kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

「細野氏、野田前首相に謝罪=排除は『小池氏指示』と釈明」(時事)

日経新聞世論調査によると、希望の党政党支持率が2%にまで低下した*1

支持率14%の立憲民主党に大きく水を開けられた形だ。

希望の党については、少し前に自民党石破茂がかつての民社党になぞらえて高く評価していたが(右翼タカ派という点で、旧民社党と石破と玉木雄一郎以下の希望の党との共通点は多い)、民社党というのは社会党の左右分裂以来ずっと長期的に党勢が低落していった野党だ。自民党に政策の近い野党は支持が得られず没落し、二大保守政党には至らないというのが日本の政治風土であって*2、ただでさえ希望の党には党勢縮小への惰性力が働いている。しかも同党は小池百合子の人気を当て込んで設立されたバブル政党だから、徐々に衰退するよりも一気に弾ける可能性の方が大きい。

その希望の党に加わった「野望政治家」の中でも、小池百合子と並んでもっとも悪い印象を世の人々に与えたのが細野豪志であることは、衆目の一致するところだろう。

昨日(27日)には、蓮舫民進党代表を務めていた頃には小池百合子へのすり寄り路線を主導していた野田佳彦にまで、自サイトに公開した文章で痛烈に批判された。それは時事通信に報じられ、産経や朝日なども後追いして、ネットではまたまた「細野叩き」が大いに盛り上がっている(笑)。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017112700675&g=pol

細野氏、野田前首相に謝罪=排除は「小池氏指示」と釈明

 衆院会派「無所属の会」の野田佳彦前首相は27日付の自身のブログで、希望の党細野豪志環境相から衆院選前に希望への公認申請を辞退するよう促されたことに関し、細野氏から「大変失礼な発言をしてしまい申し訳ありません」と謝罪されたことを明らかにした。

 細野氏は衆院選での公認について、野田氏らを念頭に「三権の長を経験した方々は、ご遠慮いただく」と発言。野田氏は無所属で立候補した。野田氏によると、細野氏は1日に衆院本会議場で謝罪し、「上からの指示でやむを得ず(言った)」と、排除は代表だった小池百合子東京都知事の意図と釈明したという。
 野田氏はブログで、小池氏について「『寛容な保守』という(希望の)看板は偽りであり、極めて非寛容で排除の論理を振りかざす人物だった」と批判した。

時事通信 2017/11/27-15:07)


野田佳彦の元記事は下記。

かわら版 No.1109 『股くぐりの真相』 | 詳細 | かわら版|衆議院議員 野田よしひこ(2017年11月27日)

 11月1日、特別国会が召集された日の出来事です。総選挙後緊張感を抱きながら初登院し、衆院本会議場の新たに指定された議席に座っていました。すると、希望の党細野豪志議員が近づき、私に声を掛けてきました。

 「大変失礼な発言をしてしまい申し訳ありませんでした。あの発言は上からの指示でやむを得ず…。」うんぬんかんぬんと謝罪のような言い訳のような内容でした。私は、「ああ、そうだったの」と答えるしかありませんでした。

 あの発言とは、衆院が解散され民進党希望の党への合流を両院総会で決めた日の夜、細野議員がBS放送の番組で「三権の長経験者は遠慮してもらいたい」と述べたことを指します。翌朝、私は「先に離党していった人の股をくぐる気はまったくない」と言明し、無所属で戦う決意を固めました。野田政権で環境相を務めた細野氏らに頭を下げてまで公認を求める気にはなれなかったからです。

 私の発言の背景には、中国の故事「韓信の股くぐり」がありました。韓信劉邦の天下統一に貢献した名将です。若い頃、街中でチンピラに喧嘩を売られますが、言われるままに黙ってその男の股の下をくぐって笑い者になります。大志を抱く者は屈辱にもよく耐えるという意味です。

 戦いを前にした私の直感は、故事成語よりも意地と矜持を優先しました。政党や政治家の歩みは、そう簡単にリセットできるとは思えなかったからです。

 細野議員から事後説明を受け、実は主謀者が党首だった小池百合子都知事であったことを改めて知り、私の判断に誤りがなかったと確信することができました。「寛容な保守」という看板は偽りであり、極めて非寛容で排除の論理を振りかざす人物だったとは…。同時に上からの指示を明らかにする細野氏の真意についても、不可解としか言いようがありません。

 希望の党は、小池代表が退き都知事に専念することになり、玉木雄一郎議員が新たな代表に選任されました。玉木議員は私が民進党幹事長の時に、幹事長代理としてサポートしてくれた政治家です。小池氏への期待と評価が劇的に下がりつつある中、失望を希望に変えていくことは至難の業かもしれませんが、是非頑張ってほしいと思います。

 一方、枝野幸男代表率いる立憲民主党は、思っていた以上の選挙結果となり高揚し過ぎています。独自性にこだわり、言動も尖り(とがり)がちです。久し振りに国政復帰した人や新人も多いため、野党第1党にもかかわらず国会対策などで力量不足を感じます。他の野党の協力をもっと求めたほうがいいのではないでしょうか。肩の力をもう少し抜いて…。

 無所属の会は、立憲民主や希望をはじめとする野党の接着剤になっていくつもりです。


上記の文章には、蓮舫民進党代表時代に幹事長として小池百合子にすり寄った野田佳彦自身の反省が欠けているという大きな問題があると私は思う。

しかし、野田が細野に腹を立てたのは当然だろう。野田にも問題はあるが、細野は全くの論外だ。

「謝罪のような言い訳のような内容」という言葉に、細野に対する野田の深い軽蔑の眼差しが看て取れる。

もっとも、野田の「『寛容な保守』という看板は偽りであり、極めて非寛容で排除の論理を振りかざす人物だったとは…。」との感想には、「自分が排除されてやっと気づいたのか。おめでたいなあ」としか思えないのも確かだ。なにしろ私は、8月2日の時点で小池が排除に走ることを的確に予想していたのだ。もちろん、当時同様の観測をしていたのは私だけではなかった。こんなことは、小池に対して厳しい目を向ける人間なら誰でも気づいていたことに過ぎない。しかし当時は「リベラル」層においても小池に「ワクワク」する人たちが多数だった。そしてその「小池幻想」は当事者である野党の政治家の間にも蔓延していたのだった。

しかし、小池も酷いが小池にすり寄った細野はさらに酷いのもまた確かだ。

あれほど率先して小池にすり寄りながら、選挙に惨敗するや「あれは上(小池)からの指示で止むなく……」などと言い訳をするとは最低だろう。

思えば細野とは、誰にでもすり寄る最低の政治家だった。民主党政権時代からずっとそうで、仙谷由人前原誠司らの「凌雲会」に所属しながら小沢一郎にすり寄り、かと思えば菅直人にすり寄った。

なぜこんな人間が自ら「自誓会」なる派閥を立ち上げることができたのか、私には不思議でならない。もちろんこの派閥に集まった人間は右翼ばかりだが、右翼の世界ではこんなにも腰が軽く信念など全く感じられない人間が珍重されるのだろうか。

まったくもって右翼の世界は理解不能なことばかり、と思う今日この頃だ。

*1:https://twitter.com/miraisyakai/status/934773015522426880

*2:これは国民性だのDNAだのとは関係ない。これまでの歴史によって、そのような惰性力が生じているということだ。これを無理に変えようとして失敗したのが、かつての新進党小沢一郎から今年の小池百合子に至る日本の保守政治家たちのここ四半世紀ほどの悪あがきだ。