最近、というよりはずっと前からなのだが、小林よしのりを「リベラル」が持ち上げる風潮に頭にきている。だから下記のブログ記事には強く同意する。小林よしのりの悪行を「免責」するな、と言いたい。
小林よしのり徹底批判(14)【番外編】なぜ小林を許してはならないか - 読む・考える・書く(2017年4月30日)より抜粋
最近、小林はしばしばリベラルっぽい発言を行うようになってきており、この変化を評価する人々もいるようだ。
(略)最近ネトウヨからは小林自身が「反日」「サヨク」扱いされているらしい。
しかし、だからといって小林のしてきたことを許すことはできないし、まして共闘などありえない。
その理由はまず第一に、このシリーズ記事の第1回でも述べたとおり、小林にはネトウヨや在特会のような悪質な反動層を生み出した製造物責任があるからだ。
(略)
第二の理由は、小林は差別者であるということ。
最近の例で言えば、昨年末の新千歳空港での騒動に絡めて、あからさまな中国人差別発言を行っている。
他にも、アイヌ民族の存在否定など、いくらでも出てくる。
とりわけ悪質なのは、貧困層の高齢者を安楽死させろという信じがたい暴言だ。
(略)
小林が共謀罪に反対するというのなら好きにさせればいいし、小林の影響力が利用できる場面があれば利用すればいい。しかし、同調したり信用したりするのは禁物。でないと、小泉純一郎の脱原発発言に引きずられてやったような失敗を繰り返すことになる。
(『読む・考える・書く』 2017年4月30日付記事より)
小林よしのりを持ち上げる、といえば反射的に思い出されるのが、例によってあのブログだ。リンクのみ示す。
- 共謀罪~小林よしのりがゴーマン(表現)抑制を懸念。参考人質疑が行なわれる : 日本がアブナイ!(2017年4月27日)
しかも、その小林よしのりですら自らが描いた漫画で真っ正面から要求している安倍昭恵の証人喚問を、決して自らは要求しない(参考人招致や記者会見でも構わないと言っている)ブログでもある。ブログ主の本音は、籠池泰典の証人喚問の翌日に公開された記事からうかがわれる。
籠池、昭恵秘書FAXの新爆弾~証人喚問で新ネタが続々。安倍自民、幕引きできず : 日本がアブナイ!(2017年3月24日)より
そもそも昭恵夫人の秘書が、財務省の国有財産審理室長に問いあわせを行なうこと自体、「総理夫人が関わっているのだ」と忖度を求めるようなプチ圧力がけになると思うのであるが。
以前にも批判したことがあるかもしれないが、「昭恵夫人の秘書」(経産省「準キャリア」官僚のT氏)を責めているようなニュアンスがある上、「『プチ』圧力がけ」などと、文字通りの矮小化を図っている。その後、「秘書ガー」どころではなく、極右思想に感化され切った安倍昭恵が積極的に森友学園事件に関与しまくっていた事実が明らかになってきている。
しかし、上記のような記事にもかかわらず、ブログ主自身が安倍政権を倒したいと思っている「リベラル」人士であること自体は疑えない。それなのに、なぜこんなことになるのか。
件のブログ主はある意味、「忖度と崩壊の時代」を象徴するような存在にも思える。
最近よく思い出すのは、聖書の下記の言葉だ。調べてみると、ヨハネ黙示録の第3章15-19節にあるらしい。私はキリスト教徒ではないので聖書の解釈が間違っているかも知れないが。
「わたしはあなたのわざを知っている。あなたは冷たくもなく、熱くもない。むしろ、冷たいか熱いかであってほしい。このように、熱くもなく、冷たくもなく、なまぬるいので、あなたを口から吐き出そう。
思えば、「忖度」は「なまぬるい」態度の最たるものだろう。この「崩壊の時代」において、人がもっともとってはならない態度だと思う。