kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

若狭勝、「一院制が新党の一丁目一番地」だってさ(呆)

民進党右派議員たちにとっての「青い鳥」である、「小池ファ★スト」の国政政党だが、本当のところをいうと、この「新党」は急失速し、仮に立ち上がっても衆院選に惨敗するのではないかと私は予想している。

その最大の理由は、間違っても小池百合子本人が衆院選に出馬することはあり得ないからだ。何しろ小池は絶大な権力を持つ東京都知事だ。その権力を手放して、何議席取れるかわからない衆院選に出馬するはずがない。新自由クラブでも日本新党でも党首が出馬しない選挙はやらなかった。カリスマ自身が選挙に出てこない政党がどれだけ議席を取れるだろうか。大いに疑わしい。

しかも、「都民ファ□ストの会」でみんなの党系の音喜多駿が離反の兆しを見せるなど、早くも小池の求心力に陰りが見える。報道ステーションNEWS23後藤謙次星浩に「密室政治」を批判されるようになったことも、小池を巡る空気が変化しつつあることの表れだろう。小池などもともと昨年都知事選に立候補する前は、総理大臣に返り咲く前の安倍晋三同様、自民党内でも「過去の人」と化しつつある存在に過ぎなかった。本質的に小物の政治家なのだ。

もう一つ、小池が頭を痛めているのは、新党の参加希望者が民進党(右派)の連中ばかりだということだろう。あまりに民進党色が強まると党の勢いは落ちる。いうまでもなく民進党有権者に持たれている悪いイメージのせいだ。これまで小池がうまくやってきたのは、「民進党色を出さない」、「民進党とは一線を画する」態度を貫いてきたからだ。昨年、蓮舫がすり寄ってきたのを強く拒絶したが、これが小池の戦術の基本であることを、特に民進党の支持者やシンパ(小池に「ワクワク」したお方など)は肝に銘じる必要がある。実際、「都民ファ□ストの会」には民進党離党者もずいぶんいるが、それ以外の、公募に応じた人間や自民党などからの離党者も多い。

しかし、小池ファ★ストの予定国政政党では、細野豪志長島昭久、特に細野とその系列の民進党離党者やその予備軍ばかりが目立っている。これではまずい。そう小池が思っているであろうことは想像に難くない。

一昨日(9/13)、若狭勝がフジテレビのインタビューに応じて、「国会の一院制が小池ファ新党の一丁目一番地だと言ったらしい。「一院制」で思い出されるのは、かつてみんなの党日本維新の会一院制を強く求めていたことだ。下記は2013年の日経の記事。

二院制、8党が維持主張 みんな・維新は一院制 :日本経済新聞

二院制、8党が維持主張 みんな・維新は一院制

 参院憲法審査会は22日、国会の「二院制」について議論した。一院制への移行を訴えたみんなの党日本維新の会以外の8党が二院制の維持を主張。参院で野党が多数を占める衆参の「ねじれ」の打開策の提示も相次いだ。

 民主党は「二院制を堅持しつつ両院の機能と役割分担を明確化し、議会の活性化につなげることが必要だ」とし、決算審議や行政監視の充実を通じて参院の独自性を強める必要性を指摘した。自民党も「参院の『再考の府』『良識の府』としての役割は大きい」と二院制の維持を求めた。

 みんなの党は「一院制にすれば効率的な審議、迅速な政策決定、経費の削減も実現できる」と述べ、衆参両院の統合を主張。維新も「日本の政治はスピード感がなさ過ぎる」とし、衆参両院の廃止による新たな一院の創設を掲げた。

 二院制の維持を求めた党からはねじれ対策の提案が続いた。自民、公明、生活、みどりの風の各党は衆参両院で議決が異なった場合に開く両院協議会の決定をしやすくする見直し案を示した。

日本経済新聞 2013/5/22付)


また、下記は一昨日のFNN(フジテレビ系)の報道。

https://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00370309.html

「若狭新党」 「一丁目一番地」は一院制
09/13 21:23

東京都の小池知事に近い若狭 勝衆議院議員は13日夜、FNNのインタビューに応じ、年内結成を目指す国政新党の政策の柱に、「一院制」を掲げることを明らかにした。
若狭衆院議員は「衆議院参議院を統合して、一院制にする」と述べた。
若狭氏は、衆参両院を統合した「一院制」を、新党の政策の柱にする考えを示した。
理由としては、国会議員の定数を大幅に削減することで、「コスト削減」や「スピーディーな決断」が可能となり、「しがらみ政治」からの脱却が実現できると強調した。
一院制」については、小池都知事民進党を離党した細野元環境相らも「同じ考えだ」と述べた。

