kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

民進党支持者の7割が「安倍晋三の9条改憲構想」に反対らしいが……

前々からそうなのだが、民進党支持者と民進党国会議員の政治思想にはめちゃくちゃ大きな開きがある。

下記の産経新聞記事は、データの解釈自体は滅茶苦茶だが一応一部だけ引用する。私が議論の材料にするのはリンク先産経記事のグラフに示された数字だけであって、下記引用文に示した産経記者の文章は嘘八百であると私が認識していることをあらかじめおことわりしておく。

【産経・FNN合同世論調査】憲法改正、自民、公明、民進、維新…“お家事情”は各党各様(1/5ページ) - 産経ニュース より

【産経・FNN合同世論調査
憲法改正、自民、公明、民進、維新…“お家事情”は各党各様

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が13、14両日に実施した合同世論調査で、憲法9条改正への賛成が5割を超えた。改憲を目指す自民党は高い世論の支持を追い風に改憲議論を加速させたいところだが、具体的な改憲案の作成には曲折も予想される。連立を組む公明党や党内で意見が割れる民進党なども改憲をめぐり“お家事情”を抱えている。

自民、調整は難航?

 自民党支持層では、自衛隊の存在を憲法9条に明記する考えを示した安倍晋三首相(党総裁)の提案に77.4%が賛成し、自ら具体案を示すことで議論を加速させたい首相の“作戦”は奏功しているようだ。ただ、党内には「戦力の不保持」を定めた9条2項と自衛隊の存在明記とが矛盾するとの意見もあり、この調整が改憲原案作成の焦点となる。(以下略)

公明、支持層とねじれ

 公明党の支持層では自衛隊の存在を明記する憲法9条の改正について、賛成が58.6%で、反対の37.9%を上回った。井上義久幹事長は「憲法上明記しなければ、直ちに安全保障に支障がある状況でもない」と当面の9条改正に慎重な姿勢を示したが、支持層とのねじれが生じた。(以下略)

左旋回民進、逃げた保守層

  民進党支持層のうち憲法改正に「賛成」との声は20%しかなかった。細野豪志環境相のように党内には改憲論者も多いが、足元の支持層は改憲自体に否定的な意見が多くなっている。調査全体では各党が憲法草案を作るべきだとの意見が圧倒的多数ではあるが、政権交代前後の旧民主党を支えた保守層が逃げてしまったといえそうだ。

 首相が提案した憲法9条改正については民進党支持層の71.3%が「反対」。現行憲法が「今の時代に合っている」との回答も60%を占め、改憲に否定的な意見が目立った。

 民進党野田佳彦幹事長は15日の記者会見で、「憲法の議論は大いにやってもいいが、(党の考えを)早急にまとめる必要性はない」と強調。首相が提案した2020(平成32)年の新憲法施行についても「喫緊の課題は、北朝鮮への対応などたくさんある。憲法は丁寧にいろいろな問題を議論していくのが基本だ」と否定的な見方を示した。

 党内では細野氏が先月、独自の憲法私案を発表後、蓮舫執行部が改憲に消極的として代表代行を辞任した。前原誠司元外相ら改憲論者も多いが、蓮舫代表は今月3日、首相主導の憲法改正に「絶対反対しないといけない」との考えを示している。

 民進党は昨年の参院選から、憲法の全条項厳守を掲げる共産党との共闘路線にかじを切った。支持者に護憲論が多くなったとはいえ、憲法論議を避ける姿勢は「野党第一党」の存在意義を問われかねない。

維新、無償化浸透せず

 調査では、日本維新の会憲法改正の最優先項目に掲げる大学などの高等教育の無償化に対し、十分な理解が得られていない状況が浮き彫りになった。維新の主張通り「憲法を改正して無償化すべきだ」と答えたのはわずか17.5%で、維新支持層でさえ17.2%にとどまった。(以下略)

(産経ニュース 2017.5.15 22:24更新)


産経記者の駄文は全くのデタラメであって、民主党政権が見放されたのは、戦前の立憲民政党浜口雄幸内閣なんかと同じで、緊縮財政政策に走って雇用や賃金を悪化させたためだと私は考えている。民進党の国会議員が改憲派の保守や右翼だらけなのに支持者には護憲派や「リベラル」が多いことは以前とは全く変わらない。民進党が左傾したから支持者が逃げたなどという産経記者の主張は、政権交代前の小沢一郎代表時代からずっと選挙の度に民主党国会議員に占めるリベラル系議員の比率が低下し続けてきたことや、昨年の民進党代表選で3人の候補者全員が保守派だったことなどから明確に否定される。

問題は、民進党支持者の7割が安倍晋三の9条改憲構想に反対し、賛成は2割5分程度しかないのにもかかわらず、もう投開票日まで6週間に迫った東京都議会選挙において、彼らが支持しているはずの民進党ではなく、極右の野田数が代表を務める「都民ファ□ストの会」に投票する人間が多数いると思われることだ。直近では「都民ファ」の支持率がピークを過ぎてやや落ち目だとも聞くが、それでも投票までにはあと6週間しかないから、これまで民進党(前回都議選までは民主党)に投票していた層の「都民ファ」への流出は避けられないだろう。仮に都議選の結果民進議席が数議席に終われば、国政政党レベルでの「政界再編」が起きる可能性が高い。その局面で「都民ファ」の国政政党版新党が立ち上がるなら、それはく小池百合子や野田数や音喜多駿などの思想を反映した「改憲政党」にしかなりようがない。

産経の記事には共産党支持者の改憲賛成・反対についてはなぜか文章がないが、グラフを見ると共産支持者の3割が安倍9条改憲を支持し、6割が反対している。この数字もにわかに信じ難いものがあるが、数字を見る限り、民進支持層は共産党支持層以上に「安倍の9条改憲に反対」の傾向が強いにもかかわらず、彼らは自らが支持する政党の多くが保守や右翼である現状を批判しないし、それどころか私の知る限り批判を封殺しようとする傾向が強い。それにもかかわらず、「小池都知事公明党民進党の連携にちょっとワクワクしている」と書いた「リベラル」ブログに端的に見られるように、小池百合子自身が自らも自民党籍を持つ極右であること、「都民ファ」代表の野田数が安倍晋三など比較にならないほど過激な「超極右」であることなどを直視しようとせず、流行に身を任せて「都民ファ」へと靡こうとしている。

都民ファ」への投票が、民進支持者たちが嫌っているはずの「安倍9条改憲」への道を切り開くものにほかならないことなど誰が考えても明らかであるにもかかわらず、彼らはそういう行動をとってきたし、今後もとるだろう。なんでそんな自己瞞着を続けるのかといくら問い続けても、彼らは答えてくれない。

この光景を目にして私が思い浮かべる言葉は「集団自殺」である。