kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

前原誠司と松野頼久の「『維新との連携』の意向」はリップサービスに過ぎないだろうが

この件、時事通信の報道は大真面目なのだが、実際には前原誠司の新代表就任の挨拶回りで交わされた軽いやり取りに過ぎなかったようだ。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090800919&g=pol

前原氏、維新と連携意向=野党共闘に影響も

 民進党前原誠司代表は8日、各党あいさつ回りの一環として、日本維新の会片山虎之助共同代表らと国会内で会談し、同党に連携を呼び掛けた。共産党は維新を「与党の補完勢力」と批判しており、自由、社民両党を含む野党4党の共闘に影響を与えそうだ。
 席上、維新の遠藤敬国対委員長が「野党4党の枠組みはどうなるか」と尋ねたのに対し、民進党松野頼久国対委員長は「(維新も加えた)5党でやろう」と提案。これを受け、前原氏も「冗談抜きに、しっかりと連携してほしい」と述べた。片山氏は態度を明確にしなかった。

時事通信 2017/09/08-16:15)


これと同じ件を産経の詳しい記事で読むと、その「軽さ」がよくわかる。

民進党新執行部と維新幹部の懇談 意外にも盛り上がった理由とは…(1/2ページ) - 産経ニュース

民進党新執行部と維新幹部の懇談 意外にも盛り上がった理由とは…

 民進党前原誠司代表ら新執行部の役員は7日、与野党の国会内の控室を訪ね、新任のあいさつを行った。その中でも、幹部同士の懇談がひときわ盛り上がったのは日本維新の会だ。維新は、民進、共産、自由、社民の野党4党とは距離を置いている上、民進党への手厳しい批判を繰り広げる議員も少なくない。いったいどういう風の吹き回しなのか−。

 この日は前原氏や枝野幸男代表代行、大島敦幹事長、松野頼久国対委員長階猛政調会長民進党幹部が各党を回った。維新の控室では、片山虎之助共同代表と遠藤敬国対委員長下地幹郎国会議員団政調会長が応対した。

 遠藤氏は、普段の野党国対委員長会談などが維新を除く4野党で開催されていることを念頭に、松野氏に「どうですか? 野党4党の枠組み」と水を向けた。

 すると松野氏は二つ返事で「5党でやりましょうよ」。維新の3氏とは旧維新の党で一緒だった松野氏は、昔のよしみからか、あっさりとこう返答した。

 とはいえ、これまで4党間の積み重ねがそう簡単に覆るとも考えにくい。遠藤氏は「『野党4党』というマスコミが書く表現はなくなるわけですね」と念押ししたが、松野氏は「なくなります。野党5党!」ときっぱり言い切った。

 松野氏の「リップサービス」に終わりそうな予感は拭えないものの、ひとまず場は大盛り上がり。ただ、民進党の前国対委員長として4野党の枠組みを堅持してきた山井和則国対委員長代行はひたすら苦笑を浮かべ、遠藤氏から「山井さんは僕を入れてくれなかった」とジャブを入れられると、「諸般の事情で…」とバツが悪そうに口ごもった。

 懇談は終始なごやかな雰囲気だったが、10日に告示される堺市長選は、民進党などが推薦する現職と維新系新人が激突する構図だ。下地氏は、連携を望むなら選挙への姿勢で示せと言わんばかりに、こうつぶやいた。

 「自主投票にしてほしかった」

(産経ニュース 2017.9.8 13:58更新)

産経と時事の記事を併せて読むと、前原誠司民進党新執行部の挨拶回りが維新の控え室にやってきた時、維新の遠藤敬が「野党共闘」への厭味を口にしたところ、松野頼久が「野党5党」と軽口で答え、それを受けて前原が「冗談抜きに、しっかりと連携してほしい」と言ったもののようだ。

だが、ネット(や時事通信の報道)で、これが冗談と受け取られていないのは、松野には一時期「維新の党」に所属していた経歴があり、前原は前原で「維新党の合流は100%」と断言しながら実現させられなかった過去を持っているからだ。

これが「マスコミ報道の針小棒大発言」とばかりも言えないのは、自分たちがこういう笑えない過去を持っているにもかかわらず、前原や松野の発言があまりにも「軽い」ことだ。民進党といえば、今日も5議員の離党報道が出るなど「解党の危機」にある政党なのに、執行部がかくも緊張感を欠くようではどうしようもない。下記『広島瀬戸内新聞ニュース』の記事が批判するのももっともだ。

軽すぎる前原代表、民進党を解党させかねない : 広島瀬戸内新聞ニュース(社主:さとうしゅういち)(2017年9月8日)

