kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

もっともっと安倍晋三(と小池百合子)を追及せよ!

おかしい。

稲田朋美蓮舫も、私はずっと批判し続けてきたが(ことに稲田朋美は11年前に加藤紘一の実家が全焼した時にこれを笑いものにした悪行を知って以来ずっと、最近影が極端に薄くなった城内実ともども、天敵中の天敵としてきた)、しかし「敵の本丸」ではない。本丸はあくまでも安倍晋三だ。しかし、「リベラル・左派」を含む世論は、陸自PKO日報隠蔽問題に関して安倍晋三の関与を指摘する声が極端に小さい。

このことについて、都議選における「都民ファ□ストの会」の圧勝によって、小池百合子が批判されることがますます少なくなったこととともに、私が昨今の政治をめぐる状況でもっとも強い不満を持っている。

安倍総理への忖度」は、「リベラル・左派」を含む日本国民全体にいまなお蔓延し続けているように思う。たとえ内閣支持率が26%にまで下がろうが、「支持はしないしどちらかといえば不支持だし安倍総理の人柄も信用していない」という自己認識を持っている人たちであってもなお、安倍晋三という人間の真の恐ろしさを理解していないのではないかと思う。

同じことを小池百合子についても思う。

小池百合子については、かつてこの日記の常連コメンテーターだったさるお方が、最近はすっかり「ツイートのまとめ」ばかりになってしまってそのせいかコメントも(この日記ほど過疎ってはいないとはいえ)すっかりまばらになってしまった某有名ブログのコメント欄でしきりに毒づいておられるが(あのお方、今年1月までこの日記にコメントされておられた時にはしきりに東京新聞を擁護して朝日新聞をこき下ろしておられたが、いつの間にか朝日を宅配で購読しておられるようにお見受けするw)、ブログのコメント欄の読者はブログ本文の読者の10〜15%というのが私が得た経験則なので、それに照らして言えば氏のコメントの読者はこの日記の読者よりももっと少ないだろう。ひところならご自身でブログなりを開設されれば良いのに、と書くところだが、最近はブログで長文をものすることはあまり流行らないのでおすすめはしない。蟷螂の斧を振り回し続けるのも、労多くして功少ないたいへんな作業だ。

さて、『広島瀬戸内新聞ニュース』が安倍晋三小池百合子を戦前日本の政治情勢を重ね合わせてまとめて批判する記事を昨日公開したので、以下に紹介する。

【歴史】安倍自民党=立憲政友会・田中義一(森恪)、小池ファースト=立憲民政党・浜口雄幸(永井柳太郎) : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2016年7月27日)

今の国の状態は東條英機末期に似ている。東京五輪なんて、まさに特攻隊状態。しかし、政権の状態は、立憲政友会田中義一内閣(1927ー29)の末期に酷似しているような気もする。そして、小池ファーストが戦前の二大政党のもう一方の立憲民政党に酷似している。

立憲政友会は、旧来型企業+田舎のお金持ちを基盤としていた。アベノミクス田中義一の積極財政は似てなくもない。総裁が山口県出身という点も安倍自民党と似ている。

森恪という田中総理腹心の政党政治家は慶応幼稚舎を落第して、慶大に進学できなかった、一橋大学にも不合格になって親のコネで三井物産に就職した経過は、安倍晋三によく似ている。

その森は、「東洋のセシル・ローズ」を自称。

田中内閣の外務政務次官として、中国侵略政策を進め、軍人出身の田中総理以上に過激な帝国主義を進めた。

その結果、済南事件や、満州某重大事件が発生。その責任を、現地司令官に転嫁した点は、安倍総理が防衛次官、陸幕長にばかり責任を押しつけている点にそっくりである。

田中義一総理が天皇の怒りを買っているという点も安倍総理に似ている。


他方、立憲民政党は都会のインテリと新興企業を基盤としていた。小池ファーストにそっくりである。

浜口雄幸に代表される新自由主義的な経済政策と、大都市向けの一定の社会政策、そして永井柳太郎的な親軍的な側面のサンドイッチ。

野田数代表みたいな極右を抱え込んでいるという意味でも小池ファーストは立憲民政党に酷似している。

現代の日本では、野党連合が、そうはいっても政権を伺う位置に居るのが戦前とは違う。
自民、野党、小池の三国志状態である。

野党連合が気をつけるべきは、戦前の社会大衆党のように、苦し紛れに陸軍と組むような愚挙をしないことであろう。

敵を怖がる余り、浮き足立たないことである。立憲主義、庶民福祉の充実という軸をしっかり持って、腰を据えることだ。


このあたりは今年2月から5月にかけて、松本清張が1960年代に書いた『戦後史発掘』(文春文庫新装版で全9巻)を苦労して読んだ私には、そのおさらいと、日本近代史を援用して今の日本の政治を考えるに当たって格好のお手本のように思える。

森恪(もり・かく、「かく」の本来の読みは「つとむ」*1)は戦前日本史の中でも特に陰惨な、それこそ背筋が凍るような印象を与える人間だ。私は清張の本を読む前から森の名前とその底知れない悪印象の記憶だけはあったが、森のなした悪行はすっかり忘れていた。あまりにも恐ろしいこの男についてはネット検索もかけてある程度調べたが、この日記で言及したことは一度もなかったようだ。

『広島瀬戸内新聞ニュース』からもう一本。前の記事は稲田朋美の辞意表明前に書かれたものだが、下記記事は稲田の辞意表明を受けて書かれた。

[歴史]田中義一は天皇の「ご叱責」で辞めたが安倍晋三は? : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2017年7月27日)

