kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「内閣支持率調査は信用できない」と叫ぶ前に「標本調査」について勉強してみてはいかが?

この記事では、きまぐれな日々 安倍内閣の支持率低下、未だ歯止めかからず(2017年7月10日)にいただいた「元島民」とおっしゃる方のコメントを批判する。

http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1482.html#comment20689

でも那覇市では与党(翁長知事派)の右派が壊滅して、与党自体も議席を減らして過半数を割りました。

那覇市野党の自民党は相変わらず共倒れして3人当選させれる投票数で5人は落選(つまり二人立てすぎた)させてますが、それでも基地反対が離島より多い沖縄本島の中心で共倒れありとはいえ現有+3人も議席を増加させました。

今回も都議会自民党への批判票が小池支持に流れただけで、自民党の得票は小池の6割強もとってます。そもそも自民党公明党合わせた支持率より下回ってるので、おそらく4割弱または強には回復されるだろう、

後、支持率は1000人しか調査してないので当てにならない。ケチらないで地域ごとに万単位を調査するべぎだ。都議選でも共産党公明党の支持率が得票率に比べて圧倒的低すぎることからも分かるし、支持しないと答えても投票に行かない人が多いのはこんだけ報道された都議選に51%しか行ってないことからも分かる。そしてそもそもの昨今の選挙でさえ自民党の得票が有権者の4割に満たない。 6割支持しないでも、5割は得票に行かないから投票に行く支持しないが1割-2割になるのが今の有権者だ。今も支持しているのはコンクリート支持層なのに、閣僚交代で「閣僚に不満層」さえ戻ってきたら来年の解散で批判者はまた臭い飯の時代に戻されるとの予想には同意します。

2017.07.10 15:36 元島民


まず、那覇市議選で「与党(翁長知事派)の右派が壊滅し」た原因は、「オール沖縄」の翁長知事派の右派に原因を求めるしかありません。同じ選挙で共産党は候補者7人全員が当選したそうですから、「オール沖縄」の右派、あるいは共産党以外の党派の問題でしょう。国政の動向と直結する都議選のあとを受けた安倍内閣支持率低下についてのエントリに反論する論拠としては適切ではありません。

それからこのコメントの最大の問題点は、

支持率は1000人しか調査してないので当てにならない。ケチらないで地域ごとに万単位を調査するべぎだ。

というくだりにあります。「全数調査と標本(サンプリング)調査の関係について少し勉強してみてはいかが?」としか言いようがありません。標本数を10倍にしても調査の精度が10倍になる(誤差が10分の1になる)わけではありません。もちろん設問の文章や二度聞きの有無などの違いに起因する、調査機関による支持率の差はありますが、現在のようにどの機関の世論調査結果も同じように「安倍内閣支持率急落」を伝えている場合は、それは民意の反映であると理解すべきです。もちろん、仮に今後安倍内閣支持率がどの調査機関によっても「V字回復」を示した場合(それは後述のように、8月の内閣改造に伴って起きると予想されます)であっても、それを民意の反映であると考えなければなりません。

今まで、というか一昨年7月以降つい最近までは、いわゆる「リベラル・左派」に「内閣支持率調査は捏造だ」と言いたがる人たちが多数いましたが、私は彼らに与したことは一度もありません。一貫して「一昨年7月を底として安倍内閣支持率は『V字回復』を遂げてきた」と書いてきました。一昨年からつい最近までは、「リベラル・左派」が自らのアホを晒してきたが、今はネトウヨが自らのアホを晒しているな」というのが正直な感想です。

それから、

閣僚交代で「閣僚に不満層」さえ戻ってきたら来年の解散で批判者はまた臭い飯の時代に戻されるとの予想には同意します。

とのことですが、私はそんなことは一言も書いていません。

私が書いたのは、

 ただ、来月(8月)に行われるという内閣改造は、内閣支持率を押し上げる一定の効果を持つだろうとは確実に予測できる。

という一言だけです。それは、2007年8月の第1次安倍改造内閣発足を受けて行われた世論調査安倍内閣の支持率が顕著に上昇した事実を踏まえての予想です。たとえば、下記URLに示すANN(テレビ朝日系)の2007年9月の世論調査では、第1次安倍内閣支持率は、改造前、すなわち参院選惨敗直後の世論調査での内閣支持率24.3%から36.6%へと12.3ポイントの「V字回復」を記録しました。


小池百合子が "Please call me Madam Sushi." などと言って浮かれていたのは、この時の改造内閣で小池が防衛大臣に就任した頃の話です。この時と同じくらいの内閣支持率回復は覚悟しておいた方が良いぞ、という警告の意味を込めて書いたに過ぎません。

その改造による内閣支持率回復は一時的なものであって長続きはしないとも私は予想しており、それは歴代の多くの内閣で同様の現象が見られたことを根拠にしていますが、第1次安倍内閣については、安倍自身の「政権投げ出し」によって内閣が突然終わってしまったので、安倍自身の内閣の前例から今後の支持率の推移を予想することはできません。だから他の内閣の支持率の推移を根拠にするしかありません。

しかし、一度人格に疑問を持たれて人心離反を招いた安倍が挽回するには、カンフル剤程度の効果しか持たないであろう内閣改造では不十分で、もっと別の非常手段に頼らざるを得ないのではないかと思う次第です。それを実行するほど安倍が腹を括っているか、あるいは腹を括ることのできる人間かどうかまでは(もしそうであったら本当に恐ろしいことですが)私にはわかりませんが。