民進党と組んだら「公務員(労組)に天誅!」票が逃げるので維新も受けないと思うが


前原さんの発言は社交辞令だとは思います。片山虎之助さんも面と向かって断ると言うことはないでしょう。

マジで組むことは維新の利益にはならない。維新に投票している票の多くが、「公務員(労組)に天誅!」という人の票だと思います。


従って、民進党と組んだら、維新を支持しているような票がかなり維新から逃げる。従って、民進党と連携する利益は、維新側にはないでしょう。そういう人の票は維新が安倍自民党にすり寄りすぎた結果、逃げている面もある。東京では意外と小池ファーストに対して独自色を発揮しているのはそういうことへの「反省」も維新にはあったと思います。従って、民進党との連携には余計に慎重になるでしょう。


なお、小池ファーストの場合は、政策なんてどうでも良くて、「小池さんについていけば、なんとかなる」的な集団なので、連合とは融通無碍に組んでいます。ただし、民進党本体に対しては、「議員を引き抜く対象」としかみていない。


そして、きちんとした「軸」がない状態であっちともこっちとも「組みましょう」という、前原さんの「軽さ」は大問題です。結局、維新相手はともかく、小池ファーストには足元を見られるだけです。議員を引き抜かれまくって解党、ということになりかねない。


そもそも、前原さんは、電力総連の大会で、改憲議論に応じることを表明するなど、「安倍政権下での改憲議論はNG」という岡田代表時代の水準から大きく後退しています。岡田代表時代に確立した近代立憲主義という軸(綱領)を自ら放棄している。

「現行憲法さえ遵守しない政権下での議論に応じない」という岡田路線は、まっとうなことです。

「こんなことなら、岡田克也がずっと代表のままのほうが良かった」

そんな風に思ってしまいます。

上記は昨日(9/8)公開された記事だが、さっそく民進党5議員の離党と小池ファ★スト入りの意向が報じられた。彼らが小池ファ★ストからの勧誘になびいたものであろうことは想像に難くない。離党希望議員の実名は午前中に書いた記事から引用した産経が5人とも暴露したが、背景は下記日刊スポーツの記事(自社取材記事か共同通信あたりからの配信かは知らない)が詳しい。

https://www.nikkansports.com/general/news/1885081.html

山尾議員不倫騒動で民進崩壊危機 5人前後離党か

 山尾志桜里衆院議員(43)の「不倫疑惑報道離党劇」で混乱する民進党が、空中分解の様相をみせてきた。同党の衆院議員5人前後が、近く離党を検討していることが8日、分かった。既に離党した細野豪志衆院議員や、小池百合子都知事の側近、若狭勝衆院議員が目指す「小池系新党」への参加が有力だ。前原誠司代表の求心力は就任直後にもかかわらず、急速に低下。“党崩壊”の引き金を引きかねない「ドミノ離党」が、現実味を帯びてきた。

 関係者によると、離党を検討しているのは、当選5回以下の中堅、若手。国会の論戦に登場してきた議員も含まれる。いずれも、次期衆院選での共産党との選挙協力に異論を主張する立場で、早ければ来週半ばにも離党の是非を判断する方向だ。複数の民進党関係者が、明らかにした。

 5人は離党した場合、細野氏や、政治団体日本ファーストの会」や独自の政治塾を設立し、年内の新党結成を目指す若狭氏らと連携し、新党設立に向けた準備会の結成に参加するとみられる。協議がまとまれば、年内に10人規模の新党が発足する可能性がある。 若狭氏は国政新党を通じて、小池知事と連携する方針で、国政版「小池系新党」と目される。すでに細野氏や、4月に離党届を提出した長島昭久衆院議員ら民進党出身議員とも会談。離党予備軍の「受け皿」となることが有力視されている。離党を検討する、ある議員は「来週の中ごろに最終判断したい」と説明。別の1人は「地元支援者は離党に賛成している」と話した。地方議員に離党の可能性を伝えた議員もいる。

 若手ホープだった山尾氏の離党劇で、混乱が止まらない民進党。今回5人前後が離党すれば、1日に就任したばかりの前原代表には大きな痛手だ。ただ執行部も「集団離党」の動きは把握。党最大の支持団体・連合を通じて、離党を踏みとどまるよう説得しており、連合の神津里季生会長は5日に細野氏と会談し、民進党からの離党議員は推薦しない考えを伝えている。

 同党では、7月の東京都議選惨敗を受け、細野氏や当選1〜3回の議員計4人が離党届を提出したばかり。それ以来の離党ドミノとなる可能性がある。

(日刊スポーツ 2017年9月9日9時38分)

日刊スポーツが「崩壊危機」と書く通りの民進党の代表と国対委員長の緊張感のなさはなんということだろうか。

「あの代表、あの国対委員長にしてこの政党あり」と思わずにはいられない。