討論などの常連ポストに据えるとは…大失態!
あれなら(同じく右派なら)女という商品戦略(これ、性差別にならんだろ?小池百合子は正にそれでやっている)で山尾でもあてがっていた方がなんぼかましである。野田には人々をライトに引き付ける発信力すらない(笑)。

もそも民主党が出てきた背景からしてそんな感じだから多くを期待するのが無理筋なのだが、ここまで経済右翼が花盛りな今だからこそ、差別化を図れなくてどうする。
てか、野田の差別化はまるで逆効果なんだけど…。

野党が人気がないならここは割り切って徹して左派の路線を具体的に明示した方がよい。
うまく書けないがテレビなどの主張とは異なっているというか、潜在的な現実路線、現状への不安はある。
というよりごまかせない。
そこらを…人気のないうちに…掘り起こすことだ。その最低限の条件が野党共闘路線の継続、工夫である。
いかにメディアが共産党との共闘が路線が違うから世論調査でどうたらとケチをつけようが…工夫をこらして…一丸でやらないと勝ち目はないのだ。じゃあ原理原則でやらなかったら民進党が躍進するのか?
ナンセンス。寧ろその場合は野田路線の強化であろうから(笑)、ズタボロにされるだけだろう。


ここでid:axfxzoさんが仰る

寧ろ昔のように累進課税強化して『取れるところから分相応に』取り立て、それでも厳しいだろうから欧州型付加価値税にして、菓子だろうが食パンだろうがキッチリ課税して『その分を』庶民生活に還元しろという立場

というのはスタンダードな社民主義的政策だと思う。

たとえば鳩山内閣時代にまだ消費増税だのギリシャになるなだのの妄言を言い始める前の菅直人民主党政府の税調専門家委員会だかの委員長に引っ張ってきた神野直彦が最初に示したのは、まず直接税の課税範囲の拡充で、それができたあとに欧州型の社民主義を目指すなら消費増税を行い、そうでなくてアメリカ型の「小さな政府」で行くなら直接税中心の税制にするという道筋を示した。

しかし、すぐに「識者」だのマスコミなどが、累進制をこれだけ強化しても1兆円の税収増にしかならない、消費増税すれば税収はこんなに増える、などと言い出し、菅直人菅直人で総理大臣になるや否やあっさり財務官僚に「洗脳」されて、折からのギリシャ危機もあって「日本はギリシャになるな」と言い出した上、「消費増税」で参院選を戦うという自滅策をとって参院選自民党に負けた。同じ頃TPP推進をブチ上げたのも菅直人だった。いったいこの菅直人という人は、任期後半の2011年3月に東日本大震災と東電原発事故が起きる前には、良いことを何一つやらなかった総理大臣だったと私は思っている(東電原発事故を受けて「脱原発」を打ち出したことだけは評価すべきだろうが)。なお、梯子を外された形の神野直彦も、菅直人に歩調を合わせるかのように「所得税と消費税は税の両輪」などと言って、直説税の課税ベース拡大がなされない段階での消費増税支持に舵を切ったことにも、学者としていかがなものかと思わずにはいられなかった*1

で、菅直人が敷いたレールを驀進したのが野田佳彦だったということだ。信条としては「北欧型社民主義を目指したい」と言っていた菅直人と違い、野田佳彦は最初から何かといえば「民のかまど」の神話を持ち出して「小さな政府」を主義主張とする人間である。そんな路線で走られては、民進党は「経済右派」である自民党よりももっとひどい「経済極右」であることは明白で、そんな政党に選挙で投票したいとは私は全く思わないし、この国の有権者の多数も同様だろう。だから民進党には野田の路線を何が何でも変えてもらわなければならない。

ところが、世の民進党「信者」の中には、野田佳彦が批判されると「お前はオザシン(小沢信者)か」と色をなして反論する者がいる。下記は「きまぐれな日々」の最新の記事へのコメントだが、そういう人たちがいることは私も知っている。

http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1453.html#comment19941

先日、会社で遅めの昼休みを取っていたところ
テレビから国会中継が流れ野田佳彦が質問していました。
相変わらず金融緩和批判、財政規律重視、議員定数の削減等を
喋っていてうんざりしました。

この人、下野していた間一体何をしていたんでしょうか。
新しい提案もないし、何も成長が感じられない。
一度プロレス会場で見かけたことがありましたが、
野党のお気楽なサラリーマン議員生活でも満喫していたのでしょうか。

前原は新自由主義の考えを修正し
やや大きな政府的な新しい提案をしてきました。
この考え自体はまだ不十分だと思いますし、
財源に消費税を重視している点等
個人的には全面的に賛成出来るものではありませんが、
方向性としては一定の評価が出来るものだと感じました。

言いたくもありませんが、安倍とて下野している間に
リフレ政策を取り入れ政権を取ってからそれなりに実行し、
経済政策で国民の支持を繋ぎ止めているのです。

それと野田佳彦を批判するとオザシンだなんだとレッテル張って
批判する民進党支持者がいますが「ふざけるな」と言いたいです。
この連中は今のまま解散総選挙があっても選挙に勝てるとでも
思ってるんでしょうか。

まともな経済政策の提案がなければ野党に票は入りません。

2016.10.31 19:12 1985


同感、の一語に尽きる。

ただ、昔から「オザシン」(「小沢信者」)とバトルを繰り返してきた私から見ると、小沢一郎だの旧生活の党と山本太郎となかまたち(現自由党)だのを批判すると、「野田佳彦支持者だなんだとレッテルを貼って批判する『オザシン』がいる」ことをつけ加えずにはいられない。2011年の民主党代表選で野田佳彦原発推進派にして新自由主義者である(つまり野田佳彦と大差ない)海江田万里に勝った時、下記記事を書いたら、えっ、こいつ(kojitaken)は野田支持じゃなかったのかよ、などと反応した「オザシン」がいたが、私は「野ダメ」(野田佳彦)を支持すると書いたことなど一度もなかったから、「オザシンって本当に馬鹿だよなあ」と心から軽蔑したものだ。

そもそも、小沢一郎もまた「民のかまど」の神話を良きことと信じる「小さな政府」信者であることは、私は昔からずっと指摘し続けてきた。たとえば菅政権時代の2010年9月27日には、「きまぐれな日々」に下記記事を書いた。


上記は、その3日前に、この日記に書いた下記記事を元にして書いたものだ。


政局によって立場を変えたものの、小沢一郎のもともとの主張は、直接税を半分にして消費税を大増税せよ、というものだった。

野田佳彦小沢一郎も「同じ穴の狢」としか言いようがない(あえてどちらかを選べ、と言われれば、本心とは思えないとはいえ、かつての「直接税大減税、消費税大増税」を言わなくなった小沢一郎を、鼻をつまみつつ目もつぶりながら選ぶしかないけれど)。

今や弱小化した「民進党信者」と絶滅危惧種になった「オザシン」との、何の意味もなく何も生み出さない近親憎悪ほどバカバカしいものはない。

*1:その神野直彦を師として、神野氏よりももっと「経済右派」に妥協的な学者が、前原誠司のブレーンになった井手英策であると私は位置づけている。