kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

日本中「忖度」だらけ。西田昌司も蓮舫も、それにあの「リベラル」ブロガーも

森友学園事件「安倍夫妻・財務省ルート」の本質は安倍夫妻による口利きであって「忖度」ではないと思うが、状況証拠から口利きがあまりにも明らかであるにもかかわらず「忖度があったか否か」などという馬鹿げた質問を国会で発して、いとも簡単に「なかった」と言い抜けられておしまいになる野党(特に民進党)の質問は、それ自体「忖度」であって、政権が潰れるほどには追い込むまいという、意図的にか「安倍一強時代」の空気を読んでかはわからないがそういう隠れた意図に基づいていると私は考えている。

ここ数日、安倍昭恵や元「首相夫人付」経産省官僚の谷査恵子らを刑事告発しようとする動きがあり、それに対して彼女らを刑事告発すると国会で森友学園事件に関する質問をしても「係争中ですから」と言って逃げられてしまうから告発を止めろ、とする意見があるようだが、これに対して私が疑問に思うのは、もうマスコミが森友学園事件をニュースにするのを止めている現在、告発を止めたところで国会で政府や官僚から追及する側にとって有利な答弁を引き出せるとでも思っているのだろうかということだ。

告発を封じる動きは、それ自体事件を追及する側の自由度を制限する動きであって、事件の鎮静化(それは着々と進んでいる)に手を貸しているだけではないかと思えてならない。

とにかく現在、ありとあらゆる局面でさまざまな「忖度」や「自主規制」が蔓延している。昨日(18日)から朝日新聞が連載を始めた「1強 第2部 パノプティコンの住民」はそれをあぶり出している。昨日の1面記事に書かれた安倍晋三西田昌司への電話(西田は証人喚問で大阪維新の会の疑惑を追及したかったが、安倍晋三からの電話を受けて政府を擁護する立場の質問に変更したという)など「忖度」ではなく圧力そのものではないかと思うが、今朝の第2回では民進党蓮舫を槍玉に挙げている。以下引用する。

 旧民社の流れをくむ民進党も、野党分断を図る首相の言葉に過剰反応し、自らパノプティコンにはまっている。昨年9月に代表に就任した蓮舫氏が掲げた「提案路線」がその典型例だ。

 現実には提案よりも、政権を追及する仕事に徹せざるを得ないのが野党だ。そうなると首相からは「批判に明け暮れていれば、中身のある議論は行えない」と言われ、ネットでも「提案路線はどうなったのか」と指摘される。まさに隘路に迷い込んでいるのだ。

(2017年4月19日付朝日新聞4面掲載 中崎太郎・藤原慎一記者署名記事より

今回、やたらと「忖度があったかなかったか」を繰り返して易々と安倍夫妻や迫田英典らを逃げ切らせる結果を導いたのも民進党議員たちだった。その民進党を熱心に弁護する支持者たちもまた、安倍政権の延命に手を貸しているように私には見える。

ネットでは例の「リベラル」(都会保守)が昨日も呆れた記事を書いていた。安倍昭恵の言動にちょっと注文をつけただけの産経新聞の記事に対して、こんなことを書いていた*1

 その産経新聞が、ついに昭恵夫人ディスる(貶める)ような記事を載せていたので、ちょっとビックらしてしまった。(・o・)

 そのタイトルは・・・『安倍晋三首相の“秘密兵器”と報じられた昭恵夫人だが…森友学園問題を契機に政権最大の弱点に』
 昭恵夫人が安倍首相に不足していた部分を補っていたことをヨイショしながらも、最後は、首相の妻=公人の妻(ただの私人ではない立場にある者)に準ずるものとして、彼女の行動に大きな疑問を呈しているのである。(++)

昭恵夫人が「公人」か「私人」であるかの定義を野党がしつこく政府に質問するが、私人であることは明らかだ。公務員試験を受けたわけでもないし、選挙で当選して安倍首相の妻になったわけでもない。ただ、私人とはいえ、政治家・安倍晋三、しかも日本国首相という日本を代表する「公人」の妻だ。その言動は自ら律するしかないのではないか。社会的に恵まれた立場にいる者として、人々の模範になるよう行動する「ノブレス・オブリージュ」(高貴なる者の義務)を負っているのだから。(政治部 田北真樹子)』

この田北真樹子というのはその名前に見覚えのある極右記者だが、その田北が書いた上記の文章は、私には安倍昭恵に対する諌言にこそ見え、決して「ディスる(貶める)」ような文章には見えない。少なくとも安倍昭恵の人格を毀損する表現は全く使われていない。これを「ディスる(貶める)」と評したブログ主は、そこまで安倍昭恵に入れ込んでいたのかと呆れた次第だ。

で、田北のそんな記事受けてブログ主は重い腰を上げて

 何とか国民全体で「昭恵夫人参考人招致or証人喚問、少なくとも会見は行なわないと、納得しないぞ」という動きを起こしたいと思っている×××なのだった。

と記事を結んでいるのだが、なんと「参考人招致」「証人喚問」「(記者)会見」のうち筆頭に選んだ単語が「参考人招致」だった。

いったいブログ主は、籠池泰典の証人喚問の翌日に迫田英典が「参考人招致」を受けたものの、ニュースでもほとんど触れられないくらい何も成果がなかった事実をご存知ないのだろうか。

要求すべきはあくまでも嘘の証言を行うと偽証罪に問われる証人喚問だ。単なる参考人招致は、ジャーナリストの厳しい質問を受けることもない記者会見よりもさらに効果のない悪手なのだ。

こんなところにも、安倍昭恵をできるだけ傷つけたくないというブログ主の本音が見え隠れしていると思うのは私の偏見か。

この例からもわかる通り、反安倍・反自民のはずのブログからも「忖度」が強くうかがわれる。

これでは安倍夫妻のやりたい放題が止まるはずがないと思う今日この頃である。