(FNNニュースより)

これには2つの狙いがあると思われる。

まず、「小池ファ★スト」国政政党が「改憲政党」であることを明確に打ち出すことだ。一院制にするためには改憲が必要だ。

もう一つは、旧みんなの党や維新を引きつけることだ。

渡辺喜美は熱烈な小池百合子応援団員として報じられたが、よほど人望がないのか、小池ファ新党に入る仲間を引っ張ってきたなどの話は全然聞かない。

今回の一院制の件は、これではまずい、と考えた渡辺が小池に入れ知恵して、それを小池の傀儡・若狭勝が言い出したのではないかと私は勘繰っている。何しろ小池ファは完全ブラックボックスというか「ブラックホール」勢力なので、内部で何が議論されているか情報が全然漏れてこない。だから想像するしかないのだ。

だが、一院制など2013年には自民党民主党(当時)も賛成しなかった政策だ。

腰の軽い細野豪志は「同じ考えだ」と軽率に言ったらしいが、長島昭久は距離を置いているらしい。これは細野が軽すぎるのであって、長島が慎重な態度を取るのは当然だ。こんなことをやっているから「小池ファ★スト」国政結成のタイミングが遠のく。

そもそも「一院制」が一丁目一番地って何それ? というのが多くの人の感覚だろう。私もそうだ。「情報公開」なら、都ファの実態がその真逆(まぎゃく)であることが明らかになりつつあるとはいえスローガンとしては訴求力があったが、「一院制」にはそれもない。現に、小池らと同じ極右政治家である自民党片山さつきにまで早くも馬鹿にされている。

もしかしたら、小池ファ★ストの国政政党結成はいつになるかわからない情勢になるかもしれない。小池百合子の求心力は本来その程度であり、今はそのメッキが剥がれつつある段階だ。

ここで問題になることが一つある。安倍晋三衆議院解散のタイミングだ。

小池ファの国政政党がいつ結成されるかわからないのであれば、民進党議員が小池ファに引き抜かれまくったあとでおもむろに衆議院を解散するのではなく、もっと早く、極端な場合には臨時国会開会冒頭に衆議院解散に打って出る手もある。現在の小池ファ国政政党予備軍の迷走を見ていると、彼らは安倍晋三に早期衆院解散のインセンティブを与えているも同然だな、と思う。

民進党にとって具合が悪いのは、前原誠司を代表に選んでしまったことだろう。

これが枝野幸男であれば、離党者の離党届を認めず除籍するとともに選挙で「野党共闘」の刺客を送ることを強く打ち出し、それが離党希望者への脅しとなって党をグリップすることができただろうが、代表選の選挙戦中に細野一派(小池ファ★スト)との連携の可能性に含みを持たせていた前原では、枝野の場合に想定されるような強い姿勢を取れるかは疑わしい。前原は、実際に離党届を出す人間が現れて初めて、除籍や刺客について言及するようになったが、完全に後手に回った。離党届を出した(出す)議員も、前原なら小池ファ新党に協力してくれるだろうとか、前原なら自分たちに刺客を送ってこないだろうなどと前原をなめてかかり、だから前原が執行部人事で枝野陣営に配慮しただけで簡単に離党届を出した(出す)ものだろう。

どうしようもなく腐り切った連中だと呆れるほかないが、前原誠司を選んだのは民進党員やサポーターたち自身であり、自業自得だ。毎度書くように、この党はなるようにしかならない。

ただ、小池ファ★スト失速の気配が見えてきたのは、暗闇の中のかすかな光明だ。小池はおそらく、誰か大物を引っ張ってこようと画策しているものと想像されるが、かつて橋下徹松井一郎安倍晋三を引っ張ってこようとして失敗したこともある、カリスマ性では明らかに橋下に劣る小池百合子ができることなど知れているだろう。

どうか小池ファ国政政党が「大山鳴動して鼠一匹」に終わってくれないかとのかすかな希望を抱く今日この頃なのである。