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古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「自衛隊明記」を批判する石川健治東大教授インタビューを東京・中日新聞が有料配信

石川健治・東大法学部教授が東京・中日新聞のインタビューに答えた、「『憲法から軍事力の統制なくなる』 自衛隊明記 最も危ない 石川健治・東大法学部教授に聞く」と題した記事が21日付の中日新聞及び東京新聞に掲載されたようだが、なんと有料記事だ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/kakushin/list/CK2017052102000116.html東京新聞

 戦争放棄を定めた憲法九条の一項・二項は残し、三項を新設して自衛隊を書き込む−。安倍晋三首相が提案した改憲案が波紋を広げている。憲法学者石川健治・東京大法学部教授は「最も危険な提案だ」と指摘する。改憲案の問題点を聞いた。(聞き手・桐山桂一)

東京新聞 2017年5月21日)


http://chuplus.jp/paper/article/detail.php?comment_id=459773&comment_sub_id=0&category_id=144中日新聞=無料で読める部分は上記東京新聞と同じ)

実はネットでググると東京(中日)新聞の記事を転記したらしい人間がいて無料で読めるのだが、ここには転記しない。無料でも読めるタイトルの通り、石川教授は、自衛隊を明記してしまうと軍拡に歯止めがかからなくなることを説いているのだが、その論理は必ずしもわかりやすいとはいえない。だからこそ「リベラル」が安易に「多くの国民が認めている自衛隊憲法への明記は、リベラル側からこそ提案すべきことだった」などと言い出すのだろうが、私はこの手の言説に接するたびに、「わかりやすさの落とし穴」という言葉を思い出して自戒することにしている。

一件「わかりやすい」言説には、往々にして落とし穴がある。

リベラルでありたいのであれば、まず、一見わかりやすそうな「憲法9条への自衛隊明記は、リベラル側からこそ提案すべきことだった」という言説に対し、「本当にそうなのか?」と疑ってかかる必要がある。ググれば無料で読める石川教授の主張を読んで自分の頭で考えてみるのも、リベラルでありたい人間にとって有益な行為なのではないか。

しかし、それにしても、東京(中日)新聞はどうして石川教授のインタビューを有料配信するのかね。安倍晋三に対する「忖度」でも働いているのではないかと勘繰ってしまう。

ちなみに石川教授は樋口陽一門下の憲法学者毎日新聞の昨年5月2日付の「特集ワイド」に掲載された「『クーデター』で立憲主義破壊 憲法学者石川健治・東大教授に聞く」も読める。こちらも有料記事だが、毎日新聞の場合はまだ月5ページだけ無料枠があるので、東京(中日)新聞と比較するとまだマシだと思う。私は今月3ページ目の無料枠で読んだ。但し、昨年のインタビューだから当然ながら「9条への自衛隊明記」に関する見解は知ることができない。
https://mainichi.jp/articles/20160502/dde/012/010/009000c