満州某重大事件ならぬ南スーダン某重大事件(「現地で戦闘状態」日報隠蔽)。
防衛次官、陸幕長に続き、稲田防衛大臣が辞めると言う。
しかし、最後の大物が残っている。安倍晋三だ。

ちなみに張作霖爆殺=満州某重大事件は、村岡司令官、河本大佐に人事上の処分、田中義一内閣総辞職と言う結果だった。

満州某重大事件の首謀者は村岡司令官といわれているが、本当の黒幕(扇動者)は総理腹心のお坊ちゃん純粋政党政治家の森恪(もりかく)外務政務次官だろう。文民暴走である。

森恪は、慶應幼稚舎でありながら、素行と成績が悪くて慶應ボーイになり損ねた。平沢勝栄家庭教師につきながら成績が伸びなかった安倍晋三にウリ二つな男だ。

三井物産に親父のコネで入社。立憲政友会に入党し、金の力で議席を買う。

陸軍軍人だった師匠の田中より過激な帝国主義者だ。「東洋のセシル・ローズ」を自称。
日本の中国侵略は森が構想したといっていい。

森は1932年、50歳の若さで急死。しかし長生きしていれば間違いなく、政党政治家の帝国主義者としてA級戦犯は間違いなかったろう。
ひょっとしたら東條英機の代わりに死刑になったかもしれない男だ。
5.15事件では自分の直属の上司の犬養毅が暗殺されたのに、会心の笑みを浮かべたという。暴走する青年将校たちの黒幕が、森だったということだろう。

さて、田中義一天皇の「ご叱責」があるまで、満州某重大事件の責任を村岡司令官一人に責任をなすりつけ、野党の中野正剛代議士にあきれられた。

天皇の「ご叱責」で田中義一が辞めたのは後味が悪く政党政治を危うくした。天皇も後に後悔したほどだ。戦前でも異例だった。

まして、現代日本では国民主権者の民意で安倍晋三を退陣させるべきだ。
さもなくば、安倍自身の暴走で大変なことになることはもちろんあり得るし、他方で、自衛隊員の不満が高まり、不測の事態を招きかねない。

森恪は1932年の5.15事件で犬養毅が暗殺されたことを露骨に喜んだほどの根っからの大悪党だったが、その直後に自らも病を得てこの年を越すことができなかった。因果応報といえなくもないが、森のなした悪行は早世くらいではその到底釣り合わないくらい重大だった。

板垣退助自由党時代から政友会と強い結びつきのあった三井(三井物産*2出身の森は自らも政友会の議員になったが、三井が右翼の北一輝に資金援助をしたことにも*3森が関与していたとされる。北は森から得た政界のアングラ情報(の一部)を三井や三菱に流していたようだ*4。また、政友会の鳩山一郎が陸軍や右翼と一緒になって民政党政府の「統帥権干犯」を国会で追及するという、愚劣極まりない政党政治の自殺行為を行ったことがあったが*5、鳩山をそそのかしたのも森だったといわれている。Wikipediaによると、森は「(1932年)12月11日、持病の喘息に肺炎を併発し、滞在先の鎌倉海浜ホテルにて十河信二鳩山一郎・薫夫妻に看取られ死去」したという。稀代の悪党・森恪を看取った鳩山一郎が、なぜ今に至るまで「リベラル」のイメージを持たれているのか、私にはさっぱり理解できない。

その森恪は、生涯を謀略で明け暮れたような陰険極まりない人間だった。何があってもまず隠蔽、籠池泰典も加計孝太郎も雲隠れさせてしまう安倍晋三、御用ジャーナリスト・山口敬之の準強姦罪容疑ももみ消させてしまう安倍晋三、自らに刃向かった前次官の謀略報道御用新聞にやらせる安倍晋三陸自PKO日報の隠蔽をも指示または了承したに違いない安倍晋三は、まさに森恪の劣化コピーだ。ただ、手口があまりにも稚拙というか単純(何でもかんでもひたすら隠そうとするだけ!)なので、悪事がすぐ露見してしまうことだけは森恪とは大違いではあるが。

しかし、その安倍晋三に対する自民党内、野党、マスコミにとどまらず広く日本国民全体に蔓延している「忖度」なる、私にとっては全く理解も容認もできない風潮は、今なお広く蔓延している。安倍の日報隠蔽疑惑を追及する声がいっこうに盛り上がらないのはそのせいだ。

このことを深く憂える今日この頃なのである。

*1:ネットでは「森格(いたる)」と誤記されている例が散見される。

*2:三井のライバル・三菱は政友会のライバル・民政党と強く結びついていたが、同様にその関係は大隈重信の改進党時代に遡る。

*3:北一輝は三菱からも資金援助を受け、その見返りに三井や三菱に情報提供などを行っていたが、財閥から援助で受けた資金を私物化して豪邸を建てるなど、2.26事件の責任を問われて逮捕される直前まで(のち処刑)、堕落し切った生活を送っていた。

*4:一方で三井や三菱は陸軍の青年将校やその他の右翼に目の敵にされ、しばしば暗殺の対象にもなったが、北一輝は明らかな二重スパイだった。

*5:この件と滝川事件を引き起こしたことは鳩山の二大悪行である。誰か鳩山由紀夫にこれらの件に関するコメントを取ってくれないものかといつも思っている。