kojitakenの日記

古寺多見(kojitaken)の日記・はてなブログ版

安倍政権、労働者保護も削除へ(怒)

財務省による森友事件に関する文書の書き換えの件は公文書の変造に該当し、当然そのような変造を財務省が自発的にやるはずもなく、安倍晋三の指示だか麻生太郎の指示だかはわからないが、政権のきわめて高い地位にある者が発した指示によって実行された犯罪に違いないとは、誰もが想像するところだろう。

だからこの件は内閣総辞職相当だと思うし、現に世のツイートには「#内閣総辞職」なるハッシュタグがあふれ返っているのだが、鈍いのはマスメディアの反応であり、日本国民の反応だ。後者は長年にわたる「保守」メディア、たとえば読売や産経の記事や日本テレビ・フジテレビ、それに何よりNHKによる安倍政権の宣伝放送によって「洗脳」された人々があまりにも多くなってしまった。戦争中に政府や軍部に反発できなかった日本国民にもそのようなメカニズムが働いたのだろうかと、「二度目には笑劇として」繰り返されている「崩壊の時代」のただ中にある今、そう思う。

安倍政権の政策について、なんとかのミクスを指して、特にリフレ派の人たちが宣伝していた「経済政策はリベラル」という文句もあった。これも安倍内閣の支持率を岩盤化した一因になったと思う。私の意見は、前々から書く通り、その金融政策には一定の評価はできるが、緊縮志向かつ用途が不適切な財政政策(軍事部門や「おともだち部門」への傾斜配分など)によって金融政策の効果が相殺されており、かつ有害無益な「規制緩和」なる新自由主義政策が加わるため、全部をひっくるめて評価すると「経済政策も一部には見どころがあるが全体としては保守反動的」だと考えている。

ましてや、裁量労働制の対象拡大や、それよりさらに悪質な高度プロフェッショナル制度を通そうとした労働政策については、歴代自民党政権の中でも、過去に派遣労働の対象を拡大してきた橋本龍太郎政権、小渕恵三政権や小泉純一郎政権などと並んで、もっとも苛烈を極める極悪政権としか言いようがない。その政権の本性を表しているのが下記の件だ。昨日(3/6)付東京新聞に掲載された。

東京新聞:労働者保護も削除へ 野党反発「裁量制規制に必要」:政治(TOKYO Web)

労働者保護も削除へ 野党反発「裁量制規制に必要」
2018年3月6日 朝刊

 加藤勝信厚生労働相は五日の参院予算委員会で、「働き方」関連法案から削除する裁量労働制の拡大に関し、労働者保護につながる規制強化策も削除する考えを示した。裁量労働制は現行でも不適切な運用が問題となっており、野党からは法案に規制強化策を盛り込むよう求める声が上がっている。

 検討されていた規制強化策では、自分の裁量で仕事をすることが難しい新入社員らに適用させないよう要件として「勤続三年以上」を追加。裁量制で働く人が出退勤の時間を自由に決められることも明確にする内容を盛り込む予定だった。

 さらに、裁量労働制長時間労働につながりやすいとの指摘を踏まえ「健康確保措置」の充実も明記する方針だった。具体的には、(1)終業から始業までの時間の確保(インターバル規制)(2)労働時間が一定量を超えないようにするための措置(3)有給休暇の付与(4)健康診断の実施−のうち、一つ以上を行うよう企業側に義務付ける内容だった。

 不適切な運用をする企業に、労働基準監督署が助言や指導できる根拠規定も盛り込むことになっていた。

 民進党石橋通宏氏は予算委で「裁量労働制で働く人で過労死が出ている。規制強化は(法案に)残すべきだ」と要求。これに対し、加藤氏は「しっかりと実態把握をした上で必要な規制を議論したい」と述べるにとどめ、法案から削除する考えを表明した。

 裁量労働制を巡っては、本来は対象にならない業種に適用したり、残業代が固定になることを悪用して長時間労働を強いたりする不適切な運用が横行。対象外の社員に違法に適用していたとして東京労働局に特別指導を受けた不動産大手の野村不動産(東京)では、五十代の男性職員が過労自殺して労災認定されていたことが発覚したばかりだ。

 安倍晋三首相は男性社員の過労自殺に対する労災認定に関し「報告は受けていない」と述べた。加藤氏はこの件を公表していなかったことについて「一つ一つの事案の報告を受けていなかった。隠蔽(いんぺい)しようとしたわけではない」と述べた。 (木谷孝洋)

東京新聞より)

嘘がばれて裁量労働制の対象拡大ができなくなったのなら、労働者の健康保護策を定めた規制強化なんて法制化してたまるか、と言わんばかりの姿勢は、この政権の酷薄な性質をよく表している。

森友関係の「公文書偽造罪等」の疑惑もさることながら、財界の意のままに動く政権の労働政策に接する時、こんな政権は一刻も早く叩き潰してしまわなければならないと改めて強く思う